目次
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 ■ 光導入準備編2
 ■ 光導入工事編1
 ■ 光導入工事編2
 ■ 光通信運用編1
 ■ 光通信運用編2
 ■ 光通信運用編3
 ■ Q&A ファイバと通信
 ■ Q&A 集合住宅に光
 ■ Q&A 導入準備と工事
宅内に家庭内LAN敷設工事
 ■ 家庭内LAN編1
 ■ 家庭内LAN編2
 ■ 家庭内LAN編3
 ■ 家庭内LAN編4
 ■ 家庭内LAN概要(別窓)
 ■ Q&A 家庭内LANとは
 ■ Q&A ケーブルと配線
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Q&A 光ファイバと通信 タイトル
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 光ファイバそのものと通信に用いられる周辺機器(ONU、スプリッタ、ルータ等)についての疑問に答えます。また、通信サービスや放送との関連も(一般論ですが)簡単に解説します。

「Q&A 光ファイバと通信」の目次

  □ 1 光ファイバと周辺装置
  □ 2 光ファイバと通信サービス
  □ 3 通信・放送と光ファイバ



光ファイバと周辺装置
  □ Q1-01 光ファイバって何ですか?
  □ Q1-02 光ファイバはなぜ速い?
  □ Q1-03 シングルモード・マルチモードとは?
  □ Q1-04 光ファイバの利点は?
  □ Q1-05 光ファイバの弱点は?
  □ Q1-06 ONUって何ですか?
  □ Q1-07 スプリッタって何ですか?
  □ Q1-08 メカニカルスプライス(メカスプ)って何ですか?
  □ Q1-09 ブロードバンドルータは必要ですか?

Q1-01 光ファイバって何ですか? 電線(電話線やCATVのケーブル)と何が違うの?
A1-01  光ファイバは一言で言うと、「光を通す線」です。実際には材質は「これ以上透明なものはない」ほどのガラスで、ファイバ単体では非常に強度が弱いので、補強材や被覆などといっしょに「ケーブル」という形(こんなもの)にして使います。電線が導体むき出しでは使えないのと似ていますね。光が極力ファイバの外に漏れないような構造になっていて、ADSLのように数km程度で速度が低下してしまうようなこともありません。
 一方、電話線やCATVのケーブルは、ご存知のように中を通るのが光ではなく、電気の信号です。同じような「信号を伝える長いもの」なのですが、中を通るのが光か電気か、の違いというわけです。この違いが「桁違い」を生むわけですが、その理由はこの後で…。
関連記事 光通信能書き編 1-1 「光ファイバとはどんなもの?」
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Q1-02 光ファイバはなぜ「速い」のですか? 「光の速さだから」と言う人がいるんですけど本当ですか?
A1-02  この疑問に答えるためには、2つのことを理解しましょう。
 一つ目は、光ファイバの中を伝わっている光は、光源側でその「点滅」により情報を伝えている、ということ。もう一つは、電気も光も「線の中を伝わる速さは何桁も違わない」ということです。
 光ファイバで高速な通信ができるのは、光源側でなされている高速な「点滅」がほとんど弱まらずに受け手側まで伝わるからです。電気信号の高速な「点滅」は、電線を伝わってゆくうちにどんどん減衰してノイズに埋もれたり、波形が崩れたりして、受け側で「点滅」が判別できなくなってしまいます。
 「光の速さだから」というのがウソなのは、線の中を伝わる信号が電気だろうが光だろうが、伝わる速さは桁違いには変わらないことから分かりますね。
関連記事 光通信能書き編 1-3 「光ファイバは高速(広帯域) なぜ?」
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Q1-03 光ファイバには、「シングルモード」と「マルチモード」の2種類があると聞きましたが、違いは何ですか? Bフレッツ等に使われているのはどちらですか?
A1-03  光ファイバの中では、光が全反射を繰り返しながら伝わって行きます。その「伝わり方(これをモードといいます)」がファイバの太さによって異なっています。ファイバが太いと、モードが何種類も考えられますが、細くして行くと、ある太さ以下ではモードが1つしか存在しなくなります。
 「ならば、ファイバが太い方が伝わり方がたくさんあって、いいのでは?」と思うのですが、そうではありません。
 理由は、モードによって到達時間が微妙に異なるからです。反射を繰り返す回数が少ない経路は到達に要する時間が短い経路であり、反対に多い経路はそれだけ長い経路で、到達までに余計な時間がかかります(図にするとこんな感じ)。長さが違う経路が同時に存在するということは、入り口では非常に短い光のパルスを高速に繰り返して入れてやるとすると、ファイバを何10kmも何100kmも伝わって出てくる頃には、長い経路と短い経路で時間差ができ、前後のパルスと重なって、判別ができなくなるということです。
 これを防ぐには、経路=モードを一つに限定してしまえば良いわけで、上で書いたようにファイバの直径をある限度以下にすれば実現できます。
 経路が一つしかないのが「シングルモードファイバ」で高速・長距離向きであり、複数あるのが「マルチモードファイバ」で比較的短距離・低速向きです。Bフレッツを始め、FTTHのファイバも海底ケーブルのような超長距離のファイバも、ほとんどシングルモードです。
関連記事 光通信能書き編 1-3 「光ファイバは高速(広帯域) なぜ?」
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Q1-04 光ファイバの利点は何ですか?
