□ H14年08月期 A-18  Code:[HG0401] : 電圧分割式の電源回路で、ブリーダ電流が既知の時の分割抵抗の計算
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2022年
12/31 12月期問題頁掲載
09/01 08月期問題頁掲載
05/14 04月期問題頁掲載
H1408A18 Counter
無線工学 > 1アマ > H14年08月期 > A-18
A-18 図に示す直流電源回路の出力電圧が300 [V]であるとき、抵抗R1、R2 及びR3 を用いた電圧分割器により、出力端子Aから120 [V] 50 [mA]及び出力端子Bから50 [V] 100 [mA]を取り出す場合、R1、R2及びR3の抵抗値の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、接地端子をGとし、R3を流れるブリーダ電流は100 [mA]とする。

1 2 3
720 [Ω] 350 [Ω] 500 [Ω]
720 [Ω] 470 [Ω] 1.0 [kΩ]
900 [Ω] 700 [Ω] 1.0 [kΩ]
1.2 [kΩ] 350 [Ω] 250 [Ω]
1.8 [kΩ] 700 [Ω] 500 [Ω]
問題図 H1408A18a
Fig.H1408A18a

 ここではまず、具体的な数値を当てはめる前に、考え方を示すために一般化して考えてみます。後で数値を入れて答えを出します。電源の問題のようですが、よく見ればオームの法則の問題です。
 計算は簡単なので、実際に問題を解く時は、こんな一般化は必要なく、順に値を入れて解いた方が早いと思います。

[1]ブリーダ抵抗とは?

 正確な定義ではないかもしれませんが、平滑回路の出力に接続して、ある程度の電流を流しておく抵抗です。元々は、無負荷時あるいは軽負荷時の出力電圧を安定させる目的で用いられるものですが、この問題のように電圧分割抵抗としても用いられるようです。
 ここでは、そのブリーダ抵抗と電源として利用する電流・電圧から抵抗値を求める問題です。分かっているものから順に解いて行けば、あまり難しくありません。

[2]分かっている枝から順に解く

 まず、各部の電圧や電流を定義します。Fig.HG0401_aを見て下さい。電圧は、平滑出力電圧をP [V]、A点・B点の電圧をそれぞれQ [V],R [V]とします。また、負荷は、A点に接続されている抵抗(ここでは一定電流なので、負荷は抵抗であるとしても構いません)がRX[Ω]、B点に接続されている抵抗がRY [Ω]とします。
Fig.HG0401_a ブリーダ抵抗と負荷の電流と電圧
Fig.HG0401_a
ブリーダ抵抗と負荷の電流と電圧
 電流は、負荷RXを流れるのがX [A]、RYを流れるのがY [A]、さらに、R3を流れるのがZ [A]とします。
 この問題で与えられているのが、P,Q,Rの各電圧とZの電流です。ここまで分かっていると、後はオームの法則だけで答えが出てしまいます。ここからはそれを見て行きましょう。
(a) R3を流れる電流に着目
GB間の電圧Rは、問題から、3にブリーダ電流Zが流れているので、R3Z [V]と求められます。
 つまり、
 R3=R/Z [Ω] …(1)
と求められます。

(b) AB間の電位差とR2に流れる電流に着目
 AB間の電位差はQ−R [V]です。R2に流れる電流は、3に流れる電流Zと負荷RYに流れる電流Yの和なので、
 (Z+Y)R2=Q−R
となります。これをR2について解けば、
 R2=(Q−R)/(Z+Y) …(2)
です。

(c) 平滑出力電圧対A間の電位差とR1に流れる電流に着目
 平滑出力電圧とAの間の電位差は、P−Q [V]です。1に流れる電流は、X+Y+Z [A]になるので、(2)式と全く同様に考えて、
 R1=(P−Q)/(X+Z+Y) …(3)
です。
 この問題では、抵抗のみが未知で他の電流や電圧は既知(負荷抵抗は未知ですが、問題を解くには不要です。あえて計算したいなら、出すこともできます)ですから、(1)〜(3)式はこの順番で解けて行き、すべての抵抗値を求めることができます。

それでは、解答に移ります。
 題意から、P=300 [V],Q=120 [V],R=50 [V],X=50 [mA],Y=100 [mA],Z=100 [mA]を(1)〜(3)にそれぞれ代入すると、R1=720 [Ω],R2=350 [Ω],R3=500 [Ω]
となりますから、正解はと分かります。