□ H14年12月期 B-01  Code:[HA0501] : 導線の電気抵抗を決めている要因と抵抗値の計算
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2022年
12/31 12月期問題頁掲載
09/01 08月期問題頁掲載
05/14 04月期問題頁掲載
H1412B01 Counter
無線工学 > 1アマ > H14年12月期 > B-01
B-01 次の記述は、導線の電気抵抗について述べたものである。このうち正しいものを1、誤っているものを2として解答せよ。
断面積に比例する。
長さに比例する。
抵抗率に反比例する。
一般に温度によって変化する。
一般に導体の抵抗率は半導体の抵抗率よりも小さい。

 導体の電気抵抗の性質を問う問題です。最初に電気抵抗の性質をつかんでおきます。

[1]導体と絶縁体

 まず、物質はその電気伝導性により、
   絶縁体<半導体<導体
と分けられます。絶縁体の中にも極めてわずかに電気を通すものも存在しますし、導体の中でもモノによって伝導性(この後で書く「抵抗率」で定義します)が違います。ただ、導体と半導体、半導体と絶縁体では桁違いに差があるため、こう分類します。
 次に、導体の抵抗をもう少し定量的に見て行きます。導体の抵抗は、断面積S [m2]に反比例し、長さL [m]と抵抗率ρ [Ωm]に比例します。断面積と長さは感覚的に理解できますが、この抵抗率とは何でしょうか?
Fig.HA0501_a 抵抗を決める要素
Fig.HA0501_a
抵抗を決める要素

[2]抵抗率とは何か

 「抵抗率」は断面積が1 [m2]、長さが1 [m]の均質な導体がある時に、その抵抗値で定義されます。要するに、物質によって異なる定数で、単位面積・単位長さあたりの抵抗、ということです。この値が大きいほど、その物質の抵抗が大きい、ということを意味します。単位は[Ωm]です。
 形状には依存しませんが、温度によって変化します。ほとんどの場合、金属などの導体では、温度が上がると抵抗率も大きくなります。シリコン等の半導体では、一般に温度が上がると自由に動ける電子が増えるので、抵抗率は下がります。
 常温での値を理科年表から引いてくれば、(×10-8 [Ωm]で示しています)
 金 …2.4
 銀 …1.6
 銅 …1.7
アルミ…2.8
黄銅 …5〜7
 鉄 …9.0
ニクロム…110
という具合です。同じ導体でも数倍から数10倍の差があることが分かります。

それでは、解答に移ります。
 …抵抗は断面積には反比例するので2誤った記述です
 …抵抗は長さに比例するので1正しい記述です
 …抵抗は抵抗率には比例するので2誤った記述です
 …抵抗は温度によって変化するので1正しい記述です
 …導体の抵抗率は半導体より小さいので1正しい記述です
となります。