□ H15年12月期 A-03  Code:[HA0307] : 3個以上のコンデンサの合成容量・最大耐電圧・未知の静電容量等の計算
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2022年
05/14 04月期問題頁掲載
01/11 12月期問題頁掲載
2021年
10/17 09月期問題頁掲載
H1512A03 Counter
無線工学 > 1アマ > H15年12月期 > A-03
A-03 耐電圧がすべて100 [V]で、静電容量が10 [μF]、20 [μF]及び50 [μF]の3個のコンデンサを直列に接続したとき、その両端に加えることのできる最大電圧の値として、正しいものを下の番号から選べ。
100 [V]
170 [V]
200 [V]
240 [V]
300 [V]

 この問題では、「直列接続のコンデンサの各電極に蓄えられる電荷は等しい」、という物理が解法のキーになります。容量がすべて同じ場合以外は、耐圧100 [V]のコンデンサが3つ直列なんだから、300 [V]だろう、というのは間違いです。

[1]直列接続のコンデンサの各電極に蓄えられる電荷は等しい

 各コンデンサの容量やかかる電圧をFig.HA0307_cのように置きます。
 直列接続のコンデンサの各電極に蓄えられる電荷は等しいので、Qと置きます。
 なお、電荷が等しい理由の「証明」は簡単で、例えば、Fig.HA0307_cで、C1の電源側の電極に+Qの電荷が溜まったとすると、その対向する電極には−Qが溜まります。またC2の左側の電極には、+Qが溜まります。このノードは他にどこにも繋がっていないので、電子が勝手に消えたり湧いて出たりしない限り、一方に+Qがあれば他方には−Qがあって、合計がゼロになるはずだからです。C3についても同様です。
Fig.HA0307_c 直列コンデンサの電圧
Fig.HA0307_c
直列コンデンサの電圧

[2]最小容量のコンデンサに最高電圧がかかる

 ここで仮に、最も容量が小さいコンデンサがC1であるとして、これに最大電圧E1maxがかかっている時に、他のコンデンサにどれだけの電圧がかかっているかを計算します。まず、このときに各コンデンサに蓄えられる電荷Qを計算します。
 Q=E1max1 …(1)
これと同じ電荷がC2, C3についても溜まりますから、これらの両端にかかる電圧をそれぞれ、E2, E3とすれば、
 Q=E22 …(2)
 Q=E33 …(3)
(1)と(2)、(1)と(3)からそれぞれQを消去すれば、
 E1max1=E22
 ∴ E2=(C1/C2)E1max …(4)
 E1max1=E33
 ∴ E3=(C1/C3)E1max …(5)
となります。
 上記の結果を吟味してみます。C1が3つの中で最小容量のコンデンサなので、(4),(5)式の中で、C1/C2<1でかつ、C1/C3<1です。つまり、E2<E1maxでかつ、E3<E1maxということ、すなわち最も小さな容量のコンデンサに最大電圧がかかるので、複数の耐圧が同じコンデンサを直列につないで耐圧を稼ぎたい時、全体の耐電圧を決めているのは最小容量のコンデンサだ、ということです。
 ここまで分かれば、全体の耐電圧Emaxは下記のようにして求められるのが分かります。
 Emax=E1max+E2+E3=E1max(1+C1/C2+C1/C3) …(6)
 余談ですが、この問題のように、容量の異なるコンデンサを直列に接続すると、最も容量の少ないコンデンサに電圧が集中します。このことは逆に、同じ容量を接続したつもりでも(コンデンサは一般に抵抗に比べて誤差が大きいので)、容量の少ないものの両端の電圧が高くなってしまうことがある、ということです。
 セラミックコンデンサの中には+20%/-80%なんていう誤差のものもありますから、たとえ耐圧50 [V]だからといってこれを直列にして80 [V]かけたら、絶縁破壊するものも出てくる可能性がある、ということです。
 耐圧を稼ぐために複数のコンデンサを直列にする時は、容量誤差に注意する必要があります。

それでは、解答に移ります。
 題意の数字、E1max=100 [V], C1=10 [μF], C2=20 [μF], C3=50 [μF] をそれぞれ(6)式に代入すれば、
 Emax=100×(1+10/20+10/50)=170 [V]
となりますので、正解はと分かります。