□ H20年04月期 B-03  Code:[HF0501] : スケルチ回路の構成と動作
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05/14 04月期問題頁掲載
01/11 12月期問題頁掲載
2021年
10/17 09月期問題頁掲載
H2004B03 Counter
無線工学 > 1アマ > H20年04月期 > B-03
B-03 次の記述は、FM受信機のスケルチ回路について述べたものである。このうち正しいものを1、誤っているものを2として解答せよ。
受信機への入力信号が一定レベル以下又は無信号のとき、雑音出力を消去する。
受信電波の変動を除去し、振幅を一定にする。
受信機出力のうち周波数の高い成分を補正(低下)させる。
周波数弁別器の出力の雑音が一定レベル以上のとき、低周波増幅器の動作を停止させる。
受信電波の周波数変化を振幅の変化にする。

 FM受信機では、受信電波の強度がある値を下回ると、非常に大きなノイズが出ます。これを防ぐためのスケルチ回路の問題です。

[1]スケルチ回路の構成と動作

 Fig.HF0501_aにFM受信機中のスケルチ回路とその周辺の構成を示します。このブロック図について、動作の概略を説明します。

(1) 雑音増幅器

 雑音増幅器は周波数弁別器の出力から、ノイズ成分のみを取り出して増幅します。FMのノイズは、(聞いたことがある方がほとんどとは思いますが)「ザー」という非常にランダムで高周波成分の多いノイズですので、音声と分離するのは比較的容易です。
 雑音増幅器の入力は、振幅制限器の制限レベルを示す直流電圧と周波数弁別器の出力ですが、振幅制限器からも信号を取るのは、アンテナ入力が低レベルで振幅制限器が動作していない(振幅制限がかかっていない)時にのみ、スケルチ回路を動作させるためです。

(2) 雑音整流器

 「雑音」を「整流」するというのもすぐにイメージが湧きませんが、要するに電源回路などの整流と同じことで、ノイズという交流を整流して直流電圧に変換する働きです。ここで変換された直流レベルは、ノイズの大きさを示していますから、これをスケルチ動作のしきい値としてやります。

Fig.HF0501_a スケルチの構成と動作
Fig.HF0501_a
スケルチの構成と動作

(3) 制御回路

 中身は比較器(コンパレータ)で、低周波増幅を止めるかどうか判断します。何と何を比較するかというと、上で得られた、ノイズの大きさに比例する電圧と、(手動などで)設定するスケルチレベルです。
 ノイズレベルがスケルチレベルより大きければ、低周波増幅回路の動作を止めます。ノイズレベルが小さければ、信号が来ていると判断して低周波増幅回路を動作させます。

[2]似たような回路と何が違う?

 ノイズを除去する回路には、このスケルチの他にもいろいろあります。選択肢にあれこれ出てくることがあるので、頭を悩ませることのないよう、整理しました。

(1) ノイズブランカ

 受信信号からパルス性のノイズのみを抜き出し、一定以上のレベルを超えたものが通過する間、中間周波数増幅器の動作を止めることで、ノイズを除去します。CW, SSBやAMといった振幅変調系の受信に用いられます。レベルの低い、連続するノイズには効果はありません。FMでは用いられません(FMは振幅方向の変動は、検波の前段の振幅制限器で制限されるため)。

(2) ノイズリミッタ

 これもパルス性のノイズに用いるものですが、リミッタで振幅を制限することで、ノイズを抑えます。ノイズブランカと同じように、FMでは振幅制限器がありますので、振幅変調系の受信機に用いられます。

(3) ミューティング回路

 これはFM受信機に用いられます。スケルチがノイズを検出して動作するのに対して、ミューティングは中間周波増幅器から搬送波の有無を検出して、後段の中間周波増幅器の動作を止めたり動かしたりして、制御します。ミューティングレベルを設定できる回路では、搬送波のレベルがいくら以上で中間周波増幅器を動作させるかを設定できます。
 アマチュアのリグでは見たことがありませんが、オーディオ用のFMチューナーには搭載されています。選局中に、局のないところで「ザー」とものすごいノイズが出たら、興ざめです。最近のはデジタルチューナですから、ダイヤルで合わせる事もあまりありませんが。

それでは、解答に移ります。
 …スケルチ回路の動作の1正しい記述です
 …これは振幅制限器の働きなので2誤りです
 …これはデエンファシス回路の働きなので2誤りです
 …スケルチ回路の動作の1正しい記述です
 …これは周波数弁別器の働きなので2誤りです
となります。