□ H19年12月期 A-14  Code:[HF0201] : 電信受信機のブロック図。周波数混合器・うなり発振器の位置
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2022年
12/31 12月期問題頁掲載
09/01 08月期問題頁掲載
05/14 04月期問題頁掲載
H1912A14 Counter
無線工学 > 1アマ > H19年12月期 > A-14
A-14 図は、AM(A1A)受信機の構成例を示したものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。
問題図(横長) H1912A14a
Fig.H1912A14a


周波数混合器 振幅制限器 BFO
周波数混合器 検波器 BFO
周波数混合器 検波器 AGC回路
平衡変調器 検波器 AGC回路
平衡変調器 振幅制限器 BFO

 CW受信機の構成の問題です。キーとなるのは、周波数変換の方法と、うなり発振器(BFO)の存在です。

[1]電信受信機の構成1…中間周波数増幅段まで

 電信受信機は、アンテナから電波が入ってきて中間周波数に変換されるところまでは、AMやSSB、FMといった他の電波形式の受信機と、構成は同じです。
 高周波増幅器で、アンテナから入ってきた電波をそのまま(もちろん前後に帯域フィルタなど目的外の周波数を減衰させるエレメントは入ります)増幅します。局部発振器は受信したい周波数に応じて周波数を変化させる発振器です。例えば、中間周波数fIを8.83 [MHz]として、受信したい周波数fcを14.1 [MHz]とすると、局部発振器の周波数fLは22.93(=14.1+8.83) [MHz]又は5.27(14.1-8.83) [MHz]となります。また、受信したい周波数fcが21.1 [MHz]に変わったとすると、局部発振器の周波数fLは29.93(=21.1+8.83) [MHz]又は12.27(21.1-8.83) [MHz]となります。
 要するに、局部発振器では、受信したい周波数が変わっても、同じ中間周波数が出てくるように周波数を変化させるわけです。普通、アマチュアのリグではこの働きをVFOが担います。
Fig.HF0201_a 電信受信機の構成と周波数分配
Fig.HF0201_a 電信受信機の構成と周波数分配
 周波数混合器では、受信信号と局部発振器の差の絶対値の周波数が出力されるので、局部発振周波数としては上で見たように2つの解があります。つまり、fL1>fL2である2種類の局部発振周波数があって、受信周波数がfcの時、両者が|fc−fL1|=|fc−fL2|を満たすなら、fL1, fL2共に局部発振周波数となり得る、ということです。どちらを取るかは、影像混信特性などの受信機としての性能をどう上げるか、などの設計ポリシーで決まります。

[2]電信受信機の構成2…うなり発振器と検波器

 最近はあまり「うなり発振器」とはいいませんが…普通、BFO (Beat Frequency Oscillator)といいます。中間周波数をそのまま検波したのでは、直流しか出てきませんから、音として受信できません。中間周波数から、電波のある時だけ可聴音を発生させるための発振器が、BFOです。
 周波数の近いA,B2つの信号を、周波数混合器に入れると、うなり(ビート)|A−B|が生じます。これは、原理的には上で見た、中間周波数を作り出す周波数混合器と全く同じです。
 中間周波数fIが455 [kHz]で、CWを受信する時は普通800 [Hz]程度のトーンfAで受信しますから、BFOの周波数fBは、454.2(=455-0.8) [kHz]又は、455.8(=455+0.8) [kHz]となります。
 中間周波数は変動しませんし、得たいビート音の周波数も一定ですから、BFOはVFOのように周波数を可変にする必要はありませんが、最近のちょっと高価なリグでは、CWのピッチを好みで変えられるように、この周波数を少しの範囲だけ可変にしたものもあります。
 ブロック図では、中間周波数を作り出す所が「周波数混合器」、可聴音(CWトーン)を作り出す所が「検波器」となっていますが、素子としてはどちらもリング回路のような、周波数混合作用がある非線形素子を用います。

それでは、解答に移ります。
 …高周波と局発を混合して中間周波を作り出すのは周波数混合器です
 …中間周波とBFOから可聴音を作り出すのは(CW)検波器です
 …ここは「うなり」を作り出すBFO(うなり発振器)です
となりますから、正解はと分かります。