□ H14年08月期 A-09  Code:[HD0301] : 水晶発振器の発振周波数を安定化する方法
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2022年
12/31 12月期問題頁掲載
09/01 08月期問題頁掲載
05/14 04月期問題頁掲載
H1408A09 Counter
無線工学 > 1アマ > H14年08月期 > A-09
A-09 次の記述は、水晶発振器の発振周波数の安定度を良くする方法について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。
発振器の電源に定電圧回路を用いる。
発振器と負荷をなるべく密結合の状態にする。
発振器又は水晶発振子を恒温槽に入れる。
発振器に加わる機械的衝撃や振動を軽減する。

 水晶発振子の発振周波数を安定化させるため、その原因と対策を問うています。これらはペアでマスターしましょう。

[1]水晶発振子の周波数変動と対策

水晶発振子を使用した発振回路と、その発振周波数の変動要因・対策をまとめてみました。

変動要因 代表的な現象 考えられる対策
温度 周囲の温度…夏と冬で周波数が違う
機内温度…電源を入れてしばらくしないと周波数が安定しない
水晶や周辺回路を含めて、恒温槽に入れる。最近では、旧来型の加熱して一定温度に保つものの他、水晶の温度特性をデジタル的に補償するTCXO温度補償型水晶発振器)が無線機に使われています。
振動 車載機などで無線機が振動すると周波数が変動する 水晶振動子や周辺回路に防振処理振動吸収材などで囲む)をする。
電源電圧
変動
キーダウンすると周波数がずれる(昔のUゾーンの電信はほとんどこれ) 電源回路に定電圧回路を用いるか、水晶発振部だけを別電源にして、特に電圧安定度に配慮した小容量の電源で供給する。
負荷の変動 発振回路の後段に繋がる回路を替えると、発振周波数が変わる 発振回路と後段の回路を結合している部分の結合を「疎」にする。C結合なら容量を小さく、L結合なら相互インダクタンスを小さく、R結合なら抵抗値を大きくする。
又は、緩衝増幅器(バッファアンプ)を後段との間に挿入する。
 

それでは、解答に移ります。
 この問題文では、「発振器と負荷をなるべく密結合の状態にする」という部分が間違っているので、正解はと分かります。
 電子回路で、後段の影響が手前の回路に及ぶような設計はしてはいけませんが、かといってあまり結合を疎にすると、後段でゲインを稼がなければならなかった(バッファアンプの追加=コストアップ)り、S/Nが劣化したりするので、実際にはトレードオフということになります。