□ H20年04月期 A-17  Code:[HG0502] : 電源の出力波形からリプル率の計算
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2022年
12/31 12月期問題頁掲載
09/01 08月期問題頁掲載
05/14 04月期問題頁掲載
H2004A17 Counter
無線工学 > 1アマ > H20年04月期 > A-17
A-17 電源の出力波形が図のように示されるとき、この電源のリプル率(リプル含有率)の値として、最も近いものを下の番号から選べ。ただし、リプルの波形は単一周波数の正弦波とする。
 4 [%]
 8 [%]
12 [%]
15 [%]
20 [%]
問題図 H2004A17a
Fig.H2004A17a

 リプル率の計算の問題です。ここでキーになっているのは、交流分が「単一正弦波」だというところです。

[1]リプル率の定義

 商用交流から電源を取る直流電源装置では、平滑回路で完全な直流にすることは困難なので、どうしてもリプルが乗ります。このリプルの含有率を定量化しようということで、指標とされているのが、リプル(含有)率です。
 リプル率M(リプル含有率)の定義自体は比較的簡単で、直流分をVD、交流分をVRとして、次の式で表されます。
 M=VR/VD …(1)
Fig.HG0502_a リプル率とその計算
Fig.HG0502_a
リプル率とその計算
 ここで注意しなければならないのは、リプルの成分です。Fig.HG0502_aのように、リプルは整流回路の脈流から直流分を(平滑回路で)取り出した残りの交流分なので、厳密には正弦波ではありません
 また、負荷の重さに応じて変動しますし、負荷によって波形が異なるのが普通です。平滑コンデンサに充電された電荷が、1周期ごとに負荷に放電する動作を繰り返すわけですが、負荷が軽い時はなかなか放電しないのでリプルは少なく、重い時はどんどん電圧が下がるので、「こぶ」の高さが高くなります。
 ここでは「そんな複雑なことは考えなくていいから、単一正弦波として計算しなさい」という指示が(問題文中に)出ています。

[2]単一正弦波のリプルは実効値で評価

 リプルが単一正弦波の時は、実効値で含有率を計算します。通常、波形を観測すると、最大値は波形から容易に分かりますが、実効値は計算しないと分かりません。この問題でも、波形の図で与えられているのは最大値です。
 今、リプルの最大振幅をVRpとすると、その実効値VRは、
 VR=VRp/√2 …(2)
となりますので、問題中のリプルの最大振幅を√2で割ったものを計算に用いなくてはなりません。つまり、(2)式を(1)に代入して、
 M=VRp/(√2)VD …(3)
と計算します。

それでは、解答に移ります。
 問題図から、VRp=2.8 [V]、VD=24 [V]を(3)式に代入すると、M=0.08と求められるので、正解はと分かります。