目次
集合住宅室内まで光ファイバ
 ■ 光導入以前編
 ■ 光通信能書き編
 ■ 光導入準備編1
 ■ 光導入準備編2
 ■ 光導入工事編1
 ■ 光導入工事編2
 ■ 光通信運用編1
 ■ 光通信運用編2
 ■ 光通信運用編3
 ■ Q&A ファイバと通信
 ■ Q&A 集合住宅に光
 ■ Q&A 導入準備と工事
宅内に家庭内LAN敷設工事
 ■ 家庭内LAN編1
 ■ 家庭内LAN編2
 ■ 家庭内LAN編3
 ■ 家庭内LAN編4
 ■ 家庭内LAN概要(別窓)
 ■ Q&A 家庭内LANとは
 ■ Q&A ケーブルと配線
 ■ Q&A 配線工具と材料
 ■ Q&A 隠蔽配線と工法
おまけ&リンク集
 ■ PC自作編
 ■ リンクと資料編

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家庭内LAN編1 経路検討・調査
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 狭いマンションの家の中に(有線)ギガビットLAN…この世でこんなに不要なものはない? 「無線LANがあるじゃん。なんでわざわざ…」と思う方が大半です。確かに。でも引きたいんです。何と言っても、その高速性・安定性、そしてセキュリティの高さが魅力です。
 動画も静止画も音声も、そしてデジタルデータも制御も…ケーブルさえ引いてあれば、何でもできる、そんな世界を夢見て立ち上がりました。
 しかし、集合住宅+軽量鉄骨…立ちはだかる特有の困難に、わずかな資力と、足りない知恵と、十分すぎる気合を持って挑みます。キーワードは「家庭内ユビキタス(=家のどこに居てもネットに繋げられる)」と「隠蔽配線+埋込みモジュラー」。プロ並みのきれいな配線を目指します。

 「記事の分量が多すぎて、どの場所で何をやっているのかわからない」という方のために、家庭内LAN工事の概要を作りました。

[ご注意下さい]
 家庭内LAN編で行なっている、屋内の電力線や電話線の工事にはそれぞれ、電気工事士・電気通信工事担任者の資格が必要です。ご自分で工事される際は法令違反のないよう、ご注意ください。私はペーパーライセンスですが両方保持していますので、自分で行なっています。
 お約束、ですが、本ページの情報は自己の責任において御利用下さい。特に、白熱電球や換気扇ダクトなど発熱体、高温体の付近へのネットワーク配線、浴室など高湿となる場所への電力線の配線などを行なっています。埋込みモジュラー設置のため、壁にも穴をあけています。ご自分で行なわれる際は、相応のリスクを負うことを御承知置き下さい。
 また、古い住宅では、アスベストにご注意下さい。

「家庭内LAN編1」の目次

1 家の中にLANを引きたい
  □ 1-1 なぜ、家庭内LANか?
  □ 1-2 無線LANではダメなのか?
  □ 1-3 光ファイバか、カテゴリ6か、5eか?
  □ 1-4 集合住宅特有の事情
2 まずは住戸内の調査
  □ 2-1 住戸内の構造ときれいに引く方法
  □ 2-2 点検口から覗いてみる
  □ 2-3 ダウンライトから覗いてみる
  □ 2-4 各コンセントと壁内配管を確認する
  □ 2-5 南半分 TV配線のチェック
3 配線経路・方法の検討 (Phase 1)
  □ 3-1 そもそもどんなLANを構築したいのか?
  □ 3-2 ルータから住戸の北半分への経路案
  □ 3-3 ルータから住戸の南半分への経路案
  □ 3-4 住戸内全体の配線経路の具体案作成
4 配線経路・方法の検討 (Phase 2)
  □ 4-1 光ファイバの切断による一時避難
  □ 4-2 南側エリアTV配線の実情と経路の再検討
  □ 4-3 経路全体の再検討

家の中にLANを引きたい
□ 1-1 なぜ、家庭内LANか?

 元々光ファイバを引いたのは、インターネット(Web閲覧・ファイルダウンロード)が高速になるからだけではない。むしろその向こうにある放送その他の情報サービスの多くが、光に乗ってやってくることを見据えてのことだ。(と、格好良く書いてみたものの、結局はまだWebだけだったりして…)
 すでに、NTT東西などでは、光ファイバ1本ででデータ(インターネット)・電話・映像配信の3つのサービスを実現する「トリプルプレイ」を打ち出してきている。今まで、電話線、電波(AM,FM,TV放送)、同軸ケーブル(CATV)など、家庭に流れ込む情報の経路を光ファイバ一本にすることは、料金やサービスのバリエーションの問題はともかく、技術的にはもう実現している。
ネットワークで繋ぐテレビとPC
Fig.1-1

ネットワークで繋ぐテレビとPC

 テレビ放送では、地上波デジタル放送が始まった今、信号がデジタル化されたので、「録画」は言い換えれば「データのダウンロード」ということになった。オーディオも、デジタルデータでダウンロード購入することは普及し始めてきた。
 今まで、アナログだった情報はデジタルになり、また、インターネットや放送といった情報源から、いつでも取りこんでこられるようになってきた。すでに、Fig.1-1のような(うらやましい)環境を個人で手に入れている方もおられるだろう。
 要するに、入り口が光だろうが電波だろうが、情報がデジタル化された今、家庭内にもそれを流すインフラ(=伝送路)が必要になってきた、ということだと思う。
 上の話はまだ我が家にとっては夢物語的なものだが、もう少し現実的な理由もある。妻もPCを使う時間が増え、私もこのサイトを開いてからほとんどの自由時間をPCの前で過ごすようになってしまった。PCは2台あるのに1箇所にしかないモニタとキーボードに縛り付けられて共用できない、という不便がある。
 このように(我が家では)家庭内LANの必要性は、現実的なものから起こってきているが、今後、上に書いたようなデジタルデータの流れ道という側面でもLANが必要となるだろう。なので、敷設するとすれば、高速化や利用形態の変化に伴ってしょっちゅう引き直しを要求されるようなものではダメで、ある程度長持ちするものであって欲しい。さて、問題はそれをどんな形態で実現するかだ。まず、既存のマンションで家庭内LANとなれば、無線LANが最有力なのだが…。
□ 1-2 無線LANではダメなのか?

