□ H16年08月期 A-16  Code:[HF0502] : FM受信機の構成(スケルチ回路とデエンファシス回路)
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05/14 04月期問題頁掲載
01/11 12月期問題頁掲載
2021年
10/17 09月期問題頁掲載
H1608A16 Counter
無線工学 > 1アマ > H16年08月期 > A-16
A-16 図は、FM(F3E)受信機の構成例を示したものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。
問題図 H1608A16a
Fig.H1608A16a


振幅制限器 AGC回路 ディエンファシス回路
振幅制限器 スケルチ回路 ディエンファシス回路
振幅制限器 スケルチ回路 ALC回路
スケルチ回路 ディエンファシス回路 ALC回路
スケルチ回路 ディエンファシス回路 振幅制限器

 FM受信機のうち、スケルチ回路をその周辺の構成に関する問題です。スケルチ回路の仕組みが分かっていれば解けますが、スケルチとは無関係のFM特有の回路であるデエンファシス回路についても調べてみました。

[1]スケルチ回路の構成と動作

 Fig.HF0502_aにFM受信機中のスケルチ回路とその周辺の構成を示します。このブロック図について、動作の概略を説明します。

(1) 雑音増幅器

 雑音増幅器は周波数弁別器の出力から、ノイズ成分のみを取り出して増幅します。FMのノイズは、(聞いたことがある方がほとんどとは思いますが)「ザー」という非常にランダムで高周波成分の多いノイズですので、音声と分離するのは比較的容易です。
 雑音増幅器の入力は、振幅制限器の制限レベルを示す直流電圧と周波数弁別器の出力ですが、振幅制限器からも信号を取るのは、アンテナ入力が低レベルで振幅制限器が動作していない(振幅制限がかかっていない)時にのみ、スケルチ回路を動作させるためです。

(2) 雑音整流器

 「雑音」を「整流」するというのもすぐにイメージが湧きませんが、要するに電源回路などの整流と同じことで、ノイズという交流を整流して直流電圧に変換する働きです。ここで変換された直流レベルは、ノイズの大きさを示していますから、これをスケルチ動作のしきい値としてやります。

Fig.HF0502_a スケルチの構成と動作
Fig.HF0502_a
スケルチの構成と動作

(3) 制御回路

 中身は比較器(コンパレータ)で、低周波増幅を止めるかどうか判断します。何と何を比較するかというと、上で得られた、ノイズの大きさに比例する電圧と、(手動などで)設定するスケルチレベルです。
 ノイズレベルがスケルチレベルより大きければ、低周波増幅回路の動作を止めます。ノイズレベルが小さければ、信号が来ていると判断して低周波増幅回路を動作させます。

[2]デエンファシスとはどんな回路?

 デエンファシス(de-enphasis)回路を学ぶ前に、プリエンファシス(pre-enphasis)回路を調べておきましょう。なぜかというと、プリエンファシス回路は送信側の回路で、これらを設けることはFM変調の原理に関わることだからです。
 プリエンファシス回路は、音声信号の高域を強調する回路です。なぜこんなことをするかというと、FM変調は原理的に、復調時の雑音が高域ほど強いので、受信側では高域の音ほどS/N比が低下するので、送信側であらかじめ高域を強めて送ってやれば、受信側で高域を弱める際に雑音も一緒に弱まってしまいます。
 受信側で、送信側とは逆に、周波数弁別器の音声出力の高域成分を弱めてやる回路を、デエンファシス回路といいます。
 回路の中身は、プリエンファシス回路が微分器、デエンファシス回路が積分器です。微分と積分というと数学のようでややこしそうですが、早い話がそれぞれハイパスフィルタとローパスフィルタのようなものです。一般にフィルタと違うのは、フィルタの特性の平坦部分を利用するのではなくて、スロープの部分を使うことです。
 お気づきかと思いますが、送受信で正確に逆関数になっていないと、音声がおかしなバランスになりますので、システムの違いによって、それぞれフィルタの時定数が規定されています。

それでは、解答に移ります。
 …中間周波増幅の後で、周波数弁別器の前は、振幅制限器です
 …振幅制限器や周波数弁別器を入力とするのは、スケルチ回路です
 …周波数弁別器の後段にはデエンファシス回路が入ります
となりますから、正解はと分かります。