A1-04  今までに挙げてきた、高速で通信が可能である他には、以下のような点が挙げられます。
 まずは他の電線や電波からの干渉がないことです。中を通っている信号が光ですので、他の電線が近くにあっても干渉が起きません。ADSLを引いている家の電話線と、ISDNを引いている電話線が隣り合ったりすると、ADSL側の速度が低下する、なんて話がありましたが、光ファイバにはそんなことは起こりえません。電磁波と相互作用することがないので、無線電波や雷からも影響を受けません。また逆に、他の通信に干渉を与えません。素人無線家の私としては、この辺がポイント高いですね。
 15年ほど前、大学の研究室時代に光ファイバが通信に使われていると知った時、いずれ電話もテレビも光ファイバで繋がる時代が来ることを確信した私は、無線が思う存分できる、なんて喜んだことを思い出します。
 次には、銅線に比べて軽いことです。1本ずつケーブルに仕上げると結構重くなってしまいます。それでも、電話局を出た所などで1000芯もあるような10m程度の長さのケーブルで比べると、銅線だと持てないくらい重いものですが、光ケーブルなら片手で持てる程度の重さです。
関連記事 光通信能書き編 1-2 「細い、軽い、もろい」
光通信能書き編 1-4 「電磁波を受けない、発しない」
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Q1-05 光ファイバの弱点は何ですか?
A1-05  弱点と言ってしまうと語弊がありますが、電線に比べると気難しい点はあります。
 例えば接続方法。電線は被覆を剥いてよじれば出来上がりですが、光ファイバはそうは行きません。ファイバの双方の中心をサブミクロン単位で位置を合わせ、接続する方法(FTTHで主に使われるのはメカニカルスプライスという方法)を取らなければなりません。
 また、ケーブルにしてしまえばある程度の強さがありますが、急な曲げには耐えられない(光が極端に弱まってしまう、又は断線する)ため、既存の建物に配線する場合はできない場合もあります。また、上のように接続の際は芯線を出さなくてはなりませんが、これが非常に強度が弱いので、扱いには細心の注意が必要です。
 このため、電線に比べて工事に時間がかかるため、工事費が高くなります。
 別の観点としては、光ファイバは電気を通さないので、災害時、停電してしまうと使えません。ご存知かもしれませんが、(銅線の)電話は電話局のバックアップ電源によって給電され、停電時でも使えます(留守番電話機能・FAX機能などは使えませんが)。
 それから、光ファイバの芯線は水分に弱いため、ケーブルにする際、特に屋外や地下管路に敷設するケーブルには防水に対して特別な注意が必要になります。
関連記事 光通信能書き編 1-5 「デメリットはないの?」
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Q1-06 ONUって何ですか?
A1-06  一言で言うと、光の信号を電気信号に変える、あるいはその逆を行なう変換器です。
 NTTのハイパーファミリー用のONUを例にとると、電話局側の光ファイバは1本で、宅内側はRJ-45のモジュラージャックが1個です。電話局側から流れてくる光信号を、ONUでパソコン用の電気信号に変換し、逆に、パソコン側から送り出す電気信号はONUで光に換えて送出します。
 送信と受信を同時に(全二重)1本の光ファイバで行なうため、波長の違う光を使用しています。単純に電気←→光の変換だけを行なう装置は「メディアコンバータ」とも言うのですが、ONUは電話局側の装置と同期して、他者宛てのデータを廃棄したり、光側の高速な速度を100Mbps(ハイパーファミリーの場合)に速度変換する機能も持っている、多機能なものです。
 当然のことながら、電話局に向けて自ら光を発しなければなりませんから、レーザダイオードも搭載されています。
関連記事 光導入工事編1 1-3 「屋内ケーブルとONUの接続」
光導入運用編3 2-3 「新ONUの取付け」
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Q1-07 スプリッタって何ですか?
