□ H18年08月期 B-01  Code:[HA1001] : 電磁誘導に関連する法則の名前と現象の説明
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05/14 04月期問題頁掲載
01/11 12月期問題頁掲載
2021年
10/17 09月期問題頁掲載
H1808B01 Counter
無線工学 > 1アマ > H18年08月期 > B-01
B-01 次の記述は、電磁誘導について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句を下の番号から選べ。
(1) コイルと鎖交する磁束が変化すると、コイルに誘導起電力が生じ、その誘導起電力の大きさは、鎖交する磁束の時間に対する変化の割合に[ア]する。これを電磁誘導に関する[イ]の法則という。そのときの誘導起電力の方向は、起電力による誘導電流の作る磁束が、もとの磁束の変化を[ウ]ような方向となる。これを[エ]の法則という。
(2) 運動している導体が磁束を横切っても、導体に起電力が誘導され、誘導起電力の方向は、フレミングの[オ]の法則で示される。
 反比例  比例  レンツ  ファラデー  クーロン
 磁界  妨げる  促進する  右手 10 左手

 物理には星の数ほど「法則」があって、特に電気関係は多いですね。覚えるのが大変ですが、なるべく頭に入りやすいように、電気と磁気とそれらの相互作用に関わる、基本的な法則とその内容をまとめてみました。

[1」電流と磁気、静電荷に関わる法則

 電流と磁界に関する法則は、ビオ・サバールの法則とアンペールの法則で、これらは同じ現象を2つの視点で見たもので、実質的には同じです。また、ここでクーロンの法則を取り上げたのは「おまけ」です。

法則の名前
内容
アンペールの法則
(アンペアの法則
とも言う)
直線状の導線に電流I [A]を流した時、電流の流れる方向をネジの進む向きに取ると、導線の周囲に生ずる磁界の方向は、右ネジを締め込む方向になる。いわゆる右ネジの法則。(Fig.HA1001_a)
導体から距離r [m]だけ離れた点での磁界の強さH [A/m]は、
 H=I/2πr [A/m]
で示される。この法則は、電源から流れる電流だろうが、電磁誘導現象によって生じた誘導電流だろうが、電流ならば何でも成り立つので、応用範囲が広い。
ビオ・サバール
の法則

これもアンペールの法則と、説明しようとする物理現象は全く同じだが、アンペールの法則が積分結果で書かれているのに対し、この法則は微分形で書かれているいるという違いがある。こちらの法則の方が曲がって流れる電流(コイルなど)に対しても適用できるので、より一般的である。
但し、アンペールの法則のようにある点での磁界の強さを計算するには、積分を実行しなければならず、手計算でHが求められる電流の形状は限られる。(Fig.HA1001_a)
ちなみに、法則名のビオ・サバールとは、発見者のビオさんとサバールさんの名前から取ったもの。
クーロンの法則
この法則は、電荷に対しても磁荷(実際には存在しない)に対しても成り立つが、ここでは電荷について説明する。
電荷を帯びた2つの物体に働く力(静電気力)は、両者の電荷量の積に比例し、距離の2乗に反比例する、という法則(Fig.HA1001_a)。
力の向きは、2つの電荷を結ぶ線上で、異符号なら引力、同符号なら斥力(反発力)となる。また、働く力は、2つの電荷の周囲が真空ならば真空の誘電率ε0に、誘電体ならその誘電率εに反比例する。
(クーロンの法則は電磁誘導の問題ではよく「誤った選択肢」として登場するので、あえて挙げてみました。)

Fig.HA1001_a 電流の作る磁界の法則
Fig.HA1001_a 電流の作る磁界の法則


[2]電磁誘導に関する法則

 以下は電磁誘導のファラデーの法則(レンツの法則)とフレミングの右手・左手の法則ですが、上記の物理法則と磁力線の性質が理解できていれば、改めて「法則」として記憶しなくても、問われている磁界や起電力、電流の向きなどは答えられます。
 なので、上とは別の項目に分けました。

法則の名前
内容
(電磁誘導の)
ファラデーの法則
ファラデーは化学の分野でも法則を発見しているので、区別して「電磁誘導に関する」と付けることがある。
回路を貫く磁束が変化する時、誘導起電力はその変化率に比例し、その向きは変化を妨げるような方向である、という法則(Fig.HA1001_a)。回路がコイルの場合は巻数にも比例する。
誘導起電力の根源が磁束の変化「率」なので、変化しない磁束からは誘導起電力は発生しない。また、同じ磁束なら、高速に変化する方が誘導起電力が大きい。閉回路を貫く磁束を変化させるには、磁束そのものを変化させてもよいが、閉回路のループの面積を変えてもよい
レンツの法則
誘導起電力が生じる向きは、誘導電流が起こす磁束が、外部から与えられた変化を妨げる向きである、という法則。外部から磁束そのものを変化させようとすれば、それを妨げるようにコイルに電流が流れ、閉回路のループ面積を変えようとするとそれを妨げようとするように力が働く。
例えば、コイルに流れている電流を急激に切ろうとした時は、コイル両端の電圧が一気に上昇して定電流を流そうとする。この現象を積極的に応用したのがスイッチング電源。
フレミングの
右手の法則

磁界中を、導体が運動すると起電力が発生する。磁界の方向・運動の方向・誘導起電力の向きが、各々右手の人差指・親指・中指を直角にした関係になる。これは発電機の動作原理である。Fig.HA1001_b右のように、導体が磁界中を運動し、起電力が発生して誘導電流が流れると、誘導電流が発生させる磁界が元々の磁界と相互作用して、運動を妨げる方向に作用する。
この図で説明すると、導体の上側の磁界が下側の磁界に比べて強くなるため、導体は下向きの力を受ける。誘導電流は画面表から裏へと流れる。
もし、回路が開放になっていて誘導電流がゼロなら、この下向きの力は発生しないので、導体を等速で運動させるのに力は必要ない。
フレミングの
左手の法則

磁界中に張った導体に、電流を流すと力が発生する。磁界の方向・受ける力の向き・誘導起電力の向きが、各々左手の人差指・親指・中指を直角にした関係になる。これはモーターの動作原理である。Fig.HA1001_b左のように、画面裏から表へと流れる電流が磁界中に置かれると、その電流が作る磁界と元々の磁界が相互作用して、導体に力を及ぼす。
この図で説明すると、導体の下側の磁界が上側の磁界に比べて強くなるため、導体は上向きの力を受ける。止めておく力がなければ、導体は動き出すが、受ける力の大きさは速度に関係ないので、原理的にはどんどん加速する。

Fig.HA1001_b 左手・右手の法則の説明
Fig.HA1001_b 左手・右手の法則の説明

それでは、解答に移ります。
 …発生する起電力は、磁束の時間変化率に2比例します
 …アの内容は(電磁誘導の)4ファラデーの法則と呼ばれます
 …電磁誘導は、全て変化を7妨げる方向に発生します
 …ウの内容は、3レンツの法則と呼ばれます
 …これは発電機の原理ですから、フレミングの9右手の法則です
となります。