 まず最初に書いてしまうと、配線は面倒だが有線LANにしたいのだ。
 家庭内LANといえば、多くの場合無線LANだ。特に、既存住宅で配線がされていない場合、または配線をするスペースもない場合は、間違いなく無線LANが解だということになっている。これはこれで今の段階では十分な解決策だし、物理的に配線が引けないなら、無線しかない。
 速度に関しても、どんどんスピードアップされてきて、100Mbpsも技術的に可能らしい。また、ノートPCで、線を引きずらずに家の中どこでも持ち歩けるし、テレビや録画機を移動させても配線変更が不要なことも利点だ。
 ここまで書いておいて、「でも有線LANにしました」、というのには理由がある。それは、以下の2つだ。
  • 速度的な不安
     今後改善されていくとは言え、将来的に(フルハイビジョンになっても)安定的な動画の転送が可能かどうか、イマイチ不安なことだ。特に、複数の機器が同時に通信する際の速度低下が大きいことと、電界が弱くなってくると、外来ノイズに影響されやすいことだ。
     前者は、今後の機器の増加に備えておきたい時にネックとなるし、後者はうちのような軽量鉄骨造(後述)でインバータを多用した家電品や電子レンジに囲まれ、十分な速度が出るか、と考えてしまう。これは個人的な考えなので、全然気にならないぜ、という方には神経質すぎる理由かもしれないが。

  • 住戸の構造上の問題
     うちのマンションは、軽量鉄骨造りだ。ご存知ない方のために説明しておくと、建物を形作る太い鉄骨とは別に、太さ3〜4cmの細めの鉄骨が、壁や天井を支えている。要するに、コンクリートの箱の内側に、細い鉄骨を固定してそれに壁や天井を貼り付けたもの、だ。
     電波君から見ると、鉄の檻の中にいるようなものなので、隣の部屋に行くにも電界は相当弱まってしまうだろう。これも、速度が十分出るかどうかの不安をもたらしている。
 セキュリティの面は、盗聴の危険があるとは言え、きちんと設定さえすればそこそこの強度があるので、さほど心配はしていない。うちの場合、隣の部屋より、窓のある側の数m隣のマンションの方が危険は感じるが。
 こういったわけで、有線LANに決めたはいいが、この時点では、本当に有線でLANが引けるのか、正直不安でもあった。それは、既存の住宅で、しかも、集合住宅であるからだ。
□ 1-3 光ファイバか、カテゴリ6か、5eか?

 長期にわたって、引き直しが必要ない、という点からだけ見れば、光ファイバが最有力候補だ。だが、一般家庭で手に入る値段で、光配線の選択肢はあるのだろうか? カテゴリ6でさえ結構高価なのに、多分無理である。その上、ネットワークカード・アダプタ・ハブ等の機器まで全部光にしていたら、天文学的なコストになってしまう。ウチでデータセンターでも構えようというなら話は別だが…。家庭内LANとしての光ファイバは、現状では即刻却下である。
 カテゴリ6か5eかについては、悩ましい選択だ。まず、考え方として、初めに挙げたようにネットワークはインフラなので、一度敷設したらそうそう工事をやりたくない。何しろ家庭の中である。しょっちゅう天井裏や壁の中をいじりまわす気はしない。それに、最近の機器ならほとんどが、速度の違う機器が混在していても吸収するためのバッファと制御の仕組みを持っているから、旧型の機器も問題なく使える。そう考えると、長く使えるカテゴリ6だ。
 だが、エンハンスドカテゴリ5でもギガビットは通せるし、ケーブルも柔らかく、通線しやすい。当面、帯域不足になることは考えられない。ただ、線の「撚り」の関係で、AC100Vラインと併走した時にカテゴリ6よりはノイズが乗りやすい、という懸念はある。
 これには散々悩んだ挙句、将来性を取ってカテゴリ6にした。ただ、この時は気が付かなかったのだが、カテゴリ6用の資材はケーブルだけでなく、コネクタから圧着工具(かしめ工具)に至るまで値段が高く、本当に完璧を目指すなら、大変な出費になってしまうことだ。特に圧着工具は一流コネクタメーカー製の専用のものは万単位の値段なので、DIYには不要だろう。「絶対にカテゴリ6」ということでなければ、エンハンスドカテゴリ5でもいいと思う。
□ 1-4 集合住宅特有の事情

 うちの実家は30年以上経った従来工法の木造家屋だ。天袋には屋根裏へ通じるベニヤ板があって、その1枚を上に持ち上げれば、かがんで動き回れるほどの屋根裏が出現する。子供の頃は、こっそり上がってホコリだらけになったものだ。
 それに比べて、集合住宅(特に鉄筋コンクリート造)の天井裏はどうだろう。まずは右の写真Fig.1-2を見ていただきたい。
 これは、うちのダイニングの天井裏に、ダウンライト用の穴からデジカメを突っ込んで撮ったものだ(方法は後述)。天井の石膏ボードから上階のスラブ(コンクリート床)の底面までは、わずか15cmほどしかない。
 これでは、人が入ることはおろか、工具を使ってもケーブルを引くこともできない。最近のマンションでは、ネットワーク配線用にCD管(配線用樹脂配管)を通してあるところもあるようだが、築10年以上経った我が家では、そんなありがたい物は(電話用配管を除いて)ない。
軽量鉄骨造の天井裏
Fig.1-2

軽量鉄骨造の天井裏

 家庭内LANの敷設には、大変な逆境であることは確かだが、何か方法(経路)があるはずだ、と信じてやるしかない。まずは、いろいろな配線・配管の位置と敷設方法を調べ上げて、利用できるものがないかどうか検討することから始めることにした。

