□ H16年08月期 A-14  Code:[HE0403] : GG電力増幅回路に相当するTr増幅回路方式と、SSB送信機の終段回路の級
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2022年
05/14 04月期問題頁掲載
01/11 12月期問題頁掲載
2021年
10/17 09月期問題頁掲載
H1608A14 Counter
無線工学 > 1アマ > H16年08月期 > A-14
A-14 次の記述は、図に示す構成の電力増幅回路について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。
問題図 H1608A14a
Fig.H1608A14a
(1) この電力増幅回路は、三極真空管を用いた[A]増幅回路であり、トランジスタを用いた[B]増幅回路に相当し、入出力間の結合容量が小さく、中和回路がほとんど不要で、安定に動作する。
(2) SSB(J3E)送信機の終段に用いる場合は、[C]増幅として動作させる。


グリッド接地 ベース接地 B級又はAB級
グリッド接地 ベース接地 C級
グリッド接地 エミッタホロワ C級
カソードホロワ エミッタホロワ B級又はAB級
カソードホロワ ベース接地 C級

 問題は真空管ですが、問われているのはトランジスタ(以下、単にトランジスタといえばバイポーラトランジスタ)もFETも同じです。まず、グリッド(真空管)・ベース(トランジスタ)・ゲート(FET)をそれぞれコモンにした増幅回路の特徴さえ分かれば解けます。送信機のカテゴリーに入れましたが、内容的には電子回路の方が正解かもしれません。

[1]グリッド接地・ベース接地・ゲート接地

 真空管やトランジスタ、FETなど増幅素子には何本かの「足」(端子)がありますが、それらを入力端子と出力端子と共通端子のどれに割り当てるかで、いろいろな増幅回路が構成できます。
 なかでも、真空管の場合は「グリッド」、トランジスタの場合は「ベース」、FETの場合は「ゲート」をコモンにした増幅回路は、共通の特徴があります。特に、高周波の電力増幅器として使用した場合は、後に述べるような利点があるので、様々なところで使われています。
Fig.HE0403_a 真空管とトランジスタ回路の対比
Fig.HE0403_a
真空管とトランジスタ回路の対比
 Fig.HE0403_aの上にある3つの回路を見て下さい。これらは、「原理回路図」といってバイアス回路やAC結合のコンデンサ、電源デカップリングのためのパスコン・RFCは除いて書いてあります。
 トランジスタ回路のところで学びました(覚えのない方は該当する問題を参照して下さい)が、ベース接地には以下のような特徴があります。復習すると、
 ・電流利得はほぼ1
 ・電圧増幅度が大きい
 ・高周波まで安定に動作
 ・出力インピーダンスが高い
というものでした。トランジスタは電流制御型素子なので、電圧制御型の真空管やFETでは異なる所もありますが、グリッド接地、ゲート接地ともに「高周波まで安定に動作する」という利点は共通です。

[2]ベース接地・ゲート接地・グリッド接地が高周波まで安定動作な理由

 高周波まで安定動作する理由には2つあると思います。これらは同じことかもしれませんが、少なくとも回路を解析すると「高周波までゲインが落ちない」ということと「発振しない」という別の現象として見えます。
 私もこの2つの現象を峻別することはできません。根っこは「入出力が容量結合しない」ということですが、現象として違った効果を生むのは、以下のような理由だと考えます。
  • ミラー効果がない
     エミッタ接地では、入力電極と出力電極間にかかる交流電圧の位相が逆で、なおかつ出力側の振幅がゲイン倍されるので、(トランジスタでいえば)ベースとコレクタ間の浮遊容量Csが(ゲイン+1)倍されてしまいます。この容量(ゲイン+1)Csとベース抵抗Rbで作る低域フィルタ(LPF)を形成するために、高周波でのゲインが落ちてしまうのですが、ここで挙げた3つの接地方式ではFig.HE0403_a下のように、ベースやゲート、グリッドが交流的に接地されているので、原理的にミラー効果が起こりません。従って、上に述べたカットオフ周波数の低いLPFも形成されず、高周波までゲイン特性が伸びた回路が組めるわけです。

  • 入出力の結合が小さい
     上で、「ミラー効果はない」と書きましたが、入出力電極間の静電的結合がないわけではありません。入出力が結合すると、「正帰還」で帰還回路のゲインが1以上になると、増幅器が発振器になってしまいます。これを防ぐため、エミッタ接地では周波数特性をある程度犠牲にして、負帰還になるような「中和」コンデンサを入れることがありますが、この回路には不要です。
     この回路は、上で述べたように、真中にベースやゲート、グリッドといった接地された電極をサンドイッチする形で入出力電極が配置されていますから、これらの静電的な結合は非常に小さなものになり、発振もしにくくなります。
 以上のような理由から、これらの接地方式は高周波増幅に適したものとして、無線機の高周波電力増幅によく用いられているわけです。

それでは、解答に移ります。
 …この回路図はグリッド接地回路です。グリッドが接地されています
 …グリッド接地はトランジスタでいうベース接地と同様な動作です
 …SSBではひずみが生じないよう、AB級又はB級で動作させます
となりますから、正解はと分かります。