A1-07  一本のファイバに流れてきた光信号を複数の光ファイバに分配する機能を持った、光学素子です。また、分配とは逆に、分岐したファイバそれぞれから送られてくる光信号を1本のファイバに合流させる(合波)する機能も持っています。
 Bフレッツハイパーファミリーで使われているスプリッタ(蝶番部の根元にある細長い黒い棒状のもの)は、局側のファイバを8本に分岐させるもので、電源は不要です。データを行き先ごとに選別する機能はありませんので、このスプリッタの例では、8本に全く同じデータが流れます。うちの場合は集合住宅なので、棟内に設置されていますが、ハイパーファミリーは最大32分岐なので、上流(電話局)側に4分岐のスプリッタが入っているようです。
 さて、単に局側から流れてきた信号を選別せずに分岐するだけだと、他人あてのデータが読めてしまうではないか、と思われるかもしれません。しかし、ONUが常に局側の送出装置とタイミングを合わせて動作していて、自分宛てのデータのみをPC側に流して、後は捨てるようになっているので、他人宛てのデータが見えるようなことはありません。
関連記事 光通信運用編2 1-1 「GE-PONとは何か?」
光通信運用編3 3-2 「新しいPDSSとスプリッタのセッティング」
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Q1-08 メカニカルスプライス(メカスプ)って何ですか?
A1-08  メカニカルスプライスとは、一言でいうと、光ファイバを比較的容易な機械的接続をする方法です。
 上に書いたように、光ファイバは銅線のように簡単に接続することができません。両方のファイバの芯がずれると、光が伝搬できなくなってしまうためです。これを防ぐには、サブミクロンオーダー(1/10000mm程度)の精度で、両方の光ファイバの芯を合わせてくっつける必要があります。
 従来は、顕微鏡+CCDカメラで見ながら芯がドンピシャに合ったところでファイバ同士を突き合わせ、一瞬小さな火花を飛ばして、ファイバ同士を「融かしてくっつける」
融着という方法が主流でしたが、やはり芯を出したり、非常に弱い接続部を持つため、時間がかかりました。Bフレッツのような一般家庭向けのサービスでは、1日に何軒廻れるか、が普及のカギですので、時間がかかる方法は取れません。
 そこでこのメカニカルスプライスという、早く確実に接続できる方法が取られることとなりました。具体的には、正確にV形の溝が切られたセラミックの部品を上下に配置し、わずかに隙間を開けておきます。そこにこの両側から、端面が光の伝わる方向に正確に垂直になるように切断した光ファイバを差し込んで突き合わせ、V溝のセラミックを上下からパチンと挟み込めばできあがり、というシロモノです。
 上のリンクの写真で言うと、左側から入ってきている光ファイバの芯線(青色)の先に「0.25→」と書かれたシールのその矢印の先がメカニカルスプライス本体で、セラミックの四角い棒の上から、ステンレスの薄い板で巻いたようなものでした。作業者が手に持っているのが治具で、このあと、この治具の蓋を「パチン」と閉めれば出来上がりです。メカスプは接続部分が、このセラミックの部品に守られていますので、融着のように、作業後に補強する必要がありません。純粋な機械的接続なので、電源も不要です。
 うちのマンションの場合、屋外線と屋内線を接続する部分、スプリッタの上流側と下流側、室内に入ってからは家庭内LANで切断してしまった部分の修理個所と、ONUの中の合計5箇所もの接続に使われています。普通、最初からハイパーファミリーを引く場合は3箇所でしょうね。
関連記事 光導入工事編1 1-3 「屋内ケーブルとONUの接続」
光通信運用編3 3-3 「IDF内での接続完了まで」
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Q1-09 ブロードバンドルータは必要ですか?
A1-09  ブロードバンドルータは、光ファイバ側のネットワーク(外)と家の中に接続される機器(内)の間にあって、内から外への不要なアクセスや外から内へのセキュリティ攻撃を防いだりする役割を持ちます。
 ですから、PCが複数台ある家庭内LAN環境や、セキュリティをPCに負わせるのは負荷が重い場合は、ブロードバンドルータを接続した方がよいでしょう。ルータも安くなりましたが、セキュリティ機能をすべて有効にした時、どの程度のスループット(単位時間あたりに転送できるデータ量=スピード)が出るかは、結構、機種によって差があります。最近のものは、性能対価格比が相当上がってきましたが。せっかく光回線を使うのに、セキュリティレベルを上げたら途端に遅くなった、というルータは選びたくないですね。
 セキュリティ機能だけでなく、家の中に、将来いろいろな機器が増えそうならば、スイッチングハブ機能も持ったものもほとんどなので、検討の価値はあると思います。
関連記事 光導入工事編2 2-2 「ルータ・PC接続」
光通信運用編1 1 「速度チューニング」
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光ファイバと通信サービス
  □ Q2-01 光ファイバインターネットって本当に必要?
