□ H20年04月期 A-02  Code:[HA0302] : 2個の直列コンデンサとスイッチ回路。スイッチ切替前後で電荷量保存則を用いた計算
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2022年
05/14 04月期問題頁掲載
01/11 12月期問題頁掲載
2021年
10/17 09月期問題頁掲載
H2004A02 Counter
無線工学 > 1アマ > H20年04月期 > A-02
A-02 次の記述は、図に示す回路について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、コンデンサC1、C2の静電容量は、いずれも8 [μF]とする。
(1) スイッチSが断(OFF)のとき、C1 の電圧は、[A]である。
(2) スイッチSが断(OFF)のとき、C2 に蓄えられる電荷の量は、[B]である。
(3) スイッチSが接(ON)のとき、C1 に蓄えられる電荷の量は、[C]である。

 5 [V] 40 [μC] 40 [μC]
 5 [V] 80 [μC] 80 [μC]
 5 [V] 40 [μC] 80 [μC]
10 [V] 80 [μC] 80 [μC]
10 [V] 40 [μC] 40 [μC]
問題図 H2004A02a
Fig.H2004A02a

 問題は2段階(SWがOFFの時とONの時)に分かれているので、ちょっと戸惑うかもしれませんが、SWがOFFの時は、コンデンサが直列の場合の電荷保存則が理解できていれば解けますし、ONの時はコンデンサ1個と電源だけの回路になることが分かれば解けてしまいます。

[1]電荷量保存則とは何か?

 「電荷量保存則」と聞くと、「ああ、また物理の難しい法則か。もう『何とかの保存則』と聞くだけで嫌だな」と思われる方も居られるでしょう。大体、言葉が難しくていけません。法律用語みたいです。
 ただ、言っている内容は簡単なので、法則の名前がどうのこうのよりも、その意味するところだけを理解してしまえば、アレルギーも解消すると思います。
 電荷は物理的には、負電荷=電子が(中性状態より)多い状態、正電荷=電子が少ない状態、なので、電子がどこかに消えたり、どこからともなく湧き出したりしない限り、最初に分かっていた電荷量はどこにどう蓄えられようが、変化しないはずです。この問題では、ここに着目します。

[2]コンデンサの直列接続における電荷量保存

 まず、SWがOFFの間は、Fig.HA0302_a左のようにコンデンサが直列の状態です。この場合、この図のC1の下側の電極に溜まる電荷と、C2の上側に溜まる電荷は符号が逆で量Q [C]が同じです。なぜならば、ここのノードはこれらのコンデンサ以外のどこにも接続されておらず、電荷はどこにも逃げられないし、どこからも入ってこられないからです。
 また、どのコンデンサも対向する電極に溜まる電荷は符号が逆で量が同じですから、この2つのコンデンサの4つの電極にはすべて同じ量Q [C]の電荷が溜まっていることになります。
Fig.HA0302_a SW切替前後の回路
Fig.HA0302_a
SW切替前後の回路
 ならば、電池の電圧をV0 [V]、C1,C2 [F]の両端の電圧をそれぞれV1,V2 [V]とすると、以下の関係が成り立ちます。

 V0=V1+V2 …(1)
 Q=C11 より V1=Q/C1 …(2)
 Q=C22 より V2=Q/C2 …(3)
ここで、(2)=(3)=Q なので、
 C11=C22 より V2=(C1/C2)V1 …(4)
となります。

[3]スイッチON後は電源とコンデンサの一対一接続

 問題の回路で、スイッチONの後は、コンデンサと電源の一対一接続で、スイッチによってショートしてしまったコンデンサは無視して構いません(Fig.HA0302_a右)。また、ここまで気にしてきた「保存則」は、スイッチを入れてしまうことでショートしたコンデンサの電荷がなくなってしまうので、これまた気にする必要がなくなります。

それでは、解答に移ります。
 ここからは具体的な数値を入れて、答えを計算します。
 まず、V0=10 [V], C1=C2=8 [μF]なので、(4)より、
 V2=V1 …(a)
(a)を(1)に代入して
 V0=V1+V2=2V1
  ∴ V1=V0/2=5 [V]
2の両端の電圧V2も5 [V]なので、蓄えられる電荷Q [C]は、
 Q=C22=8 [μF]×5 [V]=40 [μC]
となります。SWがONの時は、C2はショートされてしまいますので、C1の両端にはV0(=10 [V])がそのままかかります。つまり、回路としてはFig.HA0302_a右のようになり、C2はなくなったものと考えられます。従って、この時にC1に溜まる電荷Q1 [C]は、
 Q1=C10=8 [μF]×10 [V]=80 [μC]
ということになります。従って、
 5 [V]
 40 [μC]
 80 [μC]
となりますから、正解はと分かります。

 回路設計に慣れている方なら、こんな面倒な計算をしなくても、この問題の場合、C1とC2は容量が同じですから、かかる電圧もV0の半分で同じ5 [V]と暗算で出ます。

ここからは余談ですが…
(2),(3)式を(1)式に代入すると、
 V0=Q(1/C1+1/C2) …(b)
となります。C1とC2の合成容量をCとすると、
 Q=CV0 より V0=Q/C …(c)
となるので、(b)と(c)を見比べると、コンデンサの直列容量を計算するおなじみの公式
 1/C=1/C1+1/C2 …(d)
  ∴ C=C12/(C1+C2) …(e)
が出てきます。