□ H17年08月期 A-02  Code:[HA0402] : 磁極からある距離離れた点での磁束密度の計算
インデックス
検索サイトから来た方は…
無線工学の基礎 トップ

以下をクリックすると、元のページが行き先に飛び、このウインドウは閉じます

 ■ 無線工学を学ぶ
 (1) 無線工学の基礎 
 年度別出題一覧
  H11年 4月期,8月期,12月期
  H12年 4月期,8月期,12月期
  H13年 4月期,8月期,12月期
  H14年 4月期,8月期,12月期
  H15年 4月期,8月期,12月期
  H16年 4月期,8月期,12月期
  H17年 4月期,8月期,12月期
  H18年 4月期,8月期,12月期
  H19年 4月期,8月期,12月期
  H20年 4月期,8月期,12月期
  H21年 4月期,8月期,12月期
  H22年 4月期,8月期,12月期
  H23年 4月期,8月期,12月期
  H24年 4月期,8月期,12月期
  H25年 4月期,8月期,12月期
  H26年 4月期,8月期,12月期
  H27年 4月期,8月期,12月期
  H28年 4月期,8月期,12月期
  H29年 4月期,8月期,12月期
  H30年 4月期,8月期,12月期
  R01年 4月期,8月期,12月期
  R02年 4月期,9月期,12月期
  R03年 4月期,9月期,12月期
  R04年 4月期,8月期,12月期
 分野別出題一覧
  A 電気物理, B 電気回路
  C 能動素子, D 電子回路
  E 送信機, F 受信機
  G 電源, H アンテナ&給電線
  I 電波伝搬, J 計測

 ■ サイトポリシー
 ■ サイトマップ[1ama]
 ■ リンクと資料

 ■ メールは下記まで



更新履歴
2022年
12/31 12月期問題頁掲載
09/01 08月期問題頁掲載
05/14 04月期問題頁掲載
H1708A02 Counter
無線工学 > 1アマ > H17年08月期 > A-02
A-02 空気中において、磁極の強さ16 [Wb]の磁極から距離2 [m]離れた点の磁束密度Bの値として、正しいものを下の番号から選べ。
B=1/2π [T]
B=1/π  [T]
B=2/π  [T]
B=4/π  [T]
B=8/π  [T]

 磁界についてのクーロンの法則を記憶していればすぐに解ける問題なのですが、覚えるのが不得手な私としては、なんとか記憶する項目の数を減らしたい…
 ということで、電界と同じ形なのだから、と考えてみました。

[1]磁界についてのクーロンの法則

 電界でのクーロンの法則は、働く力が両電荷の量の積に比例し、距離の2乗に反比例する、というものでした。ならば磁界も磁極の強さの積に比例し、距離の2乗に反比例するでしょう。
 磁極の強さをm1とm2 [Wb]、2磁極間の距離をr、真空の透磁率をμ0とすれば、働く力の大きさF [N]は、
 F=(1/4πμ0)(m12/r2) …(1)
2=1 [Wb]の時に働く力が磁場の強さHだから、
 H=(1/4πμ0)(m1/r2) …(2)
Fig.HA0402_a 磁極の作る磁界
Fig.HA0402_a
磁極の作る磁界
となります。

[2]磁界の強さと磁束密度

 磁界の強さHと磁束密度Bの関係は、磁性体ではヒステリシス曲線(これは別名B−Hカーブともいい、これに関する出題もあります)で表されるので、比例関係にはありませんが、空気や真空など、非磁性体ではほぼ比例関係にあります
 真空中では、、磁束密度B [T]と磁場の強さH [A/m]の関係は、
 B=μ0H …(3)
なので、(2)を(3)に代入して、
  B=(1/4π)(m1/r2) …(4)
となります。問題には、「空気中」と書かれていますが、真空の透磁率μ0と多くの気体と同様に、空気の透磁率μはμ0とほとんど同じなので、解答としては(4)の式のまま求めてかまいません。
 なお、磁束密度の単位 [T](テスラ)ですが、一昔前の電磁気学では[Wb/m2](ウェーバ毎平方メートル)と呼んでいたものと同じで、SI系の組立単位です。最近(といっても10年以上前ですが)テスラに統一されました。

それでは解答に移ります。
 m=16 [Wb]、r=2 [m]を(4)式に代入すれば、B=1/π [T]と求められますので、正解はと分かります。