□ H19年08月期 A-03  Code:[HB0105] : コンデンサの蓄積電荷量から分圧抵抗値を求める
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2022年
12/31 12月期問題頁掲載
09/01 08月期問題頁掲載
05/14 04月期問題頁掲載
H1908A03 Counter
無線工学 > 1アマ > H19年08月期 > A-03
A-03 図に示す回路において、静電容量が1 [μF]のコンデンサに蓄えられた電荷が30 [μC]であるとき、抵抗Rの値として、正しいものを下の番号から選べ。ただし、回路は定常状態にあるものとする。
0.5 [kΩ]
1   [kΩ]
1.5 [kΩ]
2   [kΩ]
2.5 [kΩ]
問題図 H1908A03a
Fig.H1908A03a

 この問題は、「(定常状態では)コンデンサに電流が流れない」ということと、「コンデンサ両端の電圧Vは、蓄えられた電荷量Qに比例し、静電容量Cに反比例する(V=Q/C)」ということに気付けば、あまり計算らしい計算もなく求められてしまいます。

[1]コンデンサ両端の電圧を求める

 具体的に計算に取り掛かる前に、この問題を解く見通しを立てます。コンデンサには電流が流れていませんから、繋がっている抵抗に電圧降下は生じません。すると、各抵抗にかかっている電圧がドミノ倒し的に求められます。
 まず、コンデンサ両端の電圧VC [V]を求めます。静電容量がC [F]で蓄えられた電荷がQ [C]であるとすると、よく知られた関係 Q=CVC より
 VC=Q/C …(1)
が得られます。

[2]各抵抗両端の電圧を求める

 次に、各抵抗の両端に発生している(かかっている)電圧を求めます。電源電圧が分かっていて、VCが分かっていれば、ドミノ倒し的に求められます。
Fig.HB0105_a 電流が流れない枝から他を求める
Fig.HB0105_a
電流が流れない枝から他を求める
 この問題では、定常状態(時間的に状態が変化しない)を仮定しているので、コンデンサには電流が流れていません。コンデンサに電流が流れるのは、両端の電圧が時間変化する時だけです。つまり、Cにも電流が流れていないので、この両端に発生している電圧VRはゼロです。
 一方、R2の両端に発生する電圧V2は、A−B間の電圧ですから、これはVCと等しくなり、
 V2=VC=Q/C …(2)
と求められます。
 また、抵抗R1の両端の電圧V1は、V0=V1+V2なので、
 V1=V0−V2=V0−Q/C …(3)
となります。電源電圧はV0が既知なので、(3)式も値が求められます。抵抗R2を流れる電流もR1を流れる電流も同じ値(これをI [A]とします)です。
 I=V2/R2=VC/R2=Q/CR2 …(4)
となりますから、抵抗R1の電圧と電流の関係に着目してみれば、
 V1=IR1
 R1=V1/I=(V0−Q/C)/(Q/CR2) …(5)
となり、後はこれらの式に各々の値を代入して、電流なり抵抗値なりを求めればよいわけです。

それでは解答に移ります。
 R1を求めればよいので、(5)式に、Q=30 [μC]、C=1 [μF]、V0=45 [V]、R2=2 [kΩ]を代入すれば、R1=1 [kΩ]となります。従って、正解はと分かります。