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1アマ受験編 タイトル
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 ずっと取りたかった1アマ。何度か受けてみるものの、何故か毎回、通信術では緊張して、手が動かないミミズの這いまわる字になってしまう悔しさ。いい加減、嫌になって投げ出してみたものの、やはり取りたくなって再起。
 法規・工学は熱心にやらなかったので、通信術以外は役に立たない受験記かもしれません。

 無線が好きで、プロの資格まで取ってみたものの、振り返ってみれば「受かるための勉強」しかしておらず、全然身についていない自分に、数年前に気づきました。罪滅ぼし?のために、「無線工学の基礎」というサイトを作ってみました。工学でレベルアップを目指したい方、お役に立てれば、と思います。

「1アマ受験編」の目次

1 1アマを受けよう
  □ 1-1 動機と何度も落ちた話
  □ 1-2 一番の難物 通信術
2 合格できる受験勉強!?
  □ 2-1 自信をつける反復練習−通信術
  □ 2-2 「ナゼ」を追究−無線工学
  □ 2-3 覚えるしかない−法規
3 試験当日〜合否通知まで
  □ 3-1 試験開始まで
  □ 3-2 試験開始…無線工学
  □ 3-3 また出た悪い癖…通信術
  □ 3-4 一応投げずに…法規
  □ 3-5 合否通知&成績発表

1アマを受けよう
□ 1-1 動機と何度も落ちた話

 2アマは高校時代に取っていましたが、当時は100Wでの運用がせいぜいでした。面倒な和文と複素数の出てくる無線工学をやっても500Wの設備が使えないのでは、あまり魅力を感じることがなく、1アマを受けようという気にはなりませんでした。これは高校を卒業してからも同じでした。
 しかしながら、向学心の旺盛な後輩たちは、次々に和文のある時代に1アマに合格して行きました。私は、そんな彼らを横目に見ながら、漠然と「そろそろ取ってみようかなぁ…」と思い始めたのが、動機といえば動機です。これが今から10年程前。
 和文のテープなど買い込んだものの、覚え始めては途中でサボって挫折し、最初からやり直し、の繰り返し。英文を覚えた中学時代とは頭の柔らかさが違い、一向に覚えられませんでした。そんなことを繰り返して数年がたち、グズグズしているうちに、とうとう送信の試験も和文(受信)の試験もなくなってしまいました。これには正直「しまった」と思いました。送信も和文もなくなっては、何のための1アマか分かりません。後輩たちの取った時代とは「格」が違います。そんなことを考えていると、また挫折してしまうので、気を取り直して勉強を始めました。
 学科の方は勉強が進みましたが、通信術の自信は今ひとつでした。2アマの受験の時、緊張のあまり、字が「ミミズ」になってしまった記憶がどうしても頭を離れません。それを補うほどの受信練習もできず、平成11年の4月期と12年の8月期に受験しましたが、いずれも不合格でした。11年は通信術が最初から頭が真っ白、字がミミズ、で途中から何も書けなくなってしまいました。12年は、前半少しだけ書けたものの、やはり後半は字がミミズ、頭真っ白で、納得できる不合格、でした。実はこの後にも1回受験を申し込みながら、通信術に自信がつかず、棄権しています。棄権すると合否通知は来ません。
 これを読んでいるような方はご存知かと思いますが、無線工学・法規に科目合格はありません。これらをいくらがんばっても次の試験は楽にはなりません。通信術だけ何とか先に合格しないことには、いつまでたってもこの繰り返しなのです。そのことを痛いほど思い知ったので、通信術だけやることにしました。
□ 1-2 一番の難物 通信術

 私の場合、通信術が「難物だ」というのは、2アマの試験のトラウマのようなものからです。CWの本(「モールス通信」CQ出版)を見ると、スピードが上がってくると、このような心理的な要素が影響して、なかなか上達しないことがある、と書かれています。まさにその通りだと思います。これがあってから、電信の苦手意識が消えません。普段のラバースタンプQSOやコンテストでは、相手がどんなに速くても、コールとコンテストナンバー、ハンドルネームさえ書き取れれば交信が成立します。分からなければ聞き返せば良いですし、1字分からなくても周囲の文字から分かることもあります。
 しかし国家試験はそうは行きません。1字落とすと舞い上がってしまって、その後の数字分をボロボロと落とすことになります。練習テープの解説などでは、「1文字分からなかったら、気持ちを切り替えてその字は脱字にし、次の字から取るように」等と言っていますが、そうそう簡単には行きません。なにせ、これまでに何度もこれで失敗している「実績」が積み重なってしまっています。脱字は1点減点、誤字は3点減点で合格点が80点なので、20字も脱字可能、等と頭で分かっていても、本番の緊張の前にはそんなことは吹っ飛んでしまいます。
 私のように、緊張すると手が震えて字が書けなくなる症状のことを、「書痙(しょけい)」といい、重症になると人前に出ただけで字が書けなくなるそうです。ここまで行くと心理療法など治療が必要になるそうですが、私の場合は無線の電信の試験の時だけなので、要するに実力不足なのでしょう。心の底で、「コンテストではちゃんと取れるのに」などという言い訳をしていたのだと思います。