まずは住戸内の調査
□ 2-1 住戸内の構造ときれいに引く方法

 同じ有線LANでも、会社(お客さんの目にふれる部分を除く)などでは露出配線は当たり前に行なわれているが、一般家庭では見栄えの問題から、なるべくきれいに仕上げたい。きれいに仕上げるには、AC100Vや電話線のように、埋込み配線が基本になるが、上に挙げたように、人の見えないところにはケーブルの通路が確保できないかもしれない、という制約があるので、モール等を壁面に這わせる露出配線も最後の手段として考えておくことにする(そうまでして引きたいか? っつう話もあるが)。
 右図Fig.2-1は工事前の我が家の見取り図だ。イスラム教圏の地図さながら、南が上になっている。縦横の比率は適当なので、部屋の形はおかしいが相対位置関係はこれで正しい。ベランダは省略してある。うちは西側の端なので、隣の住戸との壁(明るい緑色)以外は断熱材吹き付けのコンクリート壁(濃い緑色)になっている。
 まず、情報信号系統について説明する。
 電話線と光ファイバは、同じ経路で入ってきて、電話線のみはダイニングの電話モジュラー(で示す)に接続され、並列に洋室1のモジュラーに接続している。すなわち、電話線は2箇所でブランチ接続されている。一方の光ファイバは、電話線と並行に引かれ、洋室1のONUに接続されている。
住戸の見取り図とコンセント位置
Fig.2-1

住戸の見取り図とコンセント位置

 テレビ(地上波・BS・ケーブル)は、4箇所(1〜4)に引き出されている。はAC100Vのコンセントだ。小さく見づらくて申し訳ないが、(01)〜(19)はAC100Vのコンセントも含めた、埋込みコンセントの位置番号(私が勝手につけた)である。'AC'とあるのは、エアコン用のコンセントで、エアコンの室内機を取り付ける壁の上部に付いている。実際の形態は、TVコンセント、電話モジュラーはそれぞれ以下の写真のように、AC100Vも電話もTVもまとめてひとつの埋込みになって付いている。
洋室1のTel+TV+ACコンセント(04)
Fig.2-2

洋室1のTel+TV+ACコンセント(04)

ダイニングのTV+ACコンセント(10)
Fig.2-3

ダイニングのTV+ACコンセント(10)

 また、天井裏へのアクセス口となる、ダウンライト、点検口だが、住戸の南半分には全くない。クローゼットの中の天井からもアクセスできないようになっており、どこも完全に閉じられている。北半分のものはそれぞれ、以下のようになっている。
ダイニングのダウンライト2
Fig.2-4

ダイニングのダウンライト2

廊下のダウンライト3
Fig.2-5

廊下のダウンライト3

トイレのダウンライト5
Fig.2-6

トイレのダウンライト5

浴室の点検口
Fig.2-7

浴室の点検口

 これらの個々のパーツの他に、気になるのが梁や排気管といった、天井裏に通る「太い物体」だ。これらは大概の場合、天井がその部分だけ下がっているので、室内からでも位置が良く分かる。
 うちの場合、梁と台所換気扇の排気管が大きなものだった。あとにも書くが、これらが大変な障害なのである。見取り図を左右(東西)に貫き、ほぼ住戸を南北に分断する位置に梁がある。また、台所の換気扇の排気管は、台所から南側のベランダへと突き抜けている。
 次に、きれいに引く方法について考えてみる。きれいに引くには、配線が全く目にふれずに、埋め込まれているのがベストだ。そんなことを考えながら情報を探していると、どらあいさんが主宰するサイト、「LAN工事ドットコム」を見つけた。
 このサイトでは主に一戸建ての情報だが、マンションの工事もされている。徹底してきれいに引く方法を研究されていて、大変参考になる。私がここでゴチョゴチョ書くより、見ていただいた方が話が早い。
 実は私もほとんど同じことを考えていたので、工法、材料共に似ていたが、その実践の手法たるや私と違い、やはり「プロ顔負け」だ。早速どらあいさんに連絡を取って、いろいろ教えてもらった。その情報を大いに参考にさせていただき、作業を進めていくことにする。
□ 2-2 点検口から覗いてみる

 何はさておき、現状がどうなっているか、調べることが先決だ。うまくすれば、アッという間に引けてしまうかもしれないし、(私のように)イバラの道が待っているかも知れない。最近の「ブロードバンド対応」マンションは、先行配管・配線があって楽だろう。
 最初にチェックしたのは、浴室の点検口(Fig.2-7)だ。ここは工具も必要なく、ただ上に持ち上げれば開くので、最も簡単だからだ。一般的に、集合住宅ではユニットバスの上にこうした点検口が設けられていて、配線・配管などのチェックができるようになっている。また、配線を通そうとする天井裏が、どのようになっているかが、まず大まかにつかめる。
トイレ側を見る−見通しなし
Fig.2-8

トイレ側を見る−見通しなし

隣の住戸側を見る−上階スラブから線
Fig.2-9

隣の住戸側を見る−上階スラブから線

 まず驚いたのは、その見通しのなさだ。おまけに、大量の軽量鉄骨の柱が縦横に延びている。これでは、奥には入れそうもないから、脚立を持ってきて、身を乗り出して手が届く範囲に配線するのが精一杯だろう。また、最初は、通線ワイヤの剛性で押し込んでいけばどこかに着くだろう、と思っていたが、横に延びた鉄骨が行く手を阻む。
 ここを見ただけで困難が予想されて、悲観的になりそうになってしまうが、まだまだ始まったばかりだ。冷静に見てみると、以下のことが分かる。
  • ケーブル類は「転がし」配線
    ケーブル類(少なくともAC100V)は、いわゆる転がし配線だ(Fig.2-8の垂れ下がっているVVFが示す)。この配線方法だと、通線工具が使えない。電話は、光ファイバを引いた時にCD管(配線用樹脂管)に入っていることを確認したが、その他はNGのようだ。

  • 上階のスラブに配線穴
    Fig.2-9以外にも、AC100Vがどこかの部屋に飛んでいるのか、上の階のコンクリートスラブに埋まっているCD管の中を通っている。1000Base-Tでは、ノイズの問題があってAC100VとLANケーブルは離せ、といわれているのでここを通すのは無理だとしても、将来、配線が光になった時はこれが使えそうだ。

□ 2-3 ダウンライトから覗いてみる

 次に、ダウンライト器具の取り付け穴から中(天井裏)を覗いてみる。
 ダウンライトは、ネジ止めもなにもなく、ただ、バネではめ込んであるだけなので、手で外せる。石膏ボードの白い粉を浴びることがあるので、目に入ったりしないよう注意しよう。私は随分浴びた。
 取り外すと、Fig.2-4〜6はFig.10〜12のような感じになる。
 これらの電灯は、100Vの接続部分が差込式の場合が大半だと思うが、抜けないようになっていることを確認する。抜けかかっているものは、このように吊り下げると落下の危険がある上に、感電の危険も出てくる。怪しかったら触らずにおくか、修理を頼むか、あるいは自分で電気工事士の資格を取って、直してしまうかだ。
 「覗いてみる」とはいっても、直径15cmほどだから頭は入らないので、デジカメを突っ込んで適当にシャッターを切る。ピントや露出がどうだろうが、とにかく数多く撮りまくって、中の様子を頭の中で組み立ててみるようにする。
ダウンライト2を外す
Fig.2-10

