□ H18年08月期 B-05  Code:[HJ0203] : 可動コイル形指示計器の構造と動作原理
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09/01 08月期問題頁掲載
05/14 04月期問題頁掲載
H1808B05 Counter
無線工学 > 1アマ > H18年08月期 > B-05
B-05 次の記述は、図に示す原理的構造の可動コイル形電流計の動作原理について述べたものである。内に入れるべき字句を下の番号から選べ。
(1) 電流が流れると、フレミングの[ア]の法則に従った電磁力により、可動コイルに駆動トルクが生じる。
(2) 可動コイルの駆動トルクは、[イ]に比例する。
(3) 交流電流を流したとき[ウ]ごとに駆動トルクの向きが逆になる。
(4) スプリングの制御トルクは、指針の振れ(角度)に[エ]する。
(5) スプリングの制御トルクと可動コイルの駆動トルクが等しくなったところで指針が[オ]する。
問題図 H1808B05a
Fig.H1808B05a
 反比例  半周期  左手  抵抗  比例
 電流  静止  1周期  駆動 10 右手

 デジタルメータが一般的になってきた最近ですが、アナログ式テスター等でもまだまだ見かけることの多い可動コイル形電流計です。(製造の難度や精度は別として)原理は簡単です。

[1]原理はフレミングの左手の法則

 右手だか左手だか忘れてしまいますが、モーター(磁界の中にある電流が受ける力)が左手、発電機(磁界の中を運動する電流が受ける力)は右手、と覚えるしかありません。電流計は発電機ではなく、電流が周囲の磁界から受ける力を利用した機器ですので、左手です
 具体的にどういうことなのか、Fig.HJ0203_aで詳しく見てみましょう。
Fig.HJ0203_a 磁界中に置かれた可動コイル
Fig.HJ0203_a
磁界中に置かれた可動コイル
 まず、その構造ですが、問題図やFig.HJ0203_a左上にもあるように、NS各極を持った磁石の間に円柱状の鉄心があり、円柱を囲むように、磁界に垂直な方向に回転軸を持った「枠型」の可動コイルが配置されています。
 今、Fig.HJ0203_aの下にあるように、(画面の)左から右に向く磁力線の中に、画面に垂直な方向の電流があるとすると、画面の裏側に向かって流れる電流には下向きの力が、画面の裏側から手前に向かって流れる電流には上向きの力がそれぞれ働きます。
 フレミングの左手の法則ですが、どちら向きの力が発生するか、は簡単に分かる方法があります。電流の作る磁力線と、磁石による磁力線を重ねて描いてみると、画面の裏側に向かう電流では、上側の磁力線密度が高くなり、下側が低くなります。電流の向きが逆になると、この関係も逆になります。導線は、磁力線の密度が高い方から低い方に力を受けるので、このような向きの力になります。

[2]コイルに働く回転力が生まれる理屈

 それでは、この図のような枠型のコイルが回転軸をもって、磁界中にあって電流が流れた時、どのような力が働くか、を考えてみましょう。
 コイルの回転軸の上から見た関係が、Fig.HJ0203_aの右にあるような電流や磁力線の向きであったと仮定します。赤色の電流は画面の裏側に向かって流れる電流で、青色はその逆を示します。灰色は鉄心です。
 上で見たように、磁力線の密度が高い方から低い方に力を受けるので、赤の導線には左斜め下方向に力が掛かり、青の導線には右斜め上方向に力がかかります。これは大きさが同じで、向きが逆の力、すなわち「偶力」又は「トルクと呼ばれるもので、このような位置関係では、この偶力がコイルを回転させる力になります。
 そして、フレミングの左手の法則では、力の向きだけでなく大きさも定義していますが、磁界が一定なら、この偶力は、コイルに流れる電流に比例します。
 このコイルに交流を流すと、半周期ごとに電流の向きが入れ替わり、発生する偶力も向きが入れ替わりますので、コイルや指針の重量による慣性モーメントが、被測定交流の周波数に追随できないほど大きければ、指針は振れないことになります。逆に、数 [Hz]程度以下のゆっくりした交流であれば、指針がそれに追随して半周期ごとに振れる方向が反対になります。
 なお、円筒形の鉄心があるのは、磁石の磁力線が円筒の側面に垂直に出入りする性質を利用して、コイルの巻線に放射状の磁界を作るためです。こうしないと、回転角によって導線の回りの磁界の強さが違ってきてしまうため、同じ電流の増分があっても針の振れ位置によって、指針の増分が異なってきてしまうことになります。

[3]電流に比例した回転角で止める原理

 もし、この力を押し留めるものがなければ、コイルは回転してしまいます(正確にはどこかで電流を反転させなければ1回転はできない)ので、電流計ではなくてモーターになってしまいます。可動コイル形電流計では、問題図にあるように、回転力を押し留めるために「うず巻きバネ」で抑えています。
 一般に、このようなバネは、回転しようとする力に対して、回転角に比例した逆向きの力を発生しますので、コイルは、電流に比例した回転角度で電磁力とバネの力がつりあって静止します。
 なお、可動コイル形電流計は、基本的にはこのように電磁気力とバネの力で振れ角が決まりますが、実際には各部に重力も働いているので、設置姿勢(置き方)によっては誤差を生じます。また、強い磁界中では、トルクが元々ある磁石の磁力だけで決まらなくなるため、これも誤差を生じます。

それでは、解答に移ります。
 …コイルに働く力は3左手の法則によります
 …トルクはコイルに流れる6電流に比例します
 …交流を流すと2半周期ごとにトルクの向きが逆になります
 …バネの制動力は振れ角に5比例します
 …バネの力と電磁力が釣合う所で指針が7静止します
となります。