□ H20年12月期 A-20  Code:[HH0702] : 八木アンテナをスタックとした時、一本の利得とスタック段数から利得計算
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2019年
12/18 12月期問題頁掲載
09/02 08月期問題頁掲載
04/13 04月期問題頁掲載
H2012A20 Counter
無線工学 > 1アマ > H20年12月期 > A-20
A-20 利得12 [dB]の同一特性の八木アンテナ4個を用いて、2列2段スタックの配置とし、各アンテナの給電点が同じ位相となるように給電するとき、このアンテナ(スタックドアンテナ)の総合利得の値として、最も近いものを下の番号から選べ。ただし、log102 ≒ 0.3 とする。
12 [dB]
14 [dB]
15 [dB]
16 [dB]
18 [dB]

 指向性アンテナでは多エレメントになればなるほど、エレメント(導波器)を増やすより、同じアンテナを複数並べた方が利得の増加が大きいため、よくスタックにします。ここでは、スタックにすると、どれだけ利得が上がるのかを問われています。なお、スタックにするアンテナは八木アンテナには限りませんが、ここでは例として八木アンテナで考えます。

[1]アンテナ2本で2倍、4本で4倍…

 アンテナをスタック(ここでいう「スタック」とは、上下方向に重ねる方法も、水平方向に並べるいわゆる「パラ」も両方のことを言います)にすると、利得が上がります。基本的には、アンテナの数が2本になれば、最大放射方向に得られる電波のエネルギーは2倍になり、4本になれば4倍になります。
 ここで、「基本的には」と書いたのは、スタックに必要な分配器の損失等、アンテナに至るまでの経路上の損失と、アンテナの配置により理想的に2倍にならないことがある(スタック間隔が狭すぎるor広すぎる場合など)からです。
 国家試験の問題を解くのに、そんな複雑な条件があっては難しくなりすぎるので、シンプルに考えて解きましょう。
 電力で2倍というのはデシベルで表せば約+3 [dB](=10log2)です。さらに、4倍というのは約+6 [dB](=10log4)です。従って、単体の利得が10 [dB]なら、2本スタックにした時は約13 [dB]、4本スタックなら16 [dB]といった具合です。
Fig.HH0702_a 八木アンテナのスタックと利得
Fig.HH0702_a
八木アンテナのスタックと利得
 なお、アンテナの利得の表記には相対利得と絶対利得がありますが、どちらで表記されていても、これまで書いたことは成立します。表記が絶対利得なら、スタック後の利得も絶対利得、というだけのことです。問題文中の利得の表記がどっちなんだ?なんて悩む必要はありません。
 さて、利得が増える、ということは、単純に考えれば「遠くの局がよく聞こえる」「自分の電波が遠くまで飛ぶ」ということですが、ビームアンテナを使ったことのある方ならお分かりの通り、これには条件があります。

[2]アンテナのスタックと放射パターンの関係

 その条件とは、ビームのメインローブのピーク(つまり最大放射方向)でないと信号が弱まる、ということです。言われてみれば当たり前のことですが、いくらゲインの高いアンテナを使ってスタックにしても、サイド方向から呼ばれては聞こえないことすらあります。
 これは、指向性アンテナというものが、一方向に放射する電力のみにエネルギーを集中することで利得を得ているからです。言い換えれば、全立体角(方位)に均等に電力をばら撒いてしまうことはやめて、電力を全てかき集めて、目的とする方向(最大放射方向)に絞り込んで放射するのが指向性アンテナ、ということになります。従って、利得が上がれば上がるほど、ビームがシャープになるので、サイドから呼んで来る局はどんどん弱くなります。
 スタックにして利得が上がることもこれと同じことで、
 ・水平方向にスタック(パラ)にすれば水平面内の指向性がシャープになり、
 ・垂直方向にスタックにすれば垂直面内の指向性がシャープになる
ということです。従って、4本のアンテナをスタックにしたい場合、利得の増加は4列1段でも2列2段でも4段1列(こんなの普通はやりませんが)でも、利得の増加は+6 [dB]ですが、ビームパターンはそれぞれ違ったものになります。
 それから、問題文中に書かれていることですが、スタックにする時に給電点の位相を合わせないと、ビームパターンがムチャクチャになります。

それでは、解答に移ります。
 単体で12 [dB]のアンテナを4本スタックにするのですから、上で見たように、その方法(何列何段にするか)に関わらず、利得の増加は+6 [dB]です。従って、12+6=18 [dB]となるので、正解はとなります。