ダウンライト2を外す

 この後の見えないところを見るための道具に挙げてある、手鏡やビデオカメラ、デジカメの動画モード等と懐中電灯などの照明を組み合わせて、見る、という手もある。この方が確実で労力の無駄も少ないことに最近気づいた。すでに遅しだが…。
ダウンライト3を外す
Fig.2-11

ダウンライト3を外す

ダウンライト5を外す
Fig.2-12

ダウンライト5を外す


 ダウンライト2は、Fig.2-1からも分かる通り、ダイニングの東に位置していて、電話線+光ファイバが引き込まれている位置に最も近い。以前に光ファイバを引く工事をした時に分かっている(光ファイバ導入工事編1のFig.1-3)が、上流側は上(天井)側なので、ここを覗けば電話線と光ファイバがどのように入ってきているかが分かるはずだ。
ダウンライト穴2から南西側を見る
Fig.2-13

ダウンライト穴2から南西側を見る

ダウンライト穴2から南東側を見る
Fig.2-14

ダウンライト穴2から南東側を見る

 まず、南西側(Fig.2-13)だが、配線は何もない。ただ軽量鉄骨だけが広がっている。上階スラブの底面とダイニングの石膏ボード(天井)の上面の距離は、15cmほどしかない。
 電話線が入ってきている南東側(Fig.2-14)は、やはりCD管に入った電話線とむき出しのAC100V、それにインターホン配線が見えた。意外だったのは、インターホン配線も住戸内に入ってくるとCD管に入っていなかった、ということだ。
換気扇排気管との位置関係
Fig.2-15

換気扇排気管との位置関係

 電話線の入ったCD管と、そのすぐ横を通る(ハズの)換気扇の排気管の位置を、もう少し詳しく確認しておきたい。なぜかと言うと、この後の検討でも書くが、洋室1に設置したルータまたはハブから、住戸の北半分に線を通す経路は、今のところ、ここしかないからだ。
 それが、左のFig.2-15なのだが、互いにかなり接近していて、例えここへ線が出てきても、こちらへ持ってくるのも向こう(トイレ側)に出すのも、手が届かなさそうだ。何か長い棒を使って、線を引っ掛けたりしないとハンドリングできない。ところが、高さ方向のスペースが15cmほどしかないので、長い物はここには入らないのだ。これは面倒そうだ。

 お次はダウンライト3だ。ここは、室内から見ると天井が一段低くなっているため、上階のスラブまでの高さは、ダウンライト2よりも高いはずだ。
 まず北西側(Fig.2-16)を見てみると、とにかく目の前に、断熱材を巻いた太い換気扇の排気管が立ちふさがっているため、西側(ダイニング)の天井裏は全くと言っていいほど見えない。また、この管の換気扇側には、多数の縦方向の軽量鉄骨が立っていて、この裏手に出ている電話のCD管なども見えない。
 カメラを少し右(北)に回転させると、トイレの天井裏(Fig.2-17)が見える。ここは換気扇の排気管以外はかなり広く空いている。
ダウンライト穴3の北西−太い換気扇排気
Fig.2-16

ダウンライト穴3の北西−太い換気扇排気

ダウンライト穴3の北を見る
Fig.2-17

ダウンライト穴3の北を見る

 さらにカメラを右回転させ、東方向を見てみる(Fig.2-18)。こちらは和室の方向になるが、東西に走る梁が邪魔をして、南半分の天井裏は全く見えない。また、見える範囲には、この梁には配線用の穴などは無く、南半分にはアクセスできない。
 さらにカメラを回転させ、南東方向(Fig.2-19)を見てみる。こちらははっきり言って梁しか見えないので、梁と廊下の天井の石膏ボードが、接する根元がどうなっているかを見たものだ。梁に突き当たるまで石膏ボード及び鉄骨が来ており、全く隙間がない。
ダウンライト穴3の東
Fig.2-18

ダウンライト穴3の東

ダウンライト穴3の南東
Fig.2-19

ダウンライト穴3の南東


 トイレのダウンライト穴5から南東側を見てみる。トイレの西側が台所の換気扇なので、ここから南に延びる太い排気ダクトが梁を貫いているのが見える(Fig.2-20)。図に「排気側」と書かれた方向が南側だが、ここにも隙間は全く無く、配線を南側に通すことはできない。
 ダウンライト穴5から、真西を見た写真がFig.2-21だ。思いっきり腕を伸ばして高い位置から撮ったものだが、天井ぎりぎりまで石膏ボードが来ている上、排気ダクトが上階のスラブまでいっぱいに占めており、線を通すなら、この写真の右側のわずかなスペースに通すしかない。ちょうどこの排気ダクトの向こう側に、電話線などが出て来ている、つまりこの写真はFig.2-15を反対側から見たものになっているのだが、電話モジュラーの真上の位置には、この写真の右側のスペースから線を回り込ませるしかない。
換気扇ダクトが梁を貫通する部分
Fig.2-20

換気扇ダクトが梁を貫通する部分

ダウンライト穴2の反対から見たダクト
Fig.2-21

ダウンライト穴2の反対から見たダクト

□ 2-4 各コンセントと壁内配管を確認する

 南半分の天井裏は、全くアクセスできない。押入れやクローゼットの天井も部屋の天井にも、持ち上げれば開きそうな所は全くないのだった。どらあいさんのページのように、点検口を取り付けてしまう手もあるが、ダイニングで見たように、軽量鉄骨を切断しなくてはならないし、開けたところで上階のスラブまで15cmほどしかないので、目視で作業ができない。穴を開ける際に余計なものを切断してしまうリスクがある上、メリットが少ない、というわけで、点検口作戦はやめにせざるを得なかった。
 代わりに着目したのが、TV配線だ。TV配線なら、AC100Vのようにノイズが乗ってくる可能性もない。
 まず、和室のコンセント(01)をチェックした。本題からちょっとそれるが、ここの埋込みTVコンセントは、入力側と出力側があり、出力側の同軸が、ちぎれかかっていた。よくこれでテレビが見えているもんだ、と思うくらい外部導体が切れている(Fig.2-22)。
 多分ケーブルを引いた後に金具に挟み込んだのだろう。以前、地上デジタル放送の開始に先立って、CATV会社がTVコンセントでの信号強度を測定に来たが、良くこれでパスしたものだ。余長がほとんど無いので、切れたら修理はケーブル交換のおおごとになる。いじっていて切れてしまったら大変だ。ここはなるべく開け閉めしないようにする。
出力側ケーブルが切れかかっていた
Fig.2-22

