□ H19年04月期 A-13  Code:[HE0405] : SSBトランシーバのブロック図
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2022年
12/31 12月期問題頁掲載
09/01 08月期問題頁掲載
05/14 04月期問題頁掲載
H1904A13 Counter
無線工学 > 1アマ > H19年04月期 > A-13
A-13 図は、SSB(J3E)の送受信機(SSBトランシーバ)の構成例を示したものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。
問題図 H1904A13a
Fig.H1904A13a


周波数変換器 第2局部発振器 周波数逓倍器
周波数変換器 クラリファイヤ 励振増幅器
平衡変(復)調器 クラリファイヤ 周波数逓倍器
平衡変(復)調器 第2局部発振器 励振増幅器

 市販のSSBトランシーバは構造が非常に複雑ですが、本質的な部分ではこの問題の図にあるようなブロックで表されます。高価なものは信号処理が(高周波増幅以外)オールデジタルだったり、送受が完全に別回路だったりと、いろいろありますが、まずは基本を学ぶことから始めましょう。

[1]送受信で共用できるところは共用する

 主にコストダウンと小型化からの要請ですが、SSB送信機と受信機のブロック図を並べてみると、結構共通の回路があります。普通、アマチュアは単信方式(送信中は受信しない)ですから、送受信機で同時に使うことはないわけです。それなら一体化して、共有部分は送受信時にスイッチで切り替えて使ってしまえばいい、という発想です。
Fig.HE0405_a SSBトランシーバの構成
Fig.HE0405_a トランシーバの構成
 Fig.HE0405_aにそんな発想で作られた、トランシーバのブロック図を示します。送信時にのみ使われる回路は赤のブロックで、受信時にのみ使われる回路は青のブロックで、共用は緑で示しています。

[2]リング変調器は双方向で使える

 このように構成するに当たって、増幅器のように入出力が決まっているものはその向きにしか信号を流せません。リレーやダイオードスイッチなどで入出力を切替えて無理やり送受信で使うこともできますが、それではあまりコストダウンにならないですし、周波数が高くなってくると、回路的にも無理が生じます。今の技術であれば、中間周波増幅器と周波数混合あたりまでは共用できそうな気もしますが、自分の無知を晒しているかもしれないので、これ以上はやめておきましょう。
 それはさておき、共用されている部分で、平衡変調回路が共用になっています。これが可能になるためには、
・信号波fsと搬送波fcから、変調波fiを出力する
・変調波fiと搬送波fcから、信号波fsを出力する
という条件が必要です。すなわち、平衡変調回路が可逆的であることが必要なわけです。
Fig.HE0405_b 二重平衡変調器の構成と動作原理
Fig.HE0405_b
二重平衡変調器の構成と動作原理
 実際そうなっているのでしょうか? 実は、トランジスタのような能動素子を用いたものでは3つある端子を切り替えなければ無理ですが、ダイオード4個でできたリング変調器は復調器としても使えます。
 Fig.HE0405_bにリング変調器の動作原理図を示しますが、「入力」「出力」とは書いてあるものの、よく見ると、どちらから見ても同じ回路(対称)に見えます。つまり、どちらが入力でどちらが出力、ということはなく、
入力が信号波と搬送波ならfc±fs
入力が変調波と搬送波なら|fc±fi|が
出力される、という仕組みです。
 絶対値がついているのは、fcとfiのどちらが高い場合もあるからです。ここで注意するのは、出力される2種類の周波数成分のうち、fc+fiは非常に高い周波数となりますので使いません。音声周波数あるいは搬送波よりも十分低い周波数の信号(TV信号など)を復調するには、|fc−fi|の方を使います。
 なので、送受信でわざわざ端子をスイッチで切り替えなくても、変復調器として働くのです。

それでは、解答に移ります。
 …ここは上に述べた平衡変(復)調器です
 …中間周波増幅の後の共有発振器なので、第2局部発振器です
 …電力増幅の前にあり、送信専用回路は、励振増幅器です
となりますから、正解はと分かります。