□ H11年04月期 A-06  Code:[HB0102] : 平衡している抵抗ブリッジ回路の計算
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2022年
12/31 12月期問題頁掲載
09/01 08月期問題頁掲載
05/14 04月期問題頁掲載
H1104A06 Counter
無線工学 > 1アマ > H11年04月期 > A-06
A-06 図に示す回路において、電流Iの値として、正しいものを下の番号から選べ。
E/R    [A]
E/(2R) [A]
E/(3R) [A]
E/(4R) [A]
E/(5R) [A]
問題図 H1104A06a
Fig.H1104A06a

 ブリッジの平衡の問題は形を変えて出題されます。この問題は明らかに見てブリッジの問題と分かりますが、回路の形がひし形になっていない問題もありますので、よく回路図を見て下さい。

[1]ブリッジが平衡しているかどうかを見極める

 まず、このブリッジ回路が平衡しているかどうかを見極めます。見極めるためには、Fig.HB0102_aにもありますが、
 R1:R2=R3:R4 …(1)
つまり、
 R14=R23 …(2)
が成り立っているかどうかを見ます。ひし形にした時に向かい合う辺の抵抗値の積が同じになるかを見るのです。(この問題は幸運なことにR1=R3かつ、R2=R4ですから、明らかに(1)も(2)も成り立っています。)
 ブリッジが平衡しているときのノードAの電位VAとノードBの電位VB(基準はノードY)をそれぞれ求めると、
Fig.HB0102_a 抵抗ブリッジの平衡
Fig.HB0102_a
抵抗ブリッジの平衡
 VA=ER2/(R1+R2) …(3)
 VB=ER4/(R3+R4) …(4)
となります。

[2]平衡時に中心の抵抗には電流が流れない

 ここで、ノードAとノードBの電位VAとVBの関係を調べるために、VA−VBを計算してみます。
 VA−VB
  =E{R2/(R1+R2)−R4/(R3+R4)}
  =E{R2(R3+R4)−R4(R1+R2)}/{(R1+R2)(R3+R4)} …(5)
となります。(5)式の分子のみに着目すると、
  E{R2(R3+R4)−R4(R1+R2)}
 =E{(R23+R24)−(R41+R42)}
 =E(R23−R14) …(6)
ここで(2)より、R14=R23なので、(6)式の値はゼロ、つまり、
 VA−VB=0  ∴ VA=VB
となります。ノードAとノードBの電位差がゼロだということは、この間に何を繋いでも、例えショートしても開放にしてもAB間に電流は流れません。それならば、5はあってもなくてもX−Y間の合成抵抗は同じになるでしょう。ブリッジの平衡のミソはここにあります。

それでは、解答に移ります。
 この問題が尋ねているのは、電源からの電流がいくらになるか、なので、R5は無いことにして、R1〜4の合成抵抗を求めればいいわけです。これはもう、R1+R2とR3+R4の並列抵抗の合成の問題で、
 R1+R2=R3+R4=6R [Ω]
なのですから、その並列の合成抵抗は3R [Ω]とすぐに出ます。従って、I=E/(3R) [A]で、正解はとなります。

 長々と解説してきましたが、ブリッジが平衡しているとわかったら、すぐに真中の抵抗を無視してかまいません。あとは合成抵抗の問題に帰着できれば、ほとんど計算も無しに解けてしまいます。