□ H18年04月期 A-06  Code:[HC0104] : トランジスタと電界効果トランジスタの図記号とバイポーラ・MOS形の判別、性質
インデックス
検索サイトから来た方は…
無線工学の基礎 トップ

以下をクリックすると、元のページが行き先に飛び、このウインドウは閉じます

 ■ 無線工学を学ぶ
 (1) 無線工学の基礎 
 年度別出題一覧
  H11年 4月期,8月期,12月期
  H12年 4月期,8月期,12月期
  H13年 4月期,8月期,12月期
  H14年 4月期,8月期,12月期
  H15年 4月期,8月期,12月期
  H16年 4月期,8月期,12月期
  H17年 4月期,8月期,12月期
  H18年 4月期,8月期,12月期
  H19年 4月期,8月期,12月期
  H20年 4月期,8月期,12月期
  H21年 4月期,8月期,12月期
  H22年 4月期,8月期,12月期
  H23年 4月期,8月期,12月期
  H24年 4月期,8月期,12月期
  H25年 4月期,8月期,12月期
  H26年 4月期,8月期,12月期
  H27年 4月期,8月期,12月期
  H28年 4月期,8月期,12月期
  H29年 4月期,8月期,12月期
  H30年 4月期,8月期,12月期
  R01年 4月期,8月期,12月期
  R02年 4月期,9月期,12月期
  R03年 4月期,9月期,12月期
  R04年 4月期,8月期,12月期
 分野別出題一覧
  A 電気物理, B 電気回路
  C 能動素子, D 電子回路
  E 送信機, F 受信機
  G 電源, H アンテナ&給電線
  I 電波伝搬, J 計測

 ■ サイトポリシー
 ■ サイトマップ[1ama]
 ■ リンクと資料

 ■ メールは下記まで



更新履歴
2022年
12/31 12月期問題頁掲載
09/01 08月期問題頁掲載
05/14 04月期問題頁掲載
H1804A06 Counter
無線工学 > 1アマ > H18年04月期 > A-06
A-06 次の記述は、図に示すトランジスタについて述べたものである。このうち正しいものを下の番号から選べ。
問題図 H1804A06a
Fig.H1804A06a
図1は、接合形トランジスタのNPN形である。
図2は、接合形FETのPチャンネル形である。
図1と図3は、バイポーラ形である。
図3は、MOS形FETのNチャンネルエンハンスメント形である。
図2と図3のFETをソース接地増幅器として用いるとき、入力インピーダンスは図3のほうが低い。

 最近は、バイポーラトランジスタ(以下、単にトランジスタ)よりも電界効果トランジスタ(以下、FET)の方が新製品が多いような気がします。電源(スイッチング電源)からインバータの制御まで、また、高周波電力増幅もそうですが、大きめの電力を扱うところには低周波から高周波までFETが全盛です。

[1]トランジスタとFETの回路記号

 トランジスタとFETは「増幅素子」であるという点では共通していますが、その動作は全く異なります。
Fig.HC0104_a トランジスタとFETの回路記号
Fig.HC0104_a
トランジスタとFETの回路記号
 また、FETの中にも、動作特性によって分類があります。また、トランジスタではNPNとPNP、FETではNチャネル形とPチャネル形、という分類があって、それぞれ回路図記号が違います。
 まずその違いをFig.HC0104_aにまとめておきました。問題では、少しだけ特性についても問われているので、ここでも特性ごとに分類して、次の項に簡単に説明しておきます。詳しい動作の説明は、それぞれの素子の問題と解答で行なっています。

[2]トランジスタとFETの機能と分類

 まず、広義のトランジスタは大きく2種類に分けられることは御存知かと思います。(バイポーラ)トランジスタとFETです。
 FETはさらにその構造により、接合形とMOS形に分けられます。さらに、MOS形はその電気的動作によって、デプレッション形とエンハンスメント形に分けられます。以下に、特性による簡単な分類を表にしてみました。

バイポーラ
トランジスタ


ベースに流れる電流でコレクタに流れる電流を制御する。エミッタ接地の場合、入力インピーダンスは低い。
電界効果
トランジスタ
接合形
ゲートにかける電圧でチャネルに流れる電流を制御する。ゲートとチャネルがPN接合になっているため、入力インピーダンスはMOS形ほど高くない。
MOS形 デプレッション形
ゲートにかける電圧でチャネルに流れる電流を制御する。ゲートとチャネル間には酸化膜があり、完全に絶縁されているため、入力インピーダンスは非常に高い。
ゲートに電圧をかけなくてもチャネルには電流が流れるが、これをゼロにするには、逆バイアスの電源が必要。
エンハンスメント形
構造はデプレッション形と同じだが、ゲートに電圧をかけない時はチャネルに電流はほとんど流れない。電流をゼロから制御するのに逆バイアス電源が不要なので、最近よく用いられる。
 
 上記の観点の他、N形半導体、P形半導体の違いによるPNP/NPN(トランジスタの場合)やNチャネル/Pチャネル(FETの場合)という分類があります。

それでは、解答に移ります。
 まず、どれがどの素子か、明確にしておきます。図1のトランジスタはPNP形、図2のFETはNチャネル接合形、図3がNチャネルMOS FETでエンハンスメント形です。
 …図1のトランジスタはPNP形なので誤りです
 …図2のFETはNチャネル形なので誤りです
 …図3がFETで、バイポーラではありませんので誤りです
 …図3がNチャネルMOS FETでエンハンスメント形ですので正解です
 …接合形よりMOS形の方がインピーダンスは高いので誤りです
となりますから、正解はと分かります。