□ H17年12月期 A-08  Code:[HD0605] : NOT AND OR等の組合せ回路と真理値表の対応
インデックス
検索サイトから来た方は…
無線工学の基礎 トップ

以下をクリックすると、元のページが行き先に飛び、このウインドウは閉じます

 ■ 無線工学を学ぶ
 (1) 無線工学の基礎 
 年度別出題一覧
  H11年 4月期,8月期,12月期
  H12年 4月期,8月期,12月期
  H13年 4月期,8月期,12月期
  H14年 4月期,8月期,12月期
  H15年 4月期,8月期,12月期
  H16年 4月期,8月期,12月期
  H17年 4月期,8月期,12月期
  H18年 4月期,8月期,12月期
  H19年 4月期,8月期,12月期
  H20年 4月期,8月期,12月期
  H21年 4月期,8月期,12月期
  H22年 4月期,8月期,12月期
  H23年 4月期,8月期,12月期
  H24年 4月期,8月期,12月期
  H25年 4月期,8月期,12月期
  H26年 4月期,8月期,12月期
  H27年 4月期,8月期,12月期
  H28年 4月期,8月期,12月期
  H29年 4月期,8月期,12月期
  H30年 4月期,8月期,12月期
  R01年 4月期,8月期,12月期
  R02年 4月期,9月期,12月期
  R03年 4月期,9月期,12月期
  R04年 4月期,8月期,12月期
 分野別出題一覧
  A 電気物理, B 電気回路
  C 能動素子, D 電子回路
  E 送信機, F 受信機
  G 電源, H アンテナ&給電線
  I 電波伝搬, J 計測

 ■ サイトポリシー
 ■ サイトマップ[1ama]
 ■ リンクと資料

 ■ メールは下記まで



更新履歴
2022年
12/31 12月期問題頁掲載
09/01 08月期問題頁掲載
05/14 04月期問題頁掲載
H1712A08 Counter
無線工学 > 1アマ > H17年12月期 > A-08
A-08 図に示す論理回路の真理値表として、正しいものを下の番号から選べ。
問題図 H1712A08a
Fig.H1712A08a
問題図 H1712A08b
Fig.H1712A08b

 少し複雑な論理回路で、これを頭の中で計算しようと思っても、途中どこかで間違えてしまいがちですから、地味な解き方ですが、真理値表を作るのが確実でしょう。慣れてきたら、論理式で解くこともできます。ここでは、両方で試してみました。

[1]各ノードについて、真理値表で解析してみよう

 まず、問題の回路図の各ノードについて名前を付けます。ここでは、上側のNOTの出力をP、下側のNOTの出力をQ、上側のANDの出力をR、下側のANDの出力をSと付けました。
Fig.HD0605_b 問題の回路と真理値表
Fig.HD0605_b 問題の回路と真理値表
 これらについて、入力の4通りの組合せとP〜S、Mの論理を合わせた表が、Fig.HD0605_bの右になります。時間はかかりますが、一つ一つ丹念に埋めてゆけば、間違いなく正解にたどり着けます。

[2]論理式で解いてみよう

 論理式で解く前に、お断りをしておきますが、not(A)は普通、Aの文字の上に線(バー)を引きますが、HTMLで表記できないので、/A(スラッシュA)と書きます。
 論理式はいろいろ法則があって、難しい印象を受けた方もおられるでしょうが、結合則や分配則といった、普通に我々が使っている数式と同じものもあります。論理式特有なもので、アマチュアレベルで出題される難しいものはほとんどありません。以下、そんなポイントをまとめてみました。
 A+B   論理和…ORのこと。AまたはBが真の時、真となる。
 A*B   論理積…ANDのこと。AもBも真の時、真となる。
 /A     否定……NOTのこと。Aが真なら偽、偽なら真。
上記の基本に加えて、下記のような数式を扱う上での法則があります。普通の数値の計算と同じく、乗算が優先で、カッコがあればさらにそれが優先です。
 A+B=B+A …(i) (和の)交換則
 A*B=B*A …(ii) (積の)交換則
 A*(B+C)=A*B+A*C …(iii) 分配則
 A*B+A*C=A*(B+C) …(iv) 結合則
この他に、論理式特有の法則として、下記を挙げておきます。
 /(A+B)=/A*/B …(v)
 /(A*B)=/A+/B …(vi)
 A+A*B=A …(vii)
 A+/A*B=A+B …(viii)
 1*A=A  0*A=0  1+A=1  0+A=A
 A*A=A  A*(/A)=0  A+A=A  A+(/A)=1 …(ix)
(v),(vi)はANDまたはOR全体にNOTを付けるとANDとORが入れ替わって、各入力のNOTになってしまう、という不思議な法則です。ド・モルガンの法則と呼ばれます。説明はしませんが、真理値表を書いてみると、確かにそうなっているので、正しいことが分かります。実際の論理回路の設計では、よく使います。
 (vii),(viii)はちょっと証明めいたものが必要かもしれません。

 A+A*B=A*1+A*B=A(1+B)=A*1=A …(vii)

 A+/A*B=A*(1+B)+/A*B=A+(A*B+/A*B)
      =A+(A+/A)*B=A+B …(viii)

アンダーラインの部分が常に1になるのは、(viii)の3番目、8番目の式を使っています。(ix)はどれも自明です。

それでは、解答に移ります。この問題は2つの方法で解いてみます。
 まずは真理値表です。この回路の真理値表はFig.HD0605_bの右のようになります。選択肢の中からMの欄を見比べてが正解と分かります(問題図とFig.HD0605_bの表の「0」「1」の並び方が違うので、注意して下さい)。
 次に論理式で解いてみます。Fig.HD0605_bの中ほどにもあるように、
 P=/A …(a)
 Q=/B …(b)
 R=/A*B  …(c)
 S=/B*A  …(d)
 M=R+S
  =/A*B/B*A …(e)
(e)式の第1項は、A=0かつB=1の時にのみ1で、第2項はA=1かつB=0の時にのみ1となります。最終出力はこれらの和(OR)です。これに相当する真理値表は、同じくであり、これが正解と分かります。