出力側ケーブルが切れかかっていた

 ここの埋込みコンセントボックスは、完全に外壁であるコンクリート壁に埋まっていて、同軸ケーブルはコンクリート内から出てきていた。ということは、ここに出入りしている線は壁内のCD管を通ってきている可能性が高い。内壁(石膏ボード)との間には、断熱材が入るスペースなのか、2〜3cmほどの隙間があった。これが無いと、結露がひどくなるということだ。

 洋室1のコンセント(04)はさながら情報コンセントだ。光ファイバと電話・TV・AC100Vと3連になっている。メタル電話線が2系統あるのは、1本は局線が上流側(台所電話モジュラー)とブランチ接続になっているもの、もう1本はこちらでIP電話アダプタに接続して台所の電話を鳴らす系統だ。元々電話線が2対になっていたので、こうやってみた。
我が家で最大のコンセント(04)
Fig.2-23

我が家で最大のコンセント(04)

上から電話/光,TV,AC100V
Fig.2-24

上から電話/光,TV,AC100V

 TVの配線は、和室と同様、入力側と出力側があり、取り出しは2系統だった。
 このボックスもコンクリートに埋まっていた。ただ、和室と異なっていたのは、石膏ボードとコンクリート壁との隙間に樹脂の枠がはまっていて、中空部分にアクセスできなくなっていることだった。理由は不明だ。
 ここ(中空部分)にアクセスできないと何が困るかというと、もしCD管に収納されているTV配線に沿わせて、LANケーブルが引けなくなってしまった場合、最悪露出配線でやらざるを得ない。すると、壁の内側に入って来たケーブルを埋込みボックス内に引きこむ経路がなくなってしまうのだ。

 洋室2のコンセント(09)は、部屋の南西の端にある。普段はここも、オーディオ棚兼物置になっていてアクセスできないが、どけて調べてみた。
部屋の南東角のあるコンセント(09)
Fig.2-25

部屋の南東角のあるコンセント(09)

コンセント(09)を開けたところ
Fig.2-26

コンセント(09)を開けたところ

 洋室1のコンセント(04)はコンクリ壁と石膏ボードの間に樹脂枠が挟まっていて、中空部分にアクセスできなかったが、ここは他の大部分と同様にそのような枠はなく、アクセス可能だ。また、埋込みボックスはコンクリ壁に埋まっていて、TVの同軸ケーブルは直接コンクリートの中から現れていた。

ダイニングのTVコンセント(10)
Fig.2-27

ダイニングのTVコンセント(10)

 次の観察がダイニングのコンセント(10)だ。ここのTVコンセントは、入力しかない。ここまで書くとおわかりかもしれないが、和室、洋室1、洋室2、ダイニングの順に、TVコンセントがカスケード接続(数珠繋ぎ又は、渡り配線)になっているのではないか、と思えてくる。
 それは後できちんと電気的に確認するとして、ここのコンセントも和室と同様だった。洋室1のように枠ははまっておらず、コンクリート外壁と石膏ボード内壁の間の空間にアクセスできた。
 ここまで見てくると、TVの同軸ケーブルは、すべてコンクリート壁の中を通っている可能性が高い、と考えられる。TVコンセントはうちの南側と西側の、いずれもコンクリート外壁に埋込みボックスに設置されているからだ。
 多分、AC100Vのように、天井に上がってから転がしではないだろう。こう考えると、通線ワイヤを使えば、容易に配線できると思えてきて、やる気が出てくる。
□ 2-5 南半分 TV配線のチェック

 南半分の配線では、TV配線について、もう少し確認しておかなければならないことがある。
 それは、先ほど「多分カスケード(渡り)配線だろう」と書いたが、本当にそうなのかどうか、と、「CD管の中に配線されているだろう」という予想だ。
 まず、接続のトポロジーだが、和室(01)と洋室1(04)、それに洋室2(09)ではTVコンセントに入力と出力ケーブルの接続口があって、ダイニング(10)には入力しかない。ダイニングは多分終端だ。
 ということは、右図のように確認できるだろう。カスケード接続なら、途中のどこか1箇所でも切れば、テレビは見えなくなるが、分配器が入っているなら自分の経路以外が切断されてもテレビは見えるだろう。
 この仮説の元、和室のTVコンセント(01)の出力側のコネクタを外してみた。テレビは砂嵐になった。
TVの映像または音声を確認
Fig.2-28

TVの映像または音声を確認

 コネクタを元に戻し、洋室1(04)で同様のことをやってみた。やはりテレビは砂嵐になった。洋室2では行なわなかったが、これでカスケード接続であることはほぼ間違いない。
 次は、CD管の中に入っているかどうか、だ。これの確認方法は難しい。工業用内視鏡でもあればいいが、レンタルするだけで1日何万円もする。
掃除機で吸ってみる
Fig.2-29

掃除機で吸ってみる

銅線を突っ込んでみる
Fig.2-30

銅線を突っ込んでみる

 再び、どらあいさんのホームページにあったのをヒントにさせていただいたのが、掃除機を使う方法だ。転がしでなく、管の中に入っている配線なら、片側から掃除機で吸えば、もう片方から糸のような軽い線が吸い込まれて通線できてしまうではないか、というものだ。
 これをやってみた(Fig.2-29)のだが、吸い口に短いホースを継ぎ足してみたところ、掃除機に負荷がかかりすぎて「ゴミ満杯」と判断して回転を下げてしまい、うまく行かなかった。この時は、まだ通線ワイヤを入手していなかったので、手近にあった太い銅線や無線のアンテナステー用のグラスファイバワイヤー(後述)を突っ込んでみた(Fig.2-30)。もし転がしなら、どんどん入っていってしまうはずだ。管の中に入っているなら(これらの線は硬いので)、どこか管が曲がっているところで止まってしまうか、抵抗が大きくなるだろう、と考えた。
 銅線もグラスファイバも、ちょうど天井より少しいったところで、進まなくなってしまった。ということで、「管の中に入っているので曲がりのところで引っ掛かっている」と判断した。
 ところがこの後、管に入っていることと、工具を使って通線できることは、別であることを思い知らされることになるのだ。

配線経路・方法の検討 (Phase 1)
□ 3-1 そもそもどんなLANを構築したいのか?