  □ Q2-02 速度が出ないのはなぜ?
  □ Q2-03 「直収」サービスって何ですか?
  □ Q2-04 線を引かなくていい無線は高速にできないの?
  □ Q2-05 光ファイバには放送専用のチャネルがあるの?
  □ Q2-06 IP電話って何ですか? ひかり電話(NTT)って何ですか?
  □ Q2-07 光収容って何ですか?
  □ Q2-08 集合住宅にはなぜファイバを引けないの?
  □ Q2-09 ギガビットサービスなのになぜ家の中は100Mbpsなの?

Q2-01 光ファイバインターネットって本当に必要? ADSLで十分だけど…
A2-01  確かにそうですね。インターネット(静止画で構成されたWebページの閲覧、数MB程度のダウンロードなど)をやるだけなら、ADSLで十分かもしれません。
 ただ、今後テレビ放送・ビデオをはじめとする映像データがデジタル化されますから、それをネットを通じて見るとなるとADSLでは帯域(=伝送速度)が不足します。実はうちもまだ動画データをストリーミングorダウンロードでTVで見る、などという光ファイバのメリットが享受できるような使い方はしていないのですが、光ファイバは電話と同様インフラなので、将来を見込んで引いたわけです。
 「うちは映像系は見ない、ネットサーフィンだけで十分」という間は、ADSLで十分でしょう。
関連記事 光通信能書き編 2-5 「パーソナル通信の近未来像?!」
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Q2-02 うちも光ファイバを引いたのに、速度が出ないのはなぜ?
A2-02  これは、よくある質問のトップでしょうね。一番誤解を生みやすいのが、「ベストエフォート100Mbps(最大)」というような表現です。この100Mbpsというのは、高速道路の制限速度と同じように、混雑してくれば速度を落とさざるを得ませんし、天候によっては制限がかかる場合もあるのと似ています。いつでもこの速度で通信できるわけではありません。
 また、データは「フレーム」や「パケット」といった、一つのかたまりに分割されて送られますが、その各々に行き先のデータなどが付くため、送りたいデータの「中身」の量で計算すると、100Mbpsも出ません。
 このようにいろいろ要因がありますが、自分に近い所から説明しましょう。
 まずパソコンです。通信速度というのは、流れてきた信号をパソコンが解釈してなんぼ、のものですから、解釈をするパソコンが遅いと速度が上がりません。パソコンが高速でもアンチウイルスソフトがネックになっているケースや、パソコンに積まれているネットワークインタフェース回路が低速な場合、パソコンの通信関連の設定が最適でない場合もこれに含みます。
 次にブロードバンドルータなど回線とパソコンの間にある装置が遅い場合です。これもメーカや内部のデバイス・セキュリティ関連の処理の違いにより、かなり差があります。ここまでが自分の責任範囲で、速くしたければ、機器やソフトを替えるか設定を見直すしかありません。
 ここからは自分の責任範囲外で、まずはNTTの場合なら電話局までの経路上のどこかに速度ネックがある場合です。NTTなら「フレッツスクウェア」と呼ばれる専用サイトにアクセスして、NTT回線内の速度を測定することができます。ハイパーファミリーの場合は電話局側1本の1Gbpsのファイバを最大32分岐しますから、32の端末が一斉に送受信すれば単純計算で30Mbps程度になりますが、そんなケースはまずありません。
 その先の経路は、NTT交換機(スイッチ)からプロバイダのサーバまでと、さらにその先の目的となるデータが置いてあるサーバまでの経路となります。これらの経路上には他のサーバやスイッチ・ルータといった機器、さらにそれらを繋ぐ経路(ケーブル)があり、これらのどれもが速度ネックになり得ます。そして、我々からは、そのどれがネックなのかはまず分かりません。
 大まかに切り分けるなら、フレッツスクウェアなどの回線事業者が用意したサイトに接続して速度を測定すれば、プロバイダ以降の要因が切り離されますから、自分の側で改善が可能(100Mbpsより大幅に低い値の場合)なのか、そうでない(90Mbpsに近い場合)のかが分かります。
関連記事 光通信運用編3 4-2 「ノートPCでの速度測定」
光通信運用編3 5-4 「今まではMTU設定を誤っていた!」
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Q2-03 「直収」サービスって何ですか?