合格できる受験勉強!?
□ 2-1 自信をつける反復練習−通信術

 本番での緊張を克服し、落ち着いて最後まで受けられるようにするには、やはり練習しかありません。
 普段のQSOと違って、ただひたすら全部の文字を書く、ということに集中します。CW練習ソフトを使って、英文サイトや洋書などからテキストファイルを作り、長い単語や技術分野でない単語などが含まれるようにしました。PCからのサウンド出力をMDに録音します。
 1アマの試験は3分間で、受けた方はおわかりかと思いますが、結構長いです。普段のQSOで、相手が3分間打ちまくっていることは(和文のQSO以外では)あまりありません。この長さが魔物で、どうしても最後の方は緊張が切れてきます。そこで、練習MDは試験より少し速めの70字/分で、1回の文例も長めの約5分になるようにしました。文例が少ないと覚えてしまうので、数十の文例を作ります。試験には出ないといわれるアルファベットや数字以外の記号類も含め、「何が来ても大丈夫」という自信をつけるようにしました。
 6月半ばから練習を始めて12月に試験でしたが、この間、ほぼ毎日朝昼夕方と会社の休み時間に練習していました。それでもまだほとんどの文例で数字の脱字があり、完璧にはなりませんでした。私のような者が完璧にやるなら半年ではダメかもしれません。

 これは私の好みなので、皆さんに当てはまるかどうかは分かりませんが、筆記具のことです。本番ではあまり質のよくない受信用紙が配られます。シャープペンシルなどで力を入れすぎると破れてしまうような気がします。私はもっぱらボールペンを使っていましたが、どうしても手に力が入る(もともと筆圧が高い)ため、そのような方はノック式ではない物の方が良いと思います。最初はノック式を使っていましたが、力が入るとガタガタ感があって書きにくくてやめました。
 練習を始める前に、いろいろなメーカーのボールペンを買い、練習しながら選びました。もったいないようですが、練習に使わないものは普段の事務に使えばいいので、無駄にはなりません。字の太さは太い方がいいようです。
 字体ですが、2アマの時は大文字のブロック体で書いていました。さすがに60字/分ではブロック体は無理なので、小文字の筆記体に変えました。採点する側から見ると、筆記体は見づらいので、きれいに書く必要があります。緊張していない時は、きれいに書けるようにしておきましょう。
□ 2-2 「ナゼ」を追究−無線工学

 上にも書きましたように、無線工学については無線技術士を取った後でもありましたので、これと言って勉強はしていませんが、技術士の時の取り組み方と変わるところはありませんので、それを書いておきます。
 試験は昔と違って選択式になりました。自分で文章を書かなくてよくなった分、易しくなった感じがしますが、採点はデジタルですので、中間点はありません。計算問題では計算ミスが0点になってしまいます。初級の試験では丸暗記も可能ですが、1アマともなると「なぜそうなるか」が分かっていないと、正解にたどり着けません。選択肢の言い回しや計算に用いる数値などは過去問から変わっているものもあり、丸暗記はほとんど無理でしょう。
 過去問をやるのが無駄だ、と言っているわけではなく、問題自体を暗記することよりも、それを解くための道具立てを覚えた方が良い、という意味です。過去問は、出題傾向を掴んだり、問題のレベルを確認する上で受験の基本ですので、大いにやってください。
 過去問と言えばCQ出版社の通称「カエル本」(最近の問題集の表紙はカエルではなくなってしまいました)ですが、これを年を追ってやっていくと、所々で傾向が大きく変わっていることに気付きます。推測ですが、出題担当者が変わったためと思われます。自分がそのような時期に当たってしまっても、うろたえることのないよう、山を張らずに一通りやっておきましょう。
 まず、回路理論ですが、複素数が扱えれば、インピーダンスや共振周波数の計算が簡単にできるようになるので、是非マスターしてみてください。「なぜ」を追究して、と書きましたが、CやLのインピーダンスになぜ虚数が入ってくるのか、は、この際追究しなくてもかまいません。回路を記述するのに、そう考えるとすべてオームの法則で説明がつく、という以外の理由が私にもよく分からないので…。
 トランジスタやオペアンプを使った回路については、分からなければ市販の回路設計の入門書を当たって理解します。回路設計を本職とする初心者向け、という位置付けですが、CQ出版社の「定本」シリーズが実験データの豊富で分かりやすいと思います。
 送受信機やアンテナについては、1アマを受験しようという方なら、自作しないまでも調整や修理などで、中身についてある程度の知識はおありかと思います。過去問を解きながら、自分の経験や知識を総動員してやってみるとよいでしょう。
 電波伝播の分野では、電離層伝播(HF)のみならず、地上波の到達範囲、VUHF以上の異常伝播などの知識も必要になります。Eスポ・ダクト・散乱など、これらが起こる原理とよく伝播する周波数を整理しておきましょう。実際の交信で体験する機会があれば、ローテーターを回した時のSメーターの振れ、音の聞こえ方、など五感を使って復習してみると、絶対に忘れません。
□ 2-3 覚えるしかない−法規

