□ H14年08月期 B-02  Code:[HC0203] : トンネルダイオードの特徴(不純物濃度・負性抵抗・用途)
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05/14 04月期問題頁掲載
01/11 12月期問題頁掲載
2021年
10/17 09月期問題頁掲載
H1408B02 Counter
無線工学 > 1アマ > H14年08月期 > B-02
B-02 次の記述は、トンネルダイオード(エサキダイオード)について述べたものである。このうち正しいものを1、誤っているものを2として解答せよ。
負性抵抗特性を利用する半導体素子である。
不純物の濃度が通常の半導体素子よりきわめて小さい。
逆方向バイアスでも比較的大きな電流が流れる。
逆方向バイアスで、トンネル効果による負性抵抗特性が現れる。
マイクロ波帯からミリ波帯の正弦波発振器、パルス発生器又は増幅器等に用いられる。

 ノーベル物理学賞の江崎玲於奈博士の名前のついたダイオードです。桁違いにおかしな事をしてみたら(というか、意図せずしてしまったら、が正しい)、新しい発見が潜んでいた、という典型例です。

[1]トンネルダイオードの動作原理

 通常、電圧を掛けない時でも、ダイオードには薄い空乏層が存在します。(「ビルトインポテンシャル」というものによりますが、詳しくは、半導体の教科書を参照して下さい。)
Fig.HC0203_a トンネルダイオードの構造と特性
Fig.HC0203_a
トンネルダイオードの構造と特性
 普通のPN接合ダイオードの、不純物濃度を極端に上げると、この空乏層に作られるポテンシャル障壁(キャリアが通れない電位の「壁」)が非常に薄くなり、通り抜けられないはずの電子やホールが、電位障壁を通り抜けてしまうという、トンネル効果というものが起こります。
 これが起こると、通常のPN接合ダイオードであれば、印加電圧が(逆バイアス時も含め)VFまでは少しの電流しか流れないダイオードに、大きな電流が流れるようになります(Fig.HC0203_a右)。


[2]トンネル効果が減少する電圧範囲で「負性抵抗」を示す

 しかし、このトンネル効果は順方向電圧を上げて行くと効果が減少し、「普通のダイオード」の特性が顔を出してきます。この「順方向電圧を上げて行くとトンネル効果が減少し、電流が減少する」領域は、Fig.HC0203_aの水色で囲った部分です。ここでは、このダイオードは「かかる電圧を上げると電流が減少する」という奇妙な振舞いを示します。この振舞いを「負性抵抗」といい、マイクロ波の周波数域まで応答性があることから、マイクロ波発振回路に用いられます。
 なぜ負性抵抗で発振が起こるかということを理解するために、トンネルダイオードと抵抗を直列にしたものを定電圧電源を接続した回路を考えて下さい。抵抗を調整して、トンネルダイオードの両端に、負性抵抗を持つ領域の電圧がかかるように設定したとします。すると、電流が多く流れようとするとダイオード両端の電圧が下がって抵抗で電流が制限され、電流が減ろうとするとダイオード両端の電圧が上がってこれで電流が制限され…という風に、ダイオード両端の電圧が振動するわけです。トンネルダイオードではこれが極めて高速に行なえるので、この振動電圧のみを取り出して、マイクロ波発振として利用できるわけです。

それでは、解答に移ります。
 …トンネルダイオードは負性抵抗を利用するので、1正しい記述です
 …不純物の濃度は極めて高いので、2誤った記述です
 …逆方向でも、トンネル効果により電流が流れるので、1正しい記述です
 …負性抵抗特性は順方向の時に出現するので2誤った記述です
 …用途はマイクロ波〜ミリ波帯の発振等なので1正しい記述です
となります。
 の「増幅」に引っかかり、少し調べてみましたが、トンネルダイオードが増幅に用いられる時の動作原理はよくわかりませんでした。