□ H20年04月期 A-24  Code:[HJ0102] : 階級精度と指示値の幅、真の値の関係を計算で求める
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05/14 04月期問題頁掲載
01/11 12月期問題頁掲載
2021年
10/17 09月期問題頁掲載
H2004A24 Counter
無線工学 > 1アマ > H20年04月期 > A-24
A-24 階級精度が1.0(級)で最大目盛値が250 [V]の電圧計で測定したとき、110 [V]を指示した。真の電圧値の範囲として、正しいものを下の番号から選べ。ただし、電圧計の読み取りによる誤差はないものとする。
105.0〜110.0 [V]
105.0〜111.1 [V]
107.5〜112.5 [V]
108.9〜111.1 [V]
110.0〜112.5 [V]

 測定器には誤差がつきものです。ものさしでさえ、温度が違えば誤差を生じたりしますが、ここでは電圧計に生じる、「読み」と「真の値」の差を議論します。「階級誤差」という、聞きなれない言葉が登場しますが、内容は難しくありません。

[1]測定器の誤差はフルスケールを基準に定義する

 まず、測定器の誤差の表示の仕方、を見ておきます。一般に、電圧計などの測定器はフルスケールが決まっていて、その値で誤差を定義します。
Fig.HJ0102_a 真の値と読み値の関係
Fig.HJ0102_a
真の値と読み値の関係
 Fig.HJ0102_aはその様子を図にしたものですが、要するに、フルスケールが100 [V]の電圧計があったとして、その電圧計の盤面(デジタルの場合は本体のどこか)に「1%FS」と書いてあったら、読みが100 [V]の時に、真の値が99〜101 [V]の間に存在しますよ、という意味です。ここまでは、「ああ、1%の誤差の電圧計なんだな」とすんなり飲み込めるのですが、問題はそこからです。
 この(1%の)階級誤差というのは、読みがいくらであってもフルスケールで定義された誤差が生じます、という意味です。この電圧計の例でいえば、もし10 [V]を差していたとすると、真の値は10±1 [V]、つまり9〜11 [V]の中にある、ということを言っています。
 「何だよそれ、1%って書いてあるんだから、真の値は9.9〜10.1 [V]の間にあるはずだろ。高い金出していい精度のを買ったのに…」と言いたいところですが、誤差の定義はこうなっています、としか言いようがありません。
 実際に簡単な測定器でも製作してみると分かりますが、オフセットが乗っていたり、内部の素子に非線形性があったりで、目盛のゼロ点(原点)とフルスケールの間は直線で結べないケースがほとんどです。
 要するに、フルスケールがEで、階級誤差がq [%]の計測器を使って測定したX(X≦E)という値は、Xがいくらであろうと「真の値はX±Eqの幅の範囲にある」という「誤差」が含まれる、ということなのです。もし、読みに応じて誤差も小さくなる(先の電圧計でいえば、10 [V]を測っても真の値が9.9〜10.1 [V]になる)ならば、小さいレンジに切替える必要がなくて便利なんですが…。
 高いお金を出して測定器を買っても、フルスケールに近い値を測らない限り、見合った効果は得られない、というわけです。

[2]精度と確度の違いとは

 測定で問題になる、似たような用語で「精度と確度」があります。これを定義通り言える方は、上の誤差の問題も簡単でしょう。
 能書きはおいておいて、例を元に議論しましょう。ある既知の値(真の値)を2つの測定器で何度も測定しました。
 測定器Aは、Fig.HJ0102_b左のように、毎回の測定値のばらつきは非常に少ないものの、その平均値は真の値からかなりずれていました。
 一方の測定器Bは、測定値はかなりばらついていましたが、平均すると真の値に非常に近い値になりました。
 人間に例えれば、「言っていることはブレが無いんだけど、外してる」人、「毎回言うことは少しずつ違うんだけど、大体において正しい」人、のような感じです。
 ここに挙げた例は極端ですが、精度と確度をわかりやすく示すために、あえてへんてこな測定器を2台持ってきたことにします。
Fig.HJ0102_b 精度と確度
Fig.HJ0102_b
精度と確度
 では、どちらが高精度な測定器で、どちらが高確度な測定器でしょうか? 測定の世界の定義では、以下のようになります。
 測定器A…高精度、低確度 繰返し再現性はあるが真の値からはズレている
 測定器B…低精度、高確度 真の値からズレは少ないが、再現性が悪い
 一般には、「確度」は校正によって修正することが可能ですが、「精度」は測定器の内部で生じるノイズ等で、根本的に取り除くのが困難なことが多いため、「高精度測定器」なものが高価です。中には、時間原器として用いられるようなルビジウム原子時計のように、その超高確度が命で、時間と共に多少(とはいってもこれもすごい「精度」ですが)周波数が揺らいでも平均値がド真中にきていればいい、という特殊な「計測器」もあります。

それでは、解答に移ります。
 「階級精度が1.0級」というのは、読み値に対して、フルスケールに対する±1.0 [%]の誤差を持つ、ということですから、250 [V]のフルスケールで読みが110 [V]なら、真の値は、
 110−250×0.01 〜 110+250×0.01 [V]
 →107.5 〜 112.5 [V]
の間にあるはずです。従って、正解はと分かります。