 これに関しては、正直なところ覚えるしかありません。条文を正確に覚えるしかない、というのは、こんな問題が出るからです。
 問題文が、「以下のうち、電波法に照らして誤っているものはどれか」ときて、選択肢に「無線局を廃局したので、空中線を撤去した」「非常通信を行なっている局を認めたので、電気通信監理局長に報告した」「アマチュア局同士の通信は、通信の内容を漏らさなければ、その存在のみを第三者に公開しても良い」…と来るわけです。
 このように、選択肢が全く異なった条文から構成されていて、選択肢同士を比較したり問題文からヒントを得ることができません。こうなってくると、条文を丸覚えするしかないわけですが、法律の条文は覚えられないもの…どうしたらいいのか?
 私がお勧めする(と言うか、こういう風にしかできなかった)のは、条文の「意味」を覚えることです。例えば、電波法第59条では、

 「何人も法律に別段の定めがある場合を除くほか、特定の相手方に対して行われる無線通信を傍受してその存在若しくは内容を漏らし、又はこれを窃用してはならない」

 と、なんとも分かりにくいですが、ポイントは、「特定の相手方」と「存在もしくは内容を漏らし」です。
 通信の秘密を漏らしてはいけないことは、1アマを受ける方なら常識、とします。それが、受信機をいじっていて、たまたま聞いてしまった内容が、他人に喋っていいものなのか、いけないものなのか、どこまでがいけないことなのか…それを示すのが上に挙げたキーワードの中に含まれている、ということです。
 「特定の相手方」ですから、放送は含まれません。「昨日テレビでさぁ…」と言っただけで電波法59条違反に問われたらたまったものではありませんが、「昨日、列車無線聞いてたらさ…」はまずい訳です。列車無線は、ごく一部の鉄道会社関係者という「特定の相手」への通信であって、不特定の多数を相手にした通信ではないからです。但し、傍受そのものは禁止していません。また、「存在もしくは内容を漏らし」ですから、漏らしてはいけないのは「存在も内容も」両方、ということになります。そこで、電波法59条を解釈すれば、

誰であっても(日本国籍を持たない人も含む)除外規定がない限り、決まった相手と行なう目的の無線通信を傍受したら、その存在も内容も漏らしてはならず、悪用してもいけない

とでもなるでしょうか? 覚えるのは条文そのものではなく、こちら(条文が意図するところ)です。それと選択肢を照らし合わせる、という解き方になります。
 それから、数値がからむ規定の場合、「x以上」「y以下」「xを超える」「y未満」等の範囲を示す表現に注意します。
 引っ掛け問題もあるでしょうから、満点は無理でも7割取れれば合格です。私も含めて暗記の苦手な方は多いと思いますが、がんばって下さい。

