□ H20年08月期 A-07  Code:[HC0205] : バリスタの機能と特性
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2022年
12/31 12月期問題頁掲載
09/01 08月期問題頁掲載
05/14 04月期問題頁掲載
H2008A07 Counter
無線工学 > 1アマ > H20年08月期 > A-07
A-07 次の記述は、バリスタについて述べたものである。このうち正しいものを下の番号から選べ。
光のエネルギーを、電気エネルギーに変換する。
加えられた電圧の大きさによって、抵抗値が変化する。
温度の変化を、電気信号に変換する。
電気エネルギーを、光のエネルギーに変換する。
加えられた電圧の大きさによって、静電容量が変化する。

 バリスタは、かかる電圧がある値を超えると、急激に抵抗値が下がる素子です。この特性を利用して、雷サージなど突発の大電圧に対して回路を保護する用途に用いられます。

[1]バリスタは電圧で抵抗が大きく変わる素子

 バリスタは、シリコンカーバイド(炭化シリコンSiC)などを原料を焼結して端子を付けた半導体素子で、整流作用はありません。
 両端にかかる電圧で、抵抗値が大きく変化します。その特性はFig.HC0205_a左のようであり、加わる電圧が上昇すると、あるところで急激に抵抗が減少します。要するに、高い電圧を掛けると、ショート状態に近くなる、ということです。
 ところで、サーミスタやバリスタのような、流れやすい電流に方向性がない素子も「半導体」と呼ぶのか、という疑問があります。実は、半導体の定義にはダイオードやトランジスタのように、電流の流れやすさが電流の方向によって異なる素子を「狭義の」半導体とし、バリスタやサーミスタ、高純度のシリコン単結晶のように、元々抵抗率が高く、温度や不純物等の条件で、大きく抵抗率が変化するものも半導体とする「広義の」定義があります。
 前者が半導体と呼ばれることに異論はないと思いますが、後者は、物理で語らなければなりません。物理用語で言えば、「電流が流れること」=「自由電子が存在すること」で、普段は原子核に束縛されて動けない電子(価電子という)が、外から何らかのエネルギー(熱等)をもらったり、不純物が混じるなどして、束縛から外れた「動ける」電子(=自由電子)が増加すれば、電流が流れます。エネルギーをもらうことで、電子自体が束縛を脱するか、不純物が混じって束縛自体が緩くなるかのどちらかです。
 物理では、そのままの状態では自由電子が少なく、電流がほとんど流れないものの、その物質自身の、あるいは外界の何らかの変化で自由電子が増加し、電流が流れるようになる物質を「半導体」と称しているのです。

[2]用途は過渡的に発生する高電圧からの保護

Fig.HC0205_a バリスタの特性と用途例
Fig.HC0205_a
バリスタの特性と用途例
 この特性は、アンテナや電話線の避雷器として有用です。また、リレーやトランジスタで誘導負荷をドライブする際に生じる、過渡的な高電圧に対する保護素子としても使われます。
 例えば、同軸ケーブルの外部導体と芯線間にバリスタを入れると、通常時は受信に影響がないほどの高い抵抗値を持っているため、感度が落ちたりすることはありません。雷電圧の誘導などで、アンテナに高電圧が誘起すると、ほぼショート状態になり、誘導電流がほとんどバリスタ内を流れて、受信回路を保護します。平常時は、これを付加したことの影響がないように、なるべく高い抵抗値であることが必要です。
 流せる電流と時間(この電流×時間以下なら繰り返し使える)の関係が定格で決まっており、大き過ぎると焼損してしまいますから、雷保護だといっても直撃されたら壊れてしまいます。
 抵抗が低下し始める電圧と電流容量との組合せで、様々な定格のものが製造されています。

それでは、解答に移ります。
 …これはフォトダイオード又は太陽電池のことです
 …これがバリスタのことです
 …これはサーミスタのことです
 …これはLED(発光ダイオード)又はレーザダイオードのことです
 …これは容量可変ダイオード(バリキャップ)のことです
となりますから、が正解と分かります。