□ H14年08月期 A-01  Code:[HA1001] : 電磁誘導に関連する法則の名前と現象の説明
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04/13 04月期問題頁掲載
2018年
12/09 12月期問題頁掲載
08/16 08月期問題頁掲載
H1408A01 Counter
無線工学 > 1アマ > H14年08月期 > A-01
A-01 次の記述は、電磁誘導について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。
運動している導体が磁束を横切ると、導体に起電力が発生する。このような現象を電磁誘導という。
磁界の方向、磁界中の導体の運動の方向及び導体に発生する誘導起電力の方向の三者の関係を表したものをフレミングの左手の法則という。
電磁誘導によって生じる誘導起電力の方向は、その起電力による誘導電流の作る磁束が、もとの磁束の変化を妨げるような方向である。これをレンツの法則という。
電磁誘導によってコイルに誘起される起電力の大きさは、コイルと鎖交する磁束の時間に対する変化の割合いに比例する。これを電磁誘導に関するファラデーの法則という。

 物理には星の数ほど「法則」があって、特に電気関係は多いですね。覚えるのが大変ですが、なるべく頭に入りやすいように、電気と磁気とそれらの相互作用に関わる、基本的な法則とその内容をまとめてみました。

[1」電流と磁気、静電荷に関わる法則

 電流と磁界に関する法則は、ビオ・サバールの法則とアンペールの法則で、これらは同じ現象を2つの視点で見たもので、実質的には同じです。また、ここでクーロンの法則を取り上げたのは「おまけ」です。

法則の名前
内容
アンペールの法則
(アンペアの法則
とも言う)
直線状の導線に電流I [A]を流した時、電流の流れる方向をネジの進む向きに取ると、導線の周囲に生ずる磁界の方向は、右ネジを締め込む方向になる。いわゆる右ネジの法則。(Fig.HA1001_a)
導体から距離r [m]だけ離れた点での磁界の強さH [A/m]は、
 H=I/2πr [A/m]
で示される。この法則は、電源から流れる電流だろうが、電磁誘導現象によって生じた誘導電流だろうが、電流ならば何でも成り立つので、応用範囲が広い。
ビオ・サバール
の法則

これもアンペールの法則と、説明しようとする物理現象は全く同じだが、アンペールの法則が積分結果で書かれているのに対し、この法則は微分形で書かれているいるという違いがある。こちらの法則の方が曲がって流れる電流(コイルなど)に対しても適用できるので、より一般的である。
但し、アンペールの法則のようにある点での磁界の強さを計算するには、積分を実行しなければならず、手計算でHが求められる電流の形状は限られる。(Fig.HA1001_a)
ちなみに、法則名のビオ・サバールとは、発見者のビオさんとサバールさんの名前から取ったもの。
クーロンの法則
この法則は、電荷に対しても磁荷(実際には存在しない)に対しても成り立つが、ここでは電荷について説明する。
電荷を帯びた2つの物体に働く力(静電気力)は、両者の電荷量の積に比例し、距離の2乗に反比例する、という法則(Fig.HA1001_a)。
力の向きは、2つの電荷を結ぶ線上で、異符号なら引力、同符号なら斥力(反発力)となる。また、働く力は、2つの電荷の周囲が真空ならば真空の誘電率ε0に、誘電体ならその誘電率εに反比例する。
(クーロンの法則は電磁誘導の問題ではよく「誤った選択肢」として登場するので、あえて挙げてみました。)

Fig.HA1001_a 電流の作る磁界の法則
Fig.HA1001_a 電流の作る磁界の法則


[2]電磁誘導に関する法則

 以下は電磁誘導のファラデーの法則(レンツの法則)とフレミングの右手・左手の法則ですが、上記の物理法則と磁力線の性質が理解できていれば、改めて「法則」として記憶しなくても、問われている磁界や起電力、電流の向きなどは答えられます。
 なので、上とは別の項目に分けました。

法則の名前
内容
(電磁誘導の)
ファラデーの法則
ファラデーは化学の分野でも法則を発見しているので、区別して「電磁誘導に関する」と付けることがある。
回路を貫く磁束が変化する時、誘導起電力はその変化率に比例し、その向きは変化を妨げるような方向である、という法則(Fig.HA1001_a)。回路がコイルの場合は巻数にも比例する。
誘導起電力の根源が磁束の変化「率」なので、変化しない磁束からは誘導起電力は発生しない。また、同じ磁束なら、高速に変化する方が誘導起電力が大きい。閉回路を貫く磁束を変化させるには、磁束そのものを変化させてもよいが、閉回路のループの面積を変えてもよい
レンツの法則
誘導起電力が生じる向きは、誘導電流が起こす磁束が、外部から与えられた変化を妨げる向きである、という法則。外部から磁束そのものを変化させようとすれば、それを妨げるようにコイルに電流が流れ、閉回路のループ面積を変えようとするとそれを妨げようとするように力が働く。
例えば、コイルに流れている電流を急激に切ろうとした時は、コイル両端の電圧が一気に上昇して定電流を流そうとする。この現象を積極的に応用したのがスイッチング電源。
フレミングの
右手の法則

磁界中を、導体が運動すると起電力が発生する。磁界の方向・運動の方向・誘導起電力の向きが、各々右手の人差指・親指・中指を直角にした関係になる。これは発電機の動作原理である。Fig.HA1001_b右のように、導体が磁界中を運動し、起電力が発生して誘導電流が流れると、誘導電流が発生させる磁界が元々の磁界と相互作用して、運動を妨げる方向に作用する。
この図で説明すると、導体の上側の磁界が下側の磁界に比べて強くなるため、導体は下向きの力を受ける。誘導電流は画面表から裏へと流れる。
もし、回路が開放になっていて誘導電流がゼロなら、この下向きの力は発生しないので、導体を等速で運動させるのに力は必要ない。
フレミングの
左手の法則

磁界中に張った導体に、電流を流すと力が発生する。磁界の方向・受ける力の向き・誘導起電力の向きが、各々左手の人差指・親指・中指を直角にした関係になる。これはモーターの動作原理である。Fig.HA1001_b左のように、画面裏から表へと流れる電流が磁界中に置かれると、その電流が作る磁界と元々の磁界が相互作用して、導体に力を及ぼす。
この図で説明すると、導体の下側の磁界が上側の磁界に比べて強くなるため、導体は上向きの力を受ける。止めておく力がなければ、導体は動き出すが、受ける力の大きさは速度に関係ないので、原理的にはどんどん加速する。

Fig.HA1001_b 左手・右手の法則の説明
Fig.HA1001_b 左手・右手の法則の説明

それでは、解答に移ります。
 …これは電磁誘導現象の正しい記述です
 …これはフレミングの右手の法則の説明なので、誤った記述です
 …これはレンツの法則の正しい記述です
 …これはファラデーの法則の正しい記述です
となりますから、正解(誤った記述)はと分かります。