試験当日〜合否通知まで
□ 3-1 試験開始まで

 無線工学と法規は、「通信術さえ科目合格できれば、また受ければいいや」、と直前まで全く何もやりませんでしたが、さすがにチョッと不安になったので、数日前から通勤の電車の中などでざらっと目を通しておきました。特に、法規は微妙な言い回しの引っ掛け問題にハマらないように注意です。
 いよいよ12月の試験当日、晴海の試験会場へ向かいます。私はいつも、東京駅から都バスを利用しています。試験開始が9時半ですので、8時半ごろ東京駅を出発するバスに乗っています。この時間だと日曜ということもあって、全然道路が混雑しないので、遅刻を心配する必要がありません。
 試験場に着くと、すでに2〜3割程度席が埋まっています。東京会場では数十人ごとに列が決まっていますが、列の中での席は自由です。あまり後ろに行くと、試験官の声が聞こえないので前から1/3くらいのところに座ります。
 昔、モールス(受信)の試験の時に、テープレコーダー(2アマの頃は「オープンリール」)を使っていた頃は、前の方に座らないと、音が室内に反響して聞き取りづらい、ということがありましたが、今は(少なくとも東京会場では)試験室内の天井に数ヶ所設けられたスピーカーから音が出ますので、座る位置によって、有利/不利の差はほとんどないといっていいと思います。
 ちなみに、前回受けたときは通信術の問題は「カセットテープ」でしたが、今回はMDに入っていました。いつから変わったんでしょうか…
 会場内は私のような30代(当時)は少数で、40代後半から50代くらいのおじさん(失礼)が多かったように思います。ごく少数ながら女性もいました。
□ 3-2 試験開始…無線工学

 試験官の長い説明が終わり、いよいよ無線工学の試験開始です。無線技術士を受けてから、無線工学の勉強は全くしていませんでしたので、問題を見ると易しそうなのですが、いざ始めてみると、苦手の計算問題で計算間違いを連発していました。
 やはり計算は、小学生がやっている「百ます計算」みたいなもので、トレーニングしていないとすぐに錆びてしまうもののようです。
 計算問題は前半に多いですが、ここで時間を取られてしまい、私がやっと全部終わる頃にはボツボツ退出する人がいました。過去の経験から、あまり早く退出して昼食を早く取ると、午後一番の通信術までの時間が余りすぎます。時間があるからと、下手に受信練習など始めてしまうと、それだけで疲労度&緊張度がどんどん上がってしまい、本番に入る前にすでに衰弱状態になるので、なるべく無線工学をじっくり見直して粘ります。
 もちろん、全然そんなことないよ、という方は、直前まで聞きなれた練習テープorMDでコンディションを整えておく方が実力が出るかもしれません。私も早くそうなりたいものですが、この当時は無理でした。
 出た問題は、コンデンサの直列接続で電圧分割比を問うものなど受動回路の基礎が6題、トランジスタ回路やPLL、論理回路が6題、AM変調やスーパーヘテロダイン受信機など送受信機が8題、電源が2題、アンテナやLUF・FOTなど電波伝播が6題、測定が2題でした。詳細な内容は、カエル本の平成13年12月期の問題を見ていただければ分かりますが、例年に比べて妙な問題もなく、また、傾向がガラッと変わったということもなく、平均的な難易度だったと思います。
 終了30分前に退出し、近くのホテル浦島の昼食バイキングに向かいます。別にバイキングでなくてもかまわないのですが、試験会場のある江間忠ビルの1Fロビーは、すでにお弁当を食べている人でいっぱいですし、春や夏の試験の時のように近くのコンビニで弁当を買ってきて外で食べようにも、冬ですから寒いです。一度は、チョッと贅沢をしてみたかったんですね、これが。
 それが午後の試験に吉と出るか、凶と出るか…いよいよ試験会場に戻って、午後の試験に臨みます。
□ 3-3 また出た悪い癖…通信術

 休み時間中に2回ほど持って行ったMDで受信練習をしてみましたが、この時は多少緊張はありましたが、まだ平常心でした。試験時間になりました。受信に関する試験官の説明が終わり、例年緊張度がぐっと上がるのが、次のABC…と打って行く試し打ちの時です。
 この年はここでちょっとしたハプニングがありました。音が大きすぎたのです。試験官が、「これでいいですか? 皆さん聞こえますか?」ってこれが聞こえなかったら難聴だよ、っていうくらいの大きさです。もしかして、試験官のおじさん(お爺さんに近い)は耳が悪いのか? などと思っていると、前の方にいた何人かが「大きすぎる」と言ったらしく、「ああ、大きすぎますか。ではちょっと小さくします」と言って、音量を下げました。そして、また最初からABC…を打ち始めました。今度はちょうどいい大きさです。そうこうするうちに隣の試験室ではすでに始まったらしく、符号が聞こえてきます。
 そうして遂に HR HR [BT]…始まりました。内容はほとんど覚えていませんが、料理(cooking)がどうのこうのという内容でした。半分くらいまでは、字もミミズにならず、おおむね順調に書けていました。
 ところが、およそ真中あたりを過ぎた時でした。2〜3字、連続して脱字が出てしまったのです。気が緩んだんだと思いますが、一気に緊張します。字もミミズになり始め、手が言うことを聞かなくなり始めます。こうなってくると頭の中は真っ白ですが、それでも必死に符号を字にし続けます。脱字がかなりあったと思います。「やめ」の掛け声がかかった時は、手が震えていました。ざらっと見て前半はきれいな筆記体なのに、後半はミミズで、これを見た採点者はどう思うだろうと思うと、情けないやら悲しいやらで、一気に次の法規をやる気が失せるのでした。
 結局終わってみれば、またまたいつもの悪い癖が出て、「多分不合格」と思いながら試験場を後にすることになってしまったのでした。ただいつもと違うのは、「前半はちゃんと書けた」「ミミズだったが最後まで書けた」ということです。
□ 3-4 一応投げずに…法規