A2-03  「直収」というのは「直接収容」の略です。では、「収容」というのは何かというと、電話局に線が繋がれていることです。要するに、電話局に直接光ファイバが通っていることを言います。
 「え、そんなの当たり前じゃ…」と思うのですが、実は光ファイバシステムにはコストを下げるため、電話局から出た1本の光ファイバがユーザ宅に入るまでに分岐させ、1本あたりの敷設コストを下げる方式が取られています。「直収」はそのような方式を取らず、1本のファイバが分岐なしに、直接電話局とユーザを結んでいることを言います。
 分岐がありませんので、他のユーザの使用頻度などの影響されず、電話局まではフルスピードが常に出せます。ただし、分岐を用いるものよりも利用料金は高めです。NTTのサービスで言うと、Bフレッツのビジネスタイプ・ベーシックタイプがこれに当たり、TEPCOのFTTHサービス(TEPCOひかり)も直収です。
関連記事 光通信運用編2 1-1 「GE-PONとは何か?」
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Q2-04 技術が進歩して、無線がもっと高速になれば、線を引かなければならないサービスはなくなってしまうんじゃないですか?
A2-04  そうだといいんですけどねぇ…無線が趣味の私としては大反対ですが。
 まず、いくら技術が進歩しても無線LANのような技術を使って、際限なく高速に通信を行なうことはできません。これは、「シャノンの定理」という物理法則によって、電波が有限な帯域(=周波数範囲)を持つ限り、避けられない(光ファイバの中を通る信号も、シャノンの定理で制限を受けますが、光は電波に比べて桁違いに帯域が広いので、物理限界が問題になることはまずありません)ことなのです。また、電波は「限りある資源」としてどこの国も国家が管理しているため、データの通信のためだけに広大な帯域を割り当てることはありません。
 それから、無線は「空間」という媒体を使用者全員で共有しているため、昔の「イーサネット」で起こったような「衝突(同時に複数の局が送信してしまうこと)」が避けられません。衝突すると、受信したデータが正しいか保証がなくなってしまうので、他の局は送出したいデータがあっても待たなくてはなりません。つまり、速度が低下します。現在の無線LAN装置などは衝突を回避する仕組みを持っていますが、使う人が多くなってくると衝突がなくても速度が極端に低下します。光ファイバほどの高速性を持った無線通信はそうそう実現できないのです。
 そうはいっても、線を引きずりまわさなければならない光ファイバに比べて、どこに移動しても(基地局があれば、ですが)使えるメリットはありますから、移動することが前提の通信(車、手帳型PCなど)や、さほど高速でなくていい用途にはどんどん普及してゆくことと思います。でもきっと、基地局から上流側は光ファイバだと思いますよ。
関連記事 家庭内LAN編1 1-2 「無線LANではダメなのか?」
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Q2-05 光ファイバには放送専用のチャネルがあるの?
A2-05  NTTがハイパーファミリーに採用しているGE-PONというシステムには、インターネット接続に使われている上下方向(上りはユーザ→電話局向け、下りはその逆)の2つの波長の他、下り専用の「第3の波長」も規格としては持っています。
 下り専用ですから、現在広くサービスが行なわれている、ケーブルテレビのようなことが実現可能でしょう。ただ、現状のハイパーファミリーのONUでは、その第3の波長のデータを取り出せるようにはなっていませんので、まずはインフラだけが準備されつつある、ということだと思います。
 ただ、これがどのように使われるか、我々ユーザには見えていません。CATVと同じように「放送」というくくりで、法的に扱ってもらえるかは、著作権処理の問題なども絡んで、まだ未定です。
関連記事 光通信運用編2 1-2 「将来性はどうか」
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Q2-06 IP電話って何ですか? ひかり電話(NTT)って何ですか?
