□ R02年12月期 A-10  Code:[HD0304] : ハートレー回路で、共振回路のコンデンサ容量変化時の周波数の変化率計算
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2022年
05/14 04月期問題頁掲載
01/11 12月期問題頁掲載
2021年
10/17 09月期問題頁掲載
H3212A10 Counter
無線工学 > 1アマ > R02年12月期 > A-10
A-10 図に示すトランジスタTrを用いた原理的なコルピッツ発振回路が、1/π [MHz]の周波数で発振しているとき、コイルLの自己インダクタンス[H]の値として、正しいものを下の番号から選べ。
1.00 [mH]
1.25 [mH]
1.50 [mH]
2.00 [mH]
2.50 [mH]
問題図 H3212A10a
Fig.H3212A10a

 ハートレーは出題されたことがありますが、コルピッツは今回(2020年12月期)初めてではないかと思います。どちらも、共振回路の共振周波数を求める式が分かれば、容易に解答できると思います。
 下記の解説は、従来の設問に対するものですが、発振周波数を求める計算式が出ていますので、、解答文を参考にして下さい。

[1]共振回路の共振周波数を求める式と部品の定数変動

 ハートレーでもコルピッツでもインダクタンスL [H]のコイルと容量C0 [F]のコンデンサで組まれた発振回路の発振周波数f0 [Hz]は、これらのLとCで組まれた共振回路の共振周波数そのもので、次のように決まります。
 0=1/2π√LC0 …(1)
一方、ここでは、コンデンサの容量が変化してC1になったと言っているので、このときの発振周波数をf1 [Hz]とすると、
 f1=1/2π√LC1 …(2)
となります。

 問題が要求しているのは、周波数の変化率k [%]ですから、
 k=(f1/f0−1)×100
  ={√(C0/C1)−1}×100…(3)
となります。この値が正なら周波数は上がり、負なら下がることになります。

 ところで、、√の中はLとCに対して対称ですから、たとえば、Lがk [%]変動したとしても周波数の変化率は同じです。

[2]雑談…温度補償用コンデンサ

 セラミックコンデンサのカタログを見ると、「温度補償用」という一群の製品があります。これらは、温度係数が一定の値で、いろいろなものの係数があって選べるようになっています。要するに、温度係数を添加物などで制御して製品としています。
 普通に考えると、温度で変化しない方がいいに決まっているのに、なぜこのような「わざと温度変化する部品」が存在するかと言うと、これは共振回路の「相方」であるコイルの温度変化を打ち消すためです。例えば、温度が20℃変化して、Lが0.95Lに減少したとすると、Cは逆に、1.053Cになれば、√の中はほぼ一定ですから、発振周波数に変化はありません。
 しかしながら、これはまだまだ水晶発振子が高価だった頃の話で、LC発振器でそこまでシビアな設計をするくらいなら、水晶発振子で設計した方が何かと楽だ、という時代になってきました。最近では(温度係数がほぼゼロのものを除き)あまり温度補償用コンデンサに需要がある、という話を聞いたことがありません。

それでは、解答に移ります。
 上記の解説は、「部品の定数に誤差が出た場合の発振周波数の変化」に対するものですが、今回の問題で問われているのは、発振周波数そのものです。上記にあるように、ハートレーでもコルピッツでも、発振周波数を求める式は同じで、LC共振回路の共振周波数と同じになります。
 ただ、今回の問題のように、コルピッツでコンデンサが2個に分かれている(普通はそうなっていますが)ので、その合成容量が(1)式のC0になります。コンデンサは、「直列」です。その点にだけ、ご留意下さい。
 (1)式をLについて解いた、
 L=(2πf0)-2/C0 …(a)
にf0=1/π [MHz]、C=1/(1/400+1/400)=200 [pF]を代入して
 L=(2×106)2/(200×10-12)=1.25×10-3 [H]=1.25 [mH]
となるので、正解はと分かります。