□ H17年04月期 A-19  Code:[HH0701] : 絶対利得と相対利得の定義
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2019年
04/13 04月期問題頁掲載
2018年
12/09 12月期問題頁掲載
08/16 08月期問題頁掲載
H1704A19 Counter
無線工学 > 1アマ > H17年04月期 > A-19
A-19 次の記述は、アンテナの利得について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。
(1) 利得は、基準アンテナに対する性能を表すものであり、基準アンテナとして[A]アンテナを用いたときの利得を絶対利得といい、通常、[B]アンテナを用いたときの利得を相対利得という。
(2) 同一アンテナの相対利得と絶対利得を比較すると、[C]利得の方が大きな値となる。


等方性 半波長ダイポール 相対
等方性 半波長ダイポール 絶対
半波長ダイポール 3素子八木 相対
半波長ダイポール 等方性 相対
半波長ダイポール 等方性 絶対

 アンテナの利得には、基準の取り方により2種類あります。絶対利得と相対利得ですが、どっちがどっちかすぐに分からなくなるので、基準となるアンテナが何か、で理解すると忘れにくくなります。

[1]アンテナの相対利得・絶対利得とは何か

 アンテナの利得には、その基準の取り方によって、2種類の表記があります。まず、アンテナの利得の定義を示します。
 アンテナの利得は、以下のように基準となるアンテナと測定するアンテナの電界強度を、波長に比べて十分に離れた距離の地点において測定して決めます。
 ・基準となるアンテナに電力P0を供給して測定した電界強度と、
 ・評価するアンテナにある電力Pdを供給して、
 ・評価するアンテナの最大放射方向において、
 ・電界強度が基準アンテナと同じになるようにした時の電力の比P0/Pd
を利得と定義することになっています。
 要約すれば、利得とは、基準アンテナと供試アンテナがあって、両者の作る電界強度が同じになるための電力の比を言います。
 教科書には、この基準となるアンテナには2種類ある、と書いてあるわけで、一つはこの世に実在しない仮想のアンテナ「アイソトロピック(等方的)アンテナ」と(これは実在する)λ/2ダイポールアンテナです。
 アイソトロピックアンテナは、どの方向にも満遍なく電波を放射すると仮定したアンテナです。そんなこの世に存在しないアンテナを基準にするなんておかしいですが、どの方向にも一様に放射する、ということは電界強度が計算で出せるため、実測しなくてもいい(=実在しなくても構わない)のが特徴です。
Fig.HH0701_a 利得の基準となるアンテナ
Fig.HH0701_a
利得の基準となるアンテナ
 一方、λ/2ダイポールは上で挙げたように、8の字特性を持ちますから、等方的ではなく、アイソトロピックアンテナより高い利得を持ちます。ダイポールの電界強度は、構造がシンプルなのでシミュレータなどでかなり正確に出ます。

 このように、
 ・アイソトロピックアンテナを基準にした利得を絶対利得
 ・λ/2ダイポールを基準にした利得を相対利得

といいます。表記は、絶対利得が[dBi](「でーびーあい」と読むようです)、相対利得が単に[dB](デシベル)又は[dBd](「でーびーでー」と読むようです)ですが、[dBd]はほとんど見たことがありません。

[2]どちらの利得の表記の方が大きい値か?

 ところで、アイソトロピックアンテナを基準にして、λ/2ダイポールアンテナを測定すると、利得はいくらになるでしょうか? これも計算で出せて、約 2.15 [dBi](真数では約1.64倍)となります。アンテナのカタログなどで、利得が相対利得で表記されているのか、絶対利得で表記されているのかで、2.15 [dB]の差が出ます。同じアンテナで絶対利得の方が2.15 [dB]大きく見える、ということですが、かなり大きい値です。メーカーによって表記が違うこともありますから、単位を良く見て、勘違いしないようにしましょう。

それでは、解答に移ります。
 …絶対利得は、等方性アンテナを基準に用いた利得です
 …相対利得は、半波長ダイポールアンテナを基準に用いた利得です
 …同じアンテナの利得は、絶対利得の方が大きな値を取ります
となりますから、正解はと分かります。