A2-06  音声というアナログ信号をデジタルデータに変換し、インターネットの通信手順「インターネットプロトコル」に従って、相手の選択・呼び出し・通話の終了などの制御手順とともに従来のアナログ電話と同様のサービスを実現したものです。
 こう書くと何だか分かりにくいですが、要するにメールやホームページのデータのやり取りをするインターネットで使われている技術を使って、電話という音声のやり取りを実現したものです。
 電話、と一口に言っても、これに必要な技術は、元々インターネットを流れるデータとは少し性質が違うため、IP電話を実現するためには別に技術が必要でした。その「性質」とは、「リアルタイム性」です。インターネット(プロトコル)では、データを「パケット」という細切れの単位にして送っていますが、パケットを送り出した後は、送信側ではどのような経路をたどるかについては制御しません。このため、パケットによっては違う経路をたどって受け側に届くため、送出側の順序と異なった順序で届く可能性があります。受け側では、最も後に届いたパケットを待ってから順番を組み直して元のデータにしますから、こちらが「もしもし」と言ったのに、相手に即座に「もしもし」と聞こえている保証はありません。相手から「ハイハイ」と返ってくる返事についても同様です。テキストや写真、それにダウンロードして使うファイルなどと電話のシステムが決定的に違うのはこの点なのです。「もしもし」から「ハイハイ」まで数秒も待たされるような電話では、会話にならないですから。
 そこで、この問題を解決するようにしたのがIP電話で、音声のデータを積んだパケットが、優先的に流れるようにしたり、通信事業者が独自に構築したIP電話専用のネットワークに流したりして、実現しています。
 通常、プロバイダが供給するIP電話は、第3者であるネットワークサービス会社(NTT CommunicationsやNTT ME等)の構築したネットワークを利用しています。ですから、同一ネットワーク内に接続されたプロバイダ同士の通話は一般に無料ですが、例えばNTT Com-NTT MEに繋いだプロバイダの契約者との通話は有料となります。
 一方、NTTの「ひかり電話」は、同じIP電話ですが、プロバイダは関係がなく、NTT独自のネットワークでデータを運びます。Bフレッツで言うと、光ファイバ上を電話局まで流れたデータは、プロバイダのネットワークに乗る手前でNTTのひかり電話用のネットワークにスイッチされます。通信手順(プロトコル)のバージョンも優先制御ができる新しいもの(IPv6 アイピーヴイシックス)を使っていて、プロバイダの供給するIP電話よりは高品質を謳ってはいますが、同じひかり電話同士でも通話はタダではありません。
関連記事 光通信運用編1 2 「IP電話導入」
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Q2-07 光収容って何ですか?
A2-07  アナログ電話の話です。家が電話局から数km以上離れていると、電話線の長さも長くなりますので、技術的にもコスト的にも不利なことが生じます。このため、大きな需要のある住宅地の近くまで光ファイバで引いておき、そこで電気/光変換を行なえば、少ない数の光ファイバで、信号の減衰なども問題なく引くことができます。光ファイバ1本で、原理的には何千軒、何万軒分もの電話回線を確保する能力があります。
 このように、電話局から途中まで光ファイバで引かれ、そこから先が銅線で配線される形態のことを光収容といい、地方だけではなく、都市部でも見られます(うちの実家は横浜市内ですが、これです)。
 都合のいいことばかりなのですが、これがブロードバンド時代に意外な盲点となりました。ADSLが引けないのです。ADSLは電話局から家庭まで、1対の銅線が引かれていなければなりません。途中に電気が通らない光ファイバがあると、サービスが受けられません。このため、NTTでは光収容の家庭をわざわざ銅線に戻すサービスも行なっていますが、有料です。それに、元々距離が長いので、ADSLが引けても速度が出る保証はありません。
 こうした「ブロードバンド難民」が多ければ、通信会社も積極的に光ファイバを売り込みに来ますが、地方で需要が見込めないと、なかなか投資がしづらいのか、放置されることが多いです。(ただ、見通しが暗いわけではなく、誘致に成功した例もあります。)
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Q2-08 (既存の)集合住宅には住戸までファイバを引けないのですか?
A2-08  詳しくは、次の章にも解答しています。
 技術的にも法律的にも全くダメ、というわけではありません。可能性はありますので、順を追って可能性を探っていきましょう。大きく分けて、法律の壁と技術の壁の2つの壁があります。集合住宅は共有財産なので、所有者(分譲の場合)や貸主(賃貸の場合)の合意や許可がないと、共用設備である配管を使用したり工事によって外観が変わったりすることが許されないのです。また、技術的には、全戸に光ファイバが通せなくてはいけません。このように、両方の壁が破れなければ実現しないのです。
