□ H29年08月期 A-14  Code:[HF0506] : FM受信機の一般的な特徴
インデックス
検索サイトから来た方は…
無線工学の基礎 トップ

以下をクリックすると、元のページが行き先に飛び、このウインドウは閉じます

 ■ 無線工学を学ぶ
 (1) 無線工学の基礎 
 年度別出題一覧
  H11年 4月期,8月期,12月期
  H12年 4月期,8月期,12月期
  H13年 4月期,8月期,12月期
  H14年 4月期,8月期,12月期
  H15年 4月期,8月期,12月期
  H16年 4月期,8月期,12月期
  H17年 4月期,8月期,12月期
  H18年 4月期,8月期,12月期
  H19年 4月期,8月期,12月期
  H20年 4月期,8月期,12月期
  H21年 4月期,8月期,12月期
  H22年 4月期,8月期,12月期
  H23年 4月期,8月期,12月期
  H24年 4月期,8月期,12月期
  H25年 4月期,8月期,12月期
  H26年 4月期,8月期,12月期
  H27年 4月期,8月期,12月期
  H28年 4月期,8月期,12月期
  H29年 4月期,8月期,12月期
  H30年 4月期,8月期,12月期
  R01年 4月期,8月期,12月期
  R02年 4月期,9月期,12月期
  R03年 4月期,9月期,12月期
  R04年 4月期,8月期,12月期
 分野別出題一覧
  A 電気物理, B 電気回路
  C 能動素子, D 電子回路
  E 送信機, F 受信機
  G 電源, H アンテナ&給電線
  I 電波伝搬, J 計測

 ■ サイトポリシー
 ■ サイトマップ[1ama]
 ■ リンクと資料

 ■ メールは下記まで



更新履歴
2022年
12/31 12月期問題頁掲載
09/01 08月期問題頁掲載
05/14 04月期問題頁掲載
H2908A14 Counter
無線工学 > 1アマ > H29年08月期 > A-14
A-14 次の記述は、FM(F3E)受信機の一般的な特徴等について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。
FM波復調のために用いられている位相同期ループ(PLL)復調器は、一般に位相比較器、高域フィルタ(HPF)及び電圧制御発振器(VCO)により構成される。
スケルチ回路は、希望する受信信号が一定のレベル以下になったときに生ずる大きな雑音を抑圧するためのものである。
送信側で強調された高い周波数成分を減衰させるとともに、高い周波数成分の雑音も減衰させ、周波数特性と信号対雑音比(S/N)を改善するため、ディエンファシス回路がある。
伝搬する途中でのレベル変動や雑音、混信などによる振幅の変動を除去するため、振幅制限器を用いている。
AM(A3E)受信機と比べたとき、中間周波増幅器の帯域幅が広い。

 従来、個別に問われていたことを、まとめて問うだけの問題なので、この問題を「新問」に入れるべきか迷いましたが、従来とパターンが異なるということで、新問と考えました。ですので、知識として新しいことは必要なく、既出問題の総まとめ、という感じで解ける問題です。

[1]FM電波を復調するには

 送信側では、音声などの振幅の変化を、周波数の変化として変調をかけるのがFM方式ですから、受信側では、いわばその「逆関数」を通してやれば、周波数の変化が振幅の変化となって復調される、という理屈になります。
 この、「周波数の変化を振幅の変化に変換する」働きを持った回路のひとつを、周波数弁別器(ディスクリミネーター)といい、回路の構成例や動作原理などは、例えばH1912A15で解説しています。この回路は、純アナログ回路です。
 もう一つ、デジタルとアナログを融合させたような方法として、PLLを用いる方法があります。(PLLについては、H1908A09を参照して下さい)
 この原理は、というと、上記のH1908A09のFig.HD0802_a(PLLの概略構成図)の中で、位相比較器の出力をLPFを通し、出てくる電圧(VCOの入力)があります。厳密な理論を飛ばしてざっくりいえば、周波数大きく変化すれば瞬間的な位相の変化も大きくなるので、それをLPFに通して「積分」したこの電圧は、周波数の変化に応じて振幅が変化するということ、つまりFM波が復調された電圧であることになります。

[2]プリエンファシス・デエンファシス

 FM受信機では、同じ振幅で周波数がx,y [Hz]と異なる(x<y)変調信号でFM変調された信号を受信した時、受信機の周波数特性がフラットでノイズ分布も一様であっても、周波数弁別器を通すと、高い周波数yの方が検波出力に含まれるノイズが大きくなります。つまり、高い周波数成分ほどS/Nが悪化します。
 これを軽減するため、あらかじめ送信側で高域の周波数成分の信号ほど振幅を大きくして(プリエンファシス)おいてやって、受信側では逆に高域の信号程増幅度を抑えて(デエンファシス)やれば、雑音も一緒に抑えられるので、システム全体としてのS/Nは向上します。デエンファシス回路は、周波数弁別器の後段に置きます。
 上記の内容は、例えばH2012A15の後半で解説しています。

[3]振幅制限器(リミッタ)

 FM方式は、受信信号の強度がフェージングやノイズなどで多少変動しても、検波出力の振幅が変動しないことが理想の動作です。これは、受信信号の振幅を一定にしてしまい、周波数変化だけを取り出せば、この動作が実現できます。この、振幅を一定にしてしまう回路を振幅制限器と呼びます。
 上記の、周波数弁別器の手前で、この回路を入れてやり、受信信号の振幅の変化が周波数弁別器に入らないようにします。振幅制限器の原理回路は、例えばH1312B03で解説していますが、これは極めて単純化されたダイオードリミッタ回路で、前段で十分増幅しておかないと、ダイオードの導通が得られないので、リミッタとして動作しません。

[4]スケルチ回路

 FMをやられたことのある方なら、スケルチ回路がない(或いは、スケルチレベルを最小にして、効かなくする)と、信号がない時に「ザー」というノイズがうるさくて仕方ない経験があると思います。
 スケルチ回路は、受信信号があるレベル以下の時に発生する大きな雑音を、音声増幅器の動作を止めてカットしてしまうもので、通常の受信機では、どのレベルで動作させるか、を調整できるようになっています。
 スケルチ回路のFM受信機の中での構成や働きについては、H1804A16で、また、なぜ信号が微弱又は無信号の時に大きなノイズが出るのか、はH2004A15で解説しています。

[5]FM受信機のその他の特徴

 まず、大概はFM受信機でも振幅変調と同様、スーパーヘテロダイン構成を取ります。ただ、ナローFMでも占有周波数帯幅は、SSB/CWよりは広いので、中間周波数増幅段の帯域は、振幅変調系の受信機より広く設計します。
それでは、解答に移ります。
…PLLの位相比較器の出力はLPFに通しますから、誤った記述です
…これは、スケルチ回路の働きを述べているものですから正しい記述です
…これは、デエンファシス回路の働きを述べているので正しい記述です
…これは、振幅制限器の働きを述べているので正しい記述です
…FM受信機の中間周波増幅器の帯域はAM受信機のそれより広いので正しい記述です
となりますから、正解(誤った記述)はと分かります。