□ H19年12月期 A-25  Code:[HJ0202] : 熱電形電流計の構成と動作原理
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05/14 04月期問題頁掲載
01/11 12月期問題頁掲載
2021年
10/17 09月期問題頁掲載
H1912A25 Counter
無線工学 > 1アマ > H19年12月期 > A-25
A-25 次の記述は、電気計器について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。
 熱電対形は、通常、熱電対と[A]計器を組み合わせて指示電気計器を構成する。高周波電流も直接[B]を測定できる。また、そのとき、目盛は[C]目盛になる。

可動鉄片形 平均値 2乗
可動鉄片形 実効値 平等
可動コイル形 平均値 平等
可動コイル形 実効値 2乗

 高周波電流を測定するには、整流形電流計では周波数特性が悪くて測定できないので、この問題にあるような、熱電対形電流計で測定します。今ではもっと精度や応答性の良い測定器はありますが。原理はシンプルですので、理解してしまいましょう。

[1]熱で電力を測定する

 熱電対形電流計は問題図にもありますが、原理的な構造はFig.HJ0202_aのようになっています。熱電対は、2種類の金属を環状に接続し、一方の接続点と他方に温度差を与えると、温度差に比例した電流が流れること(熱電効果)を利用したものです。この電流計では、熱線で熱電対の片方の接続点を加熱します。
Fig.HJ0202_a 熱電形電流計の構成と動作
Fig.HJ0202_a
熱電形電流計の構成と動作
 整流形などのように、交流電力で直接メーターを振らせるのではなく、高周波電力をジュール熱に変えて、熱電対で熱線の温度を測定する形でメーターを振らせるため、周波数特性が良く、高周波電流計として用いられます。また、後で説明するように、波形の影響を受けずに実効値が測定可能です
 但し、熱線が温まったり冷えたりするにはある程度の時間がかかるため、応答性はあまり良くありません。それから、目盛りが線形にならない(理由は下記参照)、という点も特徴です。
 熱線に電流を流す時、その温度上昇は熱線で発生する熱量(=電力P)に比例しますが、Pは流れる(計測する)電流Iの2乗に比例します。
 一方、熱電対に起こる熱起電力(=熱電流i=電流計Mの振れ)は温度上昇に比例するため、結果として、Mの振れは計測対象Iの2乗に比例します。
 つまり、熱電対形電流計は2乗目盛となります。

[2]熱電型電流計の指示値は波形に依らない

 整流型電流計では、目盛りは正弦波交流を仮定して振られています。逆に言うと、正弦波交流以外では、誤差を生じます。
 しかし、熱電対形では、正弦波交流以外の実効値も正確に表示することができます。復習すると、「実効値」とは直流での電力と等しくなる交流の電圧(又は電流)の値のことでした。上記で書いたように、熱電形では、一旦「電力」に比例する熱起電力に変換しているので、Mに流れる電流そのものが実効値(の2乗)に比例した量になっているからです。
 従って、熱電対形電流計では、波形率や波高率に関わらず、実効値を表示できます

それでは、解答に移ります。
 …熱電形電流計は、熱電対と可動コイル形計器を組合わせたものです
 …指示値より高周波電流の実効値が測定可能です
 …Mの目盛りは被測定電流の二乗目盛りになります
となりますから、正解はと分かります。