 まずは法律の壁から。集合住宅で、賃貸の場合は、大家さんや貸主である企業・UR都市機構(旧住宅公団)などが許可してくれないことには工事ができません。同志の住民を見つけて貸主と交渉することもできますが、USENなど、この手の交渉を得意としているサービス提供会社もありますので、任せるのも手です。個人(又は少数)で交渉する場合、相手が大家さんという個人なら、ブロードバンドが理解があれば容易でしょうが、そうでないと困難です。また、相手が個人でない場合は余計に厄介です。特に「ブロードバンド対応マンション」として、デベロッパーと系列関係にある接続会社が指定されていたりする場合、変更は困難でしょう。分譲の場合は、管理組合の決定で変更できますが。
 分譲の場合、「区分所有法」という法律が壁になります。これは、配管やMDF(主配電盤)といったものにファイバを通す工事が、「共用設備の使用」にあたるためです。住民の意思決定の場である、管理組合の総会で過半数の承認を得る必要があります。外壁に配管を這わせるなど、著しく外観の変更が大きい場合は2/3の承認が必要な場合もあります。
 賃貸・分譲いずれの場合も、全戸に光ファイバが引込めることが確認できれば、それだけで資産価値が上がりますので、実際に全戸に配線するかどうかは別として、反対派の口説き文句にはなり得ます。
 次は技術的な壁です。まずは既存の配管に光ファイバを通せるか、が分かれば、最も容易に「全戸光化」が可能になるでしょう。ところが、これがなかなか一筋縄では行かないこともあるようで、施工が悪いと、土中やコンクリート中に埋め込まれたCD管が折れ曲がっていたりして、通線ワイヤが通らないこともあり、そうなると絶望的です。
 通線に問題がないとなれば、今度は空き配管の太さ×本数がネックになることがあります。特に厳しいのが低層階の空き配管で、ここはほぼ全戸数分の本数の光ファイバを通せなければなりませんから、十分な空きが必要です。
 このように、壁に穴を開けて引込んでしまえばいい一戸建てとは異なり、集合住宅にはハードルがいくつもあるのです。このため、最初からファイバを引いてしまう新しい建物でもない限り、諦められてしまう場合が多いのです。でも、決してすべての場合で不可能とは限らないことは、このサイトが証明していますよね。
 回線事業者は、公に「引けます」といって宣伝してしまうと、宣伝=みんなが受けられるサービス、と理解されて、調査してみたら引けなかった、という時に「誇大広告だ」と責任を問われかねないので、おおっぴらに「(光を)全戸に引けます」などとは言えないのです。
関連記事 光導入準備編1 3 「現場調査の詳細」
光導入準備編2 3 「管理組合総会に向けて」
光導入準備編2 4 「管理組合総会での承認」
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Q2-09 ギガビットサービスなのになぜ家の中は100Mbpsなの?
A2-09  光ファイバまではギガビット(1Gbps)で来ているのに、ONUから出てくるのは1/10の速度の100Mbps…そんなの「ギガの光」とか呼んでいいのかぁ!と言いたくなりますよね。これが不当表示かどうかは別として、どうしてこういう仕組みになっているかというと、問題は光ファイバの敷設・維持コストです。
 電話線は、電話局にある端子台と家の電話器が1対1につながっています。他人の電話機は間違ってもつながってないですよね。ところが、光ファイバではその敷設と維持管理にかかるコストがまだ高いため、局から出た1本の高速な光ファイバを、途中で分岐させて、より低速なサービスを何軒もの契約者で分け合うことで、契約1件あたりのコストを下げているのです。
 Bフレッツハイパーファミリーの場合、電話局から出た1Gbpsのファイバを途中で4分岐1回、8分岐1回させるので、計32軒で分け合います。ですから、32軒がフルにデータを流せば、1Gbps/32で約30Mbpsのスピードに落ちてしまいます。まずこんなことはありませんが。
 ファイバの分岐は電気信号ではなく、単に光を「スプリッタ」という部品で4本や8本に分けているだけです。それでは、他人のデータも見えてしまいますね。そこは、ONUが光ファイバの信号に同期して、自分宛てのデータのみを受け取って、他は捨てるようになっているのです。ですから、光ファイバまでは確かに他人のデータも来ています。でもそこはNTTの管理下であって、ユーザがそこから他人のデータを読もうとすれば、それは電気通信事業法違反(要するに盗聴)の疑いが掛けられます。我々がアクセス可能なのは、ONUのRJ-45モジュラージャックに出入りする信号だけで、そこには他人のデータは出てこないのです。
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通信・放送と光ファイバ
  □ Q3-01 どこまで高速な通信ができるの?
  □ Q3-02 「放送と通信の融合」って何ですか?
  □ Q3-03 うちは田舎なんですが、いつ光ファイバが来るんでしょう?
  □ Q3-04 通信も放送もみんな光ファイバになってしまうの?
  □ Q3-05 家庭内LANの配線も光ファイバになってしまうの?
  □ Q3-06 「トリプルプレイ」って何ですか?


Q3-01 光ファイバで、どこまで高速な通信ができるの? 今後もどんどん高速なサービスが出てくるの?