 ひとつには、「家庭内ユビキタス」とでも言うか、家庭内のどこにいても、LANに繋げられることを目指したい。もうひとつは、安全性と高速性を確保したネットワークだ。後者は、LANの媒体として無線ではなく、有線(LANケーブル)を用いることで、ほぼ自動的に実現できる。
 また「どんなLANを?」という質問からはちょっと逸れるが、(分譲)マンションにとっては、その資産価値を減じないことも重要な視点だ。「素人が手を入れた」ということで、価値が下がる可能性が無いとは言えないが、プロ顔負けにきれいに工事すれば、どうなるのか?という挑戦もしてみたい。
 一方の「家庭内ユビキタス」はあまりに漠然としているので、住戸の構造に合わせて具体的に描いてみる必要がある。Fig.3-1がその具体的なネットワーク構成だ。まずは各部屋1個以上のLANモジュラーを設置することを目標にした。
 まず、光ファイバの引き込み口は洋室1に設ける。これは今まで同様だ。ONUからルータに入り、その4個の口のうちの2つを使う。1つは洋室1に置いた8ポートのハブ1に、もうひとつの口はVoIPアダプタに入れる。
 ハブ1からは洋室1の2台のPCの他、和室・洋室2・ダイニング・電話台にそれぞれ1個のモジュラーに配線する。また、1本は浴室の天井裏に置いたハブ2まで持って行く。これでハブ1の口は埋まってしまう。
配線の概要案
Fig.3-1

配線の概要案

 一方、浴室の天井裏のハブ2は、5ポートで足りる。行き先が、廊下・トイレ・冷蔵庫近辺の3箇所、それぞれ1個のモジュラーでしかないからだ。
 そして、同じ部屋で近くに設置する機器間以外は、すべて埋込みモジュラーコンセントと隠蔽配線で接続する。
 LANとは別の系統として、電話の系統もあるが、当面メタル回線は解約するつもりは無い。(プロバイダ経由の)IP電話とNTTのアナログ電話の2本立てで行く。「鳴り分け」のために、Fig.3-1のようにしている。アナログ電話なら洋室1とダイニングの電話が両方(ブランチ接続)鳴り、IP電話ならダイニングの電話しか鳴らない。これは今までと同じ接続だ。

 実はこの計画を立てた時には、光ファイバの切れる前で、通線可能かどうかも分からない箇所だらけだった。その後、工事が進むにつれ、通線可能な箇所が思いがけず見つかったり、欲が出てきたりして、どんどん計画が変わってゆくことになる。その様子は、各工事の章と対比して、この後(Phase 2)に書いている。
□ 3-2 ルータから住戸の北半分への経路案

 住戸内の調査のところで見てきたように、我が家は、東西に延びる梁で、電線を引く目で見ると住戸が南北に分断されている。従って、相互を繋ぐ線をバックボーンとして、南北はそれぞれ独立に配線工事することにする。まずは北側からの検討だ。

 住戸の北側への配線経路は、これまで見てきたように、ダウンライト穴や点検口などアクセスする手段が豊富なので、天井裏を通すことにする。
 具体的に考えたのは右図(Fig.3-2)の通りだ。まず、ONUとルータは洋室1に置くことは先に書いた。コンセント(04)から、電話線と光ファイバと同じ経路を通して、2本のカテゴリ6を台所の電話モジュラーコンセント(15)まで戻し、1本はそこで取り出し、もう1本は浴室の点検口近くに設置したハブまで引く。
 埋込みRJ-45は、(こんなところにネットが必要なのかわからないが)廊下(17)に1個、トイレ(16)に1個、それぞれ設置する。廊下のものは直接ハブまで届くだろうが、トイレより西側は距離も長くなるので、CD管を引いてそこの中を通す。
住戸北半分の経路案
Fig.3-2

住戸北半分の経路案

 CD管は、ハブからダウンライト2まで引く。トイレ(17)からの配線は、戻る形になるが、ダウンライト2まで引いておけば、換気扇ダクトの辺りの面倒な通線が楽になりそうだと考えたからだ。
 残りの1本または2本の配線は、ダイニングの西側の冷蔵庫(13)あたりに出せばいい、と、この時は調べもせずに安易に考えていた。住戸北側は、ダイニングのテレビコンセントを除いてさほど重要でもないので、ダメなら諦めればいいや、と気楽にやることにした。それよりも問題は、南半分の配線だ。
□ 3-3 ルータから住戸の南半分への経路案

 住戸の北半分は、浴室やトイレ、玄関といった設備だから、LANの必要性はあまりない。逆に、南側は部屋が並んでいて、PCの置いてある洋室1を始め、オーディオやTVがある洋室2・ダイニング(この2部屋はつながっている)には、2部屋に2個くらいのLANモジュラーが欲しい。まずは各部屋1系統で考えてみる。
 前の節で、TVの同軸が壁の中に配線されていそうだということが分かったので、それを前提に考えてみた。今まで通り、洋室1にOMU、ルータ、ハブを置き、ここからスター形に分配して自室以外の3部屋に配る。
 そう考えると、どうしても洋室1と洋室2の間はFig.3-3のように2本配線しなくてはならず、5C-FBの太い同軸とCat.6が2本も通るのか、という懸念がある。ダメなら、洋室2でネットワークが必要になるのはまだ先なので、当面ここはスルーにしておき、必要になったらハブを置いてカスケードにすることにする。
 さて、配管の太さも分からず、果たして通るのか?が問題だ。
住戸南半分の経路案
Fig.3-3

住戸南半分の経路案

 グラスロープを入れてみた時の感覚から、最低でも1本は通りそうだ、ということは分かっていた。後は工事をしてみて考える。繰り返すが、ダメなら露出配線を含め、他の経路を考える。
□ 3-4 住戸内全体の配線経路の具体案作成