 通信術の試験と、法規の試験の間に休み時間はありません。通信術の答案が集められるとほぼ同時に、法規の問題が配られ、棄権できないようになっています。
 本当は投げてしまいたい気分でしたが、2アマの時のように、もし通信術がOKだともったいない、という気持ちもあり、合格点が取れる程度にはやってみることにしました。
 法規の勉強は、来る時の電車の中で問題集をパラパラ見た程度です。正直言って、中学・高校の時に覚えまくった条文が今だに頭に染み付いていて離れず、選択式であれば、用語の怪しさ(そんなの法律用語じゃない、という嗅覚のようなもの)や、上に書いたような条文の趣旨の記憶から、選択肢をほぼ2つに絞れてしまうのです。こうなれば後は鉛筆を転がしても半分取れますから、明らかに正解できる自信のある問題を加えれば、何とかなるでしょう。
 余談になりますが、暗記モノは苦手でも、中学高校時代に頭に入ったものというのは、この歳になってもなかなか抜けないものだなと思います。勉強のできる連中は、この歳に英単語や歴史の年表を覚えるわけですが、私は興味のある無線に関係するものしか覚えなかったので、こんなところでしか力を発揮できないわけですね。
 さて、肝心の試験の方は、選択式になってから問題数が増えたため、電波法から運用規則までまんべんなく出題されていました。記述式だった昔は過去問から山を張ったもんですが、今はそんなこともできなくなりました。法規は考えても分からないものは分からないので、見直しも含めて1時間もあればお釣りが来ます。退出が許可される開始後30分になると、皆さんどんどん出て行ってしまいます。果たして2時間粘る人はいるんだろうかと思うくらい…。
 私も1時間ほどで出てしまいました。階段を下りてゆくと、2階の日本無線協会の窓口で、免許申請書を買っている人がいました。毎回、「ああ、自信があっていいなぁ、俺も早くああいう風になりたいもんだ」と思いながらこの階段を下りるのです。今回もまた同じになってしまいました。
□ 3-5 合否通知&成績発表

 合否はシール付きの葉書で送られてきます。それもクリスマス頃に…。3週間ほどで採点できてしまうなんて、大昔の3ヶ月待ちの頃から比べると、歳を取ったなと思ってしまいます。20年以上前ですから。
 余談はさておき、そんな12月末のある日、会社から帰ってくると、郵便が来てから妻は出かけなかったようで、通知が郵便受けに残っていました。
 1階の郵便受けから自室まではエレベータに乗って30秒ほどです。その30秒で、これまで二度、シールを剥がしては「あーあ」とやってきたわけです。今回もどうせダメなんだろう、と諦め半分でめくってみると…何と「合格」の2文字が…。あの試験は何だったんだろう? また2アマの時のように、通信術で受かった自信がないのに受かってしまった、というなんとも言えない後ろめたいような気持ちになります。エレベータの扉が開いた時には、半分放心状態のようになっていました。
 すぐに書類を買ってきて免許申請しました。正月を挟んだのですが、免許の年月日が翌年の1月25日になっていますので、これまた4週間ほどで免許証が発行されたことになります。
 さて、ここまで来ると、通信術が何点で合格していたのか、非常に気になります。後半の品位点減点でギリギリなんでしょうけど…。
 そんなことを思っていたその年の夏ごろだったか、無線従事者試験の得点情報の公開を日本無線協会が始めて、しばらく経った頃でした。それまでは、そんな制度があるのを知らなかった私ですが、ある掲示板の書き込みで自分の得点を調べた方が、申請の仕方を書かれていましたので、やってみました。いわゆる、「怖いもの見たさ」ですね。
 これも2週間ほどすると回答が返ってきて、85点だったというのです。にわかに信じられませんでしたが、「おかしいじゃないか」という筋合いのものでもないので、そのまま有り難く免許をいただいて今に至っています。