□ H17年08月期 A-10  Code:[HD0606] : ゲートの組合せ回路とそれと等価な別の組合せの論理回路
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2022年
12/31 12月期問題頁掲載
09/01 08月期問題頁掲載
05/14 04月期問題頁掲載
H1708A10 Counter
無線工学 > 1アマ > H17年08月期 > A-10
A-10 図に示す論理回路と同一の動作を行う回路として、正しいものを下の番号から選べ。
問題図 H1708A10a
Fig.H1708A10a

問題図 H1708A10b
Fig.H1708A10b

 真理値表で解いてもいいのですが、入力が3本あって、問題と選択肢を合わせて5つの回路がありますから、23×5で40通りもの状態を解かねばなりません。時間が余っている時ならまだしも、2〜3分では解けそうもないので、ここでは論理式を取ります。

[1]簡単なブール代数を使おう

 論理式で解く前に、お断りをしておきますが、not(A)は普通、Aの文字の上に線(バー)を引きますが、HTMLで表記できないので、/A(スラッシュA)と書きます。
 論理式はいろいろ法則があって、難しい印象を受けた方もおられるでしょうが、結合則や分配則といった、普通に我々が使っている数式と同じものもあります。論理式特有なもので、アマチュアレベルで出題される難しいものはほとんどありません。以下、そんなポイントをまとめてみました。
 A+B   論理和…ORのこと。AまたはBが真の時、真となる。
 A*B   論理積…ANDのこと。AもBも真の時、真となる。
 /A     否定……NOTのこと。Aが真なら偽、偽なら真。
上記の基本に加えて、下記のような数式を扱う上での法則があります。普通の数値の計算と同じく、乗算が優先で、カッコがあればさらにそれが優先です。
 A+B=B+A …(i) (和の)交換則
 A*B=B*A …(ii) (積の)交換則
 A*(B+C)=A*B+A*C …(iii) 分配則
 A*B+A*C=A*(B+C) …(iv) 結合則
この他に、論理式特有の法則として、下記を挙げておきます。
 /(A+B)=/A*/B …(v)
 /(A*B)=/A+/B …(vi)
 A+A*B=A …(vii)
 A+/A*B=A+B …(viii)
 1*A=A  0*A=0  1+A=1  0+A=A
 A*A=A  A*(/A)=0  A+A=A  A+(/A)=1 …(ix)
Fig.HD0606_a 交換・分配則とド・モルガンの法則
Fig.HD0606_a 交換・分配則とド・モルガンの法則

 (v),(vi)はANDまたはOR全体にNOTを付けるとANDとORが入れ替わって、各入力のNOTになってしまう、という不思議な法則です。ド・モルガンの法則と呼ばれます。Fig.HD0606_aに交換・分配則とドモルガンの法則を示します。
 説明はしませんが、真理値表を書いてみると、確かにそうなっているので、正しいことが分かります。実際の論理回路の設計では、よく使います。
 (vii),(viii)はちょっと証明めいたものが必要かもしれません。

 A+A*B=A*1+A*B=A(1+B)=A*1=A …(vii)

 A+/A*B=A*(1+B)+/A*B=A+(A*B+/A*B)
      =A+(A+/A)*B=A+B …(viii)

アンダーラインの部分が常に1になるのは、(viii)の3番目、8番目の式を使っています。(ix)はどれも自明です。

[2]入力数が多いロジックは論理式で考える

 では、論理式を使って考えてみます。まず、問題図中のORの出力をPとします。
 P=B*C …(1)
となります。出力Mは、
 M=A+P …(2)
となりますが、Pに(1)を代入して、
 M=A+B*C …(3)
となります。

それでは、解答に移ります。
 選択肢の方の論理式を4つ並べてみると、
 … M=(A*B)*C
 … M=(A*B)+(A*C)=A*(B+C)
 … M=(A+B)*(A+C)
 … M=A*(B+C)
となりますから、はどう変形しても(3)にはならないのですが、単純に消去法でが正解といえるでしょうか? ちょっと形が違っていて不安ですが…ということで、選択肢と(3)式が同じかどうか、やってみましょう。
 M=(A+B)*(A+C)=A*A+A*C+B*A+B*C …全部展開
  =(A+A*C)+B*A+B*C=A+B*A+B*C …頭の2項をまとめ
  =(A+A*B)+B*C …さらに頭の2項をまとめ
  =A+B*C …(3)
ここでは(ii)と何度か(vii)を使っています。ということで、やはりが正解と分かりました。