 ハブ1からは、和室、洋室2、ダイニング(TVの近く)、ダイニングの電話台、そして浴室の天井裏にこれまた設置予定のハブに分配する。残りの2ポートはPC2台を接続するものとする。ルータとハブは近くに置くので、洋室1にはまだルータの2ポートの余裕がある。VoIPアダプタからのアナログ出力は、光ファイバと同じ経路を通り、ダイニングの電話台の電話機に接続する。
配線案の実体図
Fig.3-4

配線案の実体図

 ここからは、廊下、トイレ、ダイニングの冷蔵庫の近くへと配線する。あまり使いそうもない場所ばかりなので、とりあえず線を引いておいて、使う必要が生じた時にハブ2を購入して全部接続する。
 Fig.3-3を実体に即して書くと、Fig.3-4のようになる。ハブ1から和室、洋室2、ダイニング、電話台への配線は全て壁内の埋込みで、ハブ2への経路は途中まで壁内で途中(電話台モジュラー位置)からは、転がし(CD管内)である。
 住戸の北半分はCD管を中心に配線する。ハブ2から廊下へは近いので、管に入れず直接引く。トイレは一旦ダイニングのダウンライト2の上あたりまで引いて、少し引き返す格好にする。
 冷蔵庫へはCD管を出た後は転がしで到達させる。ここが住戸北側で一番の難工事になりそうだ。このような配線で、ハブ2には1ポート予備ができる。
 ここに書いたことはあくまで当初の計画なので、実際に通線ワイヤを入れてみたら通らなかった、なんてことがあれば、すぐさま変更になる程度のものだ。そうお考え頂き、次編以降をご覧いただきたい。
 まずは、光ファイバが切れるという大事故により、計画を一時変更せざるを得ない事態が発生した。そこで、ここまで描いた計画を一時中断し、光ファイバは暫定設置のまま、北側の工事では工事の進行と共に新たな経路を開拓したり、南側半分の詳細な経路調査を元に大幅に通線個所を増やしたりしてPhase 2の計画へと移行する。

配線経路・方法の検討 (Phase 2)
□ 4-1 光ファイバの切断による一時避難

 家庭内LAN編2の最後で書いているが、誤って光ファイバを切断してしまった。すぐに修理が入ったのだが、切れた場所がダイニングの電話台モジュラー(15)だったため、ここでメカニカルスプライス接続した。このため、ダイニングの電話台上にONU・ルータ・IP電話アダプタを設置せざるを得なくなった。その上、2本引いた南北の線が両方とも長さ不足で、浴室上まで届かないので、配線計画を一時的にではあるが、見直さざるを得なくなった。
ファイバ切断後の暫定配線案
Fig.4-1

ファイバ切断後の暫定配線案

 前の節のFig.3-1と比べてみると、電話台のところにあるルータから洋室2へ行っている2本のケーブルは、そのまま2台のPCに接続されている。あくまでもこの案は仮配線なので、きちんと配線できたら、前の節のFig.3-4のように配線し直そうと考えた(この時点では)。
 この案で困ったのは、配線4に相当する、浴室点検口のハブへの配線ができないことだ。一旦配線は切ってしまわないと、このようにはできない。そうすると長さが足りなくなるので、引き直しが必要になる。
 今回は慌てていたので考えがまとまっていなかったが、洋室1に通信機器類を引くには、いずれにせよ光ファイバの引き直しが必要になる。
 であれば、そのタイミングに合わせて、LANケーブルも引き直してしまえばよい。また費用が必要になるが、この調子で週末にチョロチョロ作業をするペースでは、1年以上先になるだろうから、貯金もできるだろう。当面、各所の配線経路が確定するまで、この形態で運用することにした。
 実体図は右のFig.4-2のようになるが、住戸北側のエリアは、ハブへの配線ができないため、宙に浮いたような状態が続く。まずはこの図の通りに配線できれば、後は南北の経路を張り直して、光ファイバを後から通し、ここは一切いじらないようにすれば良い。
 南側のエリアが配線できれば、ハブ1を購入して洋室1に置けば、北側以外の各部屋とPC2台は接続できるようになる。
ファイバ切断後の暫定配線(実体図)
Fig.4-2

ファイバ切断後の暫定配線(実体図)

以降の手順を大まかにまとめてみた。
  1. 浴室上のハブ(設置予定)から北半分へ通線する
    浴室上のハブは、住戸北半分のエリアをカバーする。通線を優先させて、ハブの購入は後回し。
  2. 洋室1のハブ(設置予定)から南半分へ通線する
    洋室1のハブは、洋室1に置いたPC2台と住戸南半分のエリアをカバーする。ここも、通線を優先させて、ハブの購入は後回し。
  3. 光ファイバを一時撤去する
    2本引いた南北のケーブルのうち、1本は浴室上まで持って行かなければならないが、コンセント(15)が光ファイバで開けられないため、一時撤去する。
  4. 洋室1(04)→ダイニング(15)→浴室上の経路を通線する
    南北を結ぶバックボーンを引く。この時点で各ケーブルコネクタを圧着し、ハブも購入して接続する。
  5. 光ファイバを復活させる
    光ファイバを2階のIDFから引き直す。どの程度費用がかかるのか…
 光ファイバが切れたショックから立ち直り、ここまで考えを整理する間に、結構な時間が経ってしまった。
 ところが、この後、南側の通線について、今までの計画には致命的な見込み違いがあることが分かり、計画はPhase 2の中でも大きく変貌して行くことになる。
□ 4-2 南側エリアTV配線の実情と経路の再検討

 南側エリアの配線は、TV配線と並行してCD管の中をCat.6が引けることが前提だ。前の節では、銅線やグラスワイヤを突っ込んでみて調べているが、その後、通線ワイヤを購入したので、もっと詳細に調べよう(=実際に通してみよう)とした時のことだ。
ワイヤヘッドとCD管の入り口
Fig.4-3

