□ H30年04月期 A-17  Code:[HG0205] : 整流回路+平滑回路で無負荷時のダイオードの逆耐電圧を計算
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2022年
05/14 04月期問題頁掲載
01/11 12月期問題頁掲載
2021年
10/17 09月期問題頁掲載
H3004A17 Counter
無線工学 > 1アマ > H30年04月期 > A-17
A-17 図に示すダイオードD及びコンデンサCで構成される整流回路において、交流入力が実効値12 [V]の単一正弦波であるとき、無負荷のときの各ダイオードDに印加される逆方向の電圧の最大値として、最も近いものを下の番号から選べ。ただし、各ダイオードDの特性は同一とする。
12 [V]
17 [V]
24 [V]
34 [V]
36 [V]
問題図 H3004A17a
Fig.H3004A17a

[1]交流電圧の表示の仕方

 まずはじめに、交流電圧の表記の仕方を復習しましょう。電源を扱っている問題は、特に断りがない限り、一時側の入力波形は正弦波です。
Fig.HG0205_a 半波整流回路と各部の電圧
Fig.HG0205_a
半波整流回路と各部の電圧
 まずはFig.HG0205_aの左下を見て下さい。
最大値…これは単純に正弦波の(片側の)「山の高さ」の電圧を示します。つまり、基準電位(通常GND)からピークまでの電圧です。
実効値…これは、「その値の直流電圧を抵抗負荷に接続した場合と、消費する電力が同じ交流電圧」です。分かりにくいですが、直流100 [V]と交流(実効値)100 [V]の電源を持ってきて、同じ抵抗に接続すると、発生する熱量が同じ、という意味です。
 この他にも、交流の電圧を表す値として、平均値がありますが、この問題では使わないので省略します。
 正弦波交流では、普通その値を実効値で表記します。また、最大値Vpと実効値Vrにはよく知られた次の関係があります。
 Vr=Vp/√2 (又はVp=√2Vr) …(1)
つまり、正弦波では、実効値の√2倍が最大値、というわけです。この関係は電源や交流回路の問題のみならず、AMの変調度と電力、給電線に通せる最大電力の問題などにも出てきますので、覚えておきましょう。
 早い話が、我々が普段使っている100 [V]の交流と単純に言っても、山と谷では280 [V]近い差がある、ということなのです。

[2]無負荷の平滑出力は最大値

 では、無負荷の時、単相半波整流回路の出力電圧はどうなるでしょうか。Fig.HG0205_aの右上を見て下さい。
 平滑用のコンデンサは、整流後の脈流電圧がピーク(=最大値)になるまで充電され、負荷がなければその電圧を保ち続けます。つまり、平滑出力電圧は交流電圧の最大値と同じです。

[3]ダイオードにかかる逆電圧(半波整流の場合)

 Fig.HG0205_aに示す単相半波整流回路の場合の、ダイオードにかかる逆電圧を調べてみます。まず、基準電位はこの図の左上の回路図で、出力の下側の端子に取ります。また、入力交流の実効値をViとします。
 ダイオードのカソード側の電位は上で見たように、+√2Viでほぼ一定の電位です。アノード側は交流電源に繋がっているので、時間的に変化しますが、最もマイナス側に振れる瞬間で、−√2Viです。ダイオードにかかる逆電圧は、カソード電位−アノード電位で、これをグラフにしたのが、Fig.HG0205_aの右下のグラフです。
 これを見ると、逆電圧の最小は交流電圧のプラス側の最大時でゼロ。最大は交流電圧のマイナス側の最大時で、2√2Viとなります。

[4]ダイオードにかかる逆電圧(全波整流の場合)

 今度は、Fig.HG0205_b左上のようなブリッジダイオードを用いた単相全波整流回路の場合について、同様にダイオードにかかる逆電圧を考えてみます。
 まず、この図で、ブリッジの右上のダイオードをD1、その対辺のダイオードをD2とします。入力電圧は半波整流の時と同様に実効値Vi [V](最大値Vmax [V])の正弦波だとすると、無負荷時の平滑出力はこの図の右上のようになり、Vmax [V]の(ほぼ)直流です。ここまでは、半波整流の設定と何も変わっていません。
 ここで、入力電圧が負の側に振れている半周期(この図左下の入力電圧が青の部分)について考えてみます。この時は、逆方向の電圧がかかるダイオードはD1とD2です。(緑の点線で示されたダイオード2本は、順方向バイアスがかかるため、ここでの考察の対象外です。)
Fig.HG0205_b 全波整流回路と各部の電圧
Fig.HG0205_b
全波整流回路と各部の電圧
 つまり、D1とD2の2本で、最大2Vmax(=2√2Vi) [V]の電圧を受け止めているわけです。通常、ブリッジダイオードを構成する各ダイオードは特性が揃ったものですから、これら2本のダイオードで逆電圧を等分に分担している、と考えるのが自然です。
 従って、D1では、最大でVmax(=√2Vi) [V]の逆電圧がかかることになります。

それでは、解答に移ります。
 [3]で見たように、ブリッジダイオードがずべて同一特性(と、問題文にある)なら、入力の交流の実効値の√2倍が、ダイオード一つにかかる最大の逆電圧なので、12×√2≒17でが正解と分かります。