□ H21年04月期 A-10  Code:[HD0109] : オペアンプの基本的な入出力関係を回路図で説明
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2022年
05/14 04月期問題頁掲載
01/11 12月期問題頁掲載
2021年
10/17 09月期問題頁掲載
H2104A10 Counter
無線工学 > 1アマ > H21年04月期 > A-10
A-10 次の記述は、電圧増幅度がAの演算増幅器(オペアンプ)の基本的な入出力関係について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、入力電圧Viはオペアンプがひずみ無く増幅する範囲とする。
(1) 図1に示すようにVi [V]を「−」端子に加えたとき、出力電圧Voは大きさがViのA倍で、位相がViと[A]となる。
(2) 図2に示すようにVi [V]を「+」端子と「−」端子に共通に加えたとき、出力電圧Voの大きさはほぼ[B]である。


同位相 iA [V]
同位相 0 [V]
逆位相 0 [V]
逆位相 iA [V]
問題図 H2104A10a
Fig.H2104A10a

 私も仕事でオペアンプを使った回路をいくつか設計しましたが、なかなか理想に近いオペアンプというものは現実にはありません。そもそも、オペアンプの回路モデルは、どんなものなのか、を学んでから、問題に掛かります。

[1]オペアンプの回路モデル

 オペアンプは、またの名を「演算増幅器」といい、何を「演算」してくれるのかと思いきや、単体では引き算しかできません。「増幅器」と名がつくので、もちろん増幅(掛け算)もするのですが、その程度です。
Fig.HD0109_a オペアンプ単体の回路モデル
Fig.HD0109_a
オペアンプ単体の回路モデル
 ここであえて「単体では」と断ったわけは、外付けの抵抗・コンデンサ・ダイオードやトランジスタまで動員すれば、任意の係数付き加減算、指数・対数・絶対値・微分・積分など様々な演算が可能だからです。
 では、単体のオペアンプはどんな性質を持っているのでしょうか? あまり難しく考える必要はなく、理想のオペアンプ(回路モデル)はFig.HD0109_aのように、2本の入力端子(非反転入力=側、反転入力=側)と一本の出力端子がある、単純なものです。
次に、性質のポイントを見て行きます。
  • 入力電流は流れない
    言い換えれば、入力インピーダンスが無限大、ということになります。従って、理想的なオペアンプは、入力バイアス電流Iin+やIin-がゼロです。
  • 出力インピーダンスが0
    これも言い換えれば、オペアンプからいくら電流を取り出しても、一定電圧を保ち続ける、ということです。
  • 周波数帯域は無限大
    実際はありえませんが、直流から無限に高い周波数まで増幅可能、というのがモデル上のオペアンプです。蛇足ですが、周波数帯域が広いということは、波形の急峻な変化にも対応できる、ということです。
  • 裸利得が無限大
    普通、オペアンプを増幅器として使うには、負帰還をかけて使いますが、負帰還をかけないときの増幅度が無限大、というのが「裸」の意味です。ただ、問題では無限大ではなく、有限の増幅度Aとして解きます。
 このほかにも、入出力の遅延時間がゼロだとか、オフセット電圧がゼロだとか、いろいろとモデルとしての性質がありますが、問題と関係ないので、置いておきます。

[2]入力の差を増幅する機能を持つ

 問題では、オペアンプに負帰還をかけずに、裸利得Aのまま使っています。実はオペアンプの伝達関数(動作を式で表したもの)は、Fig.HD0109_aの中ほどに示したように、
 Vout=(Vin+−Vin-)A …(1)
という単純なものです。これは、負帰還が掛かっていようがいまいが変わりません。つまり、オペアンプはいつも、非反転入力電圧から反転入力を引いたものを、裸利得A倍して出力する、というだけの動作をしている、ということです。
 では、入力に様々な電圧を入れた時の出力を考えてみます。
  • 反転入力Vin-=0 [V](GND)とした時
    in-=0を(1)式に代入すると、Vout=AVin+となりますから、単純に非反転入力のA倍の電圧が得られることになります。入力が交流の時は、入出力は同符号ですから、位相は反転しません
  • 非反転入力Vin+=0 [V](GND)とした時
    in+=0を(1)式に代入すると、Vout=−AVin-となりますから、反転入力の−A倍の電圧が得られることになります。入力が交流の時は、入出力は逆符号ですから、位相が反転します
  • 非反転入力Vin+=反転入力Vin-とした時
     (1)式のカッコの中Vin+−Vin-はゼロとなりますから、出力も0 [V]です。

それでは、解答に移ります。
 …Viを反転入力に加えると、出力はVi逆位相になります
 …入力に全く同じ電圧が入ると、出力は0 [V]になります
となりますから、正解はと分かります。