□ H30年04月期 A-04  Code:[HB0104] : 抵抗からなる回路網の合成抵抗・枝の電流・未知の抵抗値等の計算
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2022年
12/31 12月期問題頁掲載
09/01 08月期問題頁掲載
05/14 04月期問題頁掲載
H3004A04 Counter
無線工学 > 1アマ > H30年04月期 > A-04
A-04 図に示す抵抗R=40 [Ω]で作られた回路において、端子ab間の合成抵抗の値として、正しいものを下の番号から選べ。
35 [Ω]
40 [Ω]
55 [Ω]
70 [Ω]
80 [Ω]
問題図 H3004A04a
Fig.H3004A04a

 近年、パズルのような抵抗回路の合成が出題されようになりました。以前に出題(例えばH2804A04)されたものと違う回路なので、面食らった方も多いと思います。あまり複雑なものは計算時間が掛かりすぎるので、出題されないでしょう。今後も、この問題のように、回路の対称性等に着目して簡単にできるものが出題されると思います。

[1]複雑なものは単純化して解く

 この手の問題は、複数の抵抗を合成して行き、単純化して行くことが解法のキーとなります。「そう簡単に言うけど、どの抵抗とどの抵抗をどういう順番で合成すればいいのか分かりません」ということも分かります。
 この問題には誘導がない分難しいのですが、電気の法則を使ったパズルを解くつもりで、やって行きます。

[2]解法例…その1

 まず、この回路をよく眺めると、端子a−b間を軸とする「上下対称」であることが分かります。
Fig.HB0104_l 解法 その1
Fig.HB0104_l
解法 その1
 そこで、Fig.HB0104_lの左上のように赤色部分のノードxと青色部分のノードyの電位について考えます。端子a−b間に適当な直流電圧を掛けて電流を流したとすると、x−y間の電位差はどうなるでしょうか?
 答えはゼロ、つまり、ノードxとノードyは同電位です。何故かといえば、上に述べたように、この回路は上下対称で、ノードxとノードyは対称の位置にあるからです。同電位なら、これらを繋いでしまっても、全体の合成抵抗は変化しないはずです。
 そうすると、回路は一気に簡単になり、Fig.HB0104_l左下の「変形1」のように変形することができます。この図の水色のノードが、ノードxとノードyを接続したものにあたります。
 後は、変形1で緑の点線で囲った部分の合成抵抗がR/2であることから、Fig.HB0104_l右上(変形2)のようになり、これをさらに合成して変形3→変形4とすれば、答えが出ます。

[3]解法例…その2

 同じように上下対称であることに着目するのですが、ちょっとトリッキーな方法を使います。
 上の解法例その1では「上下対称」と書きましたが、Fig.HB0104_mの左上のR2が上下に共有されていて、どうにも対称には見えない、という方もおられるでしょう。
 ならば、その下の「変形1」のように、R2を2Rの2本の抵抗の並列だと考えれば、この回路を、完全な、端子a−b間を軸とする上下対称形に持込むことができます。
 上下対称で、緑色で示したノードxとノードyは対称の位置にあり、切離しても同電位であることを使って、今度は逆に切離しても全体の合成抵抗値に影響はないことを利用します。
Fig.HB0104_m 解法 その2
Fig.HB0104_m
解法 その2
 切離した上半分だけの合成抵抗値は、変形2→変形3のように求められて、7R/4となります。さらに、上下の合成は変形4から7R/8となりますから、上の解法の結果と一致します。

それでは、解答に移ります。
 2つの解法のどちらで解いても、合成抵抗は7R/8となって、R=40 [Ω]なので、合成抵抗値は35 [Ω]となります。従って、正解はと分かります。