□ H20年08月期 A-04  Code:[HB0107] : ポテンショメータと負荷の電流・電圧からスライダの位置を求める
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2022年
12/31 12月期問題頁掲載
09/01 08月期問題頁掲載
05/14 04月期問題頁掲載
H2008A04 Counter
無線工学 > 1アマ > H20年08月期 > A-04
A-04 図に示す回路において、負荷RLを接続して100 [V]の直流電圧を加えたとき、RLを流れる電流が5 [A]で、RLの両端の電圧が12 [V]であった。このときのBC間の抵抗の値として、正しいものを下の番号から選べ。ただし、RLを接続しないときのAC間の抵抗を10 [Ω]とする。
8 [Ω]
6 [Ω]
4 [Ω]
2 [Ω]
1 [Ω]
問題図 H2008A04a
Fig.H2008A04a

 キルヒホッフも必要なく、オームの法則しか出てこないので、簡単なはずなのですが、計算が面倒です。私が解いたら、二次方程式まで出てきてしまいました。どなたか、簡単に計算できる方法をご存知でしたら、教えて下さい。行列式を使って、スマートに解くとか…

[1]オームの法則に従って方程式を立てる

 まず、この回路ですが、ポテンショメータです。普通は、Bがスライドできるようになっている可変抵抗です。
Fig.HB0107_a 各抵抗に着目した電流と電圧
Fig.HB0107_a
各抵抗に着目した電流と電圧
 さて、今後どんな問題が出題されるか分かりませんので、この問題に特化した数値ではなくて、文字式にして解いて行きます。
 Fig.HB0107_aのように、電圧や電流を取ります。まずは、当たり前な方程式から。
 E=E1+E2…(1)
 I1=I2+I3 …(2)
また、問題の中で、ポテンショメータの全抵抗(A−C端の抵抗値)R0が与えられている場合は、
 R0=R1+R2 …(3)
も条件に加わります。
 この他、R1〜R3にかかっている電圧と電流について、オームの法則から、
 E1=I11 …(4)
 E2=I22 …(5)
 E2=I33 …(6)
の合計6本の方程式ができます。後は、問題で与えられている数値を既知数として、未知数について解いてゆく「だけ」ですが、この「だけ」の中身は、ひたすら計算なので、慌てず間違えないようにして下さい。
 (ここでは、問題が何を求めているかによって、計算の過程が異なるので、方程式を立てるところまでに留めます。具体的な計算は、解答の中で行ないます。

それでは解答に移ります。
 (以下、数式に単位を省略します。)まず、E1は与えられている数値と(1)から簡単に求められて、
 E1=E−E2=100−12=88 …(a)
です。また、I3=5 [A]なので、(2)式は、
 I1=I2+5
 I1−I2=5…(b)
と変形できます。ポテンショメータの抵抗値については、(3)式から、
 R1+R2=10
 R1=10−R2…(c)
と変形できます。ここで、(4)と(a)及び(5)から、
 I1=88/R1 …(d)
 I2=12/R2 …(e)
と変形して、(d),(e)を(b)に代入すると、
 88/R1−12/R2=5 …(f)
となります。ここでさらに、(f)のR1を(c)で置き換えて、
 88/(10−R2)−12/R2=5 …(g)
途中の計算は省略しますが、(g)は
 R22+10R2−24=0 …(h)
となって、R2の二次方程式が出てきます。「何だ、あの(中学で習った)二次方程式の解の公式かよ…忘れちまったな。」と思いますが、良く眺めてみると、(h)式は
 (R2−2)(R2+12)=0 …(i)
と因数分解できる(足して10、掛けて-24になる数は…とやる)ので、R2=2 or -12となります。マイナスの抵抗はありえないので、ここは、
 R2=2 [Ω]
となりますから、正解はと分かります。
 私も計算が苦手なので、この量の計算になると、必ずと言っていいほど、桁の違う答えしか出てこなかったり、√の中がマイナスになったりしてうんざりしますが、一つ言えることは、変数が山ほどあって、既知数も山ほどある場合は、必要以外の未知数は方程式の中に入れないことです。既知数は既知数で数式の中に織り込んでしまい、最終的に要らない未知数(今回ならR1やI1を消去して、早く求める未知数R2だけの方程式を作ってしまうことです。この道筋が見通せれば何とかなるんですが、普段紙とペンで計算を繰り返していないと、私のようになかなか上達しません。

 もし、上手く因数分解できなかったら、正直に二次方程式
 ax2+bx+c=0
の解の公式、
 x={-b±√(b2−4ac)}/2a
を使って下さい。