ワイヤヘッドとCD管の入り口

 埋込みボックスの中に出ているCD管の入り口には、既に5C-FBというかなり太いFM/TV/BS用の同軸ケーブルが通っている。同軸ケーブルはそのままに、横に通線ワイヤを突っ込んで通線できるか確認しようというのだが、CD管が細い。内径が16mmくらいしかないのではないだろうか。
 おまけに、コンクリート埋込みボックスとCD管のジョイント部分は、内径がさらに細くなっている。そこに通線ワイヤの本体より太い、ワイヤヘッドのネジ部分を通そうというのだから、土台無理な話だ。実際の様子はFig.4-3のようになっていたのだが、何とも情けない話で、代わりにとやってみたグラスワイヤも銅線も途中でつかえたために諦めた。
 ここ(TV同軸のCD管内)の通線は、南半分のキーだった。ここが通らないことが分かってしまった以上、光ファイバが切れた時以上に計画を変更せざるを得ない。南側は、ダイニングとともに我が家の「生活場所」であり、ここにLANが引けないということは、[家庭内LAN]の価値が半減以下となってしまうことだからだ。
 そこで、南側だけは振り出しに戻って、検討し直した。詳しくは家庭内LAN編4に掲載しているが、南側に並ぶ3つの部屋の相互の通線可能性を探った。その結果、うまくすれば部屋間は隠蔽配線できることがわかった。この「うまくすれば」がまた難物なのだが…。

 それから、これは南側だけに限ったことではないのだが、もうひとつ当初の計画から変更せざるを得ないことが出てきた。
Fig.2-23の再掲
Fig.2-32(再掲)

5C-FBが2本もとぐろを巻いて…

 それは、コンセント内の配置の問題である。当初、LANモジュラーは、ACコンセントやTVのジャックに同居させようと考えていた。TVの配線があるところでは、2個口のジャックを1個にして、残りの1個または2個にLANモジュラーをつけようと考えていたのだ。こうすれば壁に穴を開けなくて済むからだ。
 ところが、上に書いたように5C-FBというかなり太い同軸が、コンセントボックス内の狭いスペースに上流、下流と2本もとぐろを巻いているので、LANのモジュラーが物理的に入らない可能性が出てきた。特に、奥行きがあまり無いところでは、現状のケーブルの収納でさえぎりぎりだ。
 しばらく困っていたところ、会社のLAN工事で、石膏ボードに埋め込まれた「パネルボックス」なる便利なものを見つけた。これなら、既存のコンセントとは別にLAN用の埋込みボックスを付けることは容易だし、現用のコンセントと見栄えも遜色なく設置できる、ということで決断した。
 それと、Phase 1の時から気になっていたことがひとつ。前の計画では、今ひとつモジュラーの数が足りない。部屋に1つでは足りないのではないか、ということだ。このあたりは「やっているうちに欲が出てきた」というところか?
 また、和室や洋室2をTV用の配管を使わずに、壁内を這わせ、また、部屋間の壁を壁に穴を開けずに通すには、どうしても隣との壁の間際に、コンセントボックス(上に書いたパネルボックス)を取り付けて、アクセスできるようにしなければならない。
□ 4-3 経路全体の再検討

 これらの状況と北側の通線状況を加味して検討し直したのが、Fig.4-4だ。「北側の通線状況」というのは、最初は浴室天井裏のハブからダイニングの西側までは1本しか引けないと思っていたのが、幸いにも2本引けたことを意味する。従って、冷蔵庫横(レンジ裏)だけでなく、TV/ACコンセント(10)の位置は、Phase 1では洋室から引くことにしていていたのを、浴室上から引くことができるようになったということだ。
 また、モジュラーをコンセントに同居させるのをやめたため、Cat.6のモジュラーは図中で独自の番号([nn])を振っている。ただ、廊下とトイレは、別に穴をあけてまで増設するほど重要視していないので、ここは同居させるが、便宜上、コンセントと別な番号を振ってある。
Phase 2 配線案
Fig.4-4

Phase 2 配線案

 Fig.4-4を見てお分かりのように、前の計画から比べると、大幅に配線の本数が増えている。これだけの本数が今すぐ必要とは思えないが、必要になってからほじくり返して工事するより、最初に一気に引いてしまった方が、後が楽だ、という発想で工事することにする。
Phase 2 配線案(実体図)
Fig.4-5

Phase 2 配線案(実体図)

 Fig.4-5は配線経路まで考えた実体図だ。まず、洋室2のモジュラー5個×2のボックスを設けなければならない。2つに分けたのに深い意味は無い。4連のパネルボックスもコスモワイド21のパネルが手に入りづらいためだ。
 配線が絡まっていて見づらくて申し訳ないが、左半分のモジュラーコンセント[04-1]が和室と浴室天井裏とダイニングの電話台へ、右半分の[04-2]が洋室1と洋室2のすべてのモジュラーへの口だ。
 このようにすると、元々電話モジュラーが付いていたコンセント(04)の口が2個分空くので、ここに電話(IP電話用内線)と光ファイバの取り出し口を設けることができる。前の計画では漏れていたが、この電話関係のモジュラーと引き出し口が抜けていた。
 ハブは8ポートが合計3台必要になる。ハブ1+2は16ポートでもいいが、繋がない部屋にまでポート数を確保する必要は今のところ無いので、8ポートを買い足していけばいいことにする。
 和室、洋室2ともにTV位置には2つのモジュラーが付けられる。ネット経由での画像配信のためのテレビ、録画機がハブなしで接続できる。和室のTV位置のモジュラー[01][02]と洋室1と2の間の壁に位置しているモジュラー[05][06]は、どうしても一部露出配線とならざるを得ない見通しだ(このあたりの理由は、それぞれの配線工事の章に詳述してある)。洋室2の西側の[08][09]は隠蔽配線になっているが、この時点で見通しが立っているわけではない。[07]から呼び線を床下に突っ込んでいくわけだが、勘が頼りの作業となる。ダメなら露出配線だ。
 北側はこれを検討した時点ではほぼ固まっているので、大きな変更はないが、前に書いたように、ダイニング西側のTVコンセントまで直通できたので、ここの配線が追加になっている。あと、電話台への配線も1本追加した。電話台へはハブ2からとハブ3からと、2系統引くことになる。蛇足ではないかと思ったが、もし将来、南北間がボトルネックになったら[12]-[13]間をショートケーブルで結んでしまえば、元々引いていたケーブルと併せ、ハブ2−3間を「ビッグパイプ」化することができる(対応したLANスイッチが必要だが)。
 但し、ダウンライト2−浴室間は、22mm径のCD管にCat.6の単線ケーブルを5本も入れて通すことになるから、もし通らなければハブ3から[13]への配線を諦めるか、トイレへの配線を諦める。