A3-01  伝わる光の光源であるレーザダイオードを駆動するのが電気ですから、いくらがんばっても電気の壁は越えられません。多分現状では数10Gbps(ギガビット/秒)が限度ではないかと思います。
 そこで、光には色(波長)という要素があることを利用して、色の違う複数のレーザ光を同じファイバに入射し、受け側で色を分離して、独立にデータを取り出せば、あたかも光ファイバが複数本に増えたような効果が得られます(図にするとこんな感じ)。例えば、10Gbpsの光信号を4本束ねれば40Gbpsになります。
 「そんなうまい話があるのかよ」と思いますが、この技術(波長多重といいます)は実際にすでに使われていて、もっと多くの波長を使い、基幹通信用ではTbps(テラビット/秒=1000ギガビット/秒)も商品化されています。
 ところで、こんな高速な通信、一般家庭では使い道がないですよね。家庭では1Gbpsもあれば、フルハイビジョンを複数台のテレビで見ても、十分ではないでしょうか? そういう意味で、光ファイバの能力は余力があっても、際限なく高速なサービスが出てくるとは思えません。まぁ、ISDNが出てきた10年前もそんなことを言っていましたから、将来どうなるかわかりませんが…。
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Q3-02 よく耳にする「放送と通信の融合」って何ですか?
A3-02  極めていい加減な解答で申し訳ありませんが、正直なところ私にもよく分かりません。「クイズ番組などで視聴者参加型の番組が実現する」とか、「ドラマなどで役者が身に付けている物をクリックすると、それを販売するショッピングページに飛んで買い物ができる」とか…。
 そもそも、放送ってデータを「送りっ放し」だから放送で、通信は呼びかけ(あるいは問いかけ)に対する返答(レスポンス)のやり取りをするものですね。技術的に言えば、「相手が返答しようがしまいがデータを送り付け」れば放送になり、「送ったデータに相手の答えを待ってやり取り」すれば通信になるだけで、何も「これで世の中変わるぜ!」とか言って、持ち上げるほどのことはあるのかな? と思うのです。
 果ては「放送と通信は融合する=金になる」ということで、マネーゲームにまで発展させている理由がもっともっとわかりません(金儲けに向かないんです、俺)。確かに、目新しくて、テレビが面白くなるかもしれませんが、そんなにお金になるんでしょうか? 一日にテレビの視聴時間が1時間もない私には、「デジタル化」「双方向化」がそんなにバラ色の未来を開くのか、よく分かりません。
 でも、確実にこれからのテレビはデジタル化、双方向化で様子が変わっていくでしょう。どんな風に、かは、私にも分かりませんが。
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Q3-03 うちは田舎なんですが、いつ光ファイバが来るんでしょう?
A3-03  切実な問題ですね。エリアは徐々に広がっているようですが、なかなか町村部までは広がらないですね。電話局から遠い場合、ADSLでは(払っている費用の割に)速度が出ない、そもそも光収容のためADSLが引けない所もあるでしょう。
 参考になるかどうか分かりませんが、神奈川県津久井郡藤野町と相模湖町では、2003年に誘致活動が行なわれ(確か)翌年には開通しています。これに刺激される形(かどうか分かりませんが)で隣町の津久井郡城山町でも、商工会が中心になって誘致活動を展開し、住民や企業からの署名を集めて、NTT東日本に誘致を呼びかけて成功しています。(こんな記事もありました)
 通信会社もある程度の需要があると分かれば、投資もしやすいでしょうから、パソコン好きの人や音楽・映像コンテンツに興味のありそうな人、あるいはお年寄りが多いなら健康状態把握のためのテレビ電話など、潜在需要を通信会社の代わりに引き出して、自ら動く、というのも手かもしれません。一人でいくら「早く引いてくれ」とメールを打ったところで、「ご希望は承りました」の返事しか来ないと思います。やはりここは数の力に頼るのが早道なのでは?
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Q3-04 通信だけでなく、放送はみんな光ファイバになってしまうの?
A3-04  電波を使う放送は、何しろケーブルが不要ですから移動していても受信できますし、手軽です。その代わり、電波は帯域(=伝送速度・チャンネル)が限られますし、信号の減衰や混信などもありますので、あまり高画質なものを多チャンネル送信することはままなりません(地デジではそうともいえませんが…)。
 光ファイバは映像伝送には十分すぎる速度が出せますから、固定した位置で視聴するサービスには向いています。
 技術の世界、これから先どうなるか予測はつきませんが、いきなりどちらかが廃れてなくなってしまうわけではなく、当面はこういった両メディアの特性により、住み分けがなされていくものと思います。
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Q3-05 家庭内LANの配線も光ファイバになってしまうの?
A3-05  今、家庭内LANといえば大方が無線LANだと思いますが、接続する機器が少なく、それで帯域(伝送速度)が足りている間は光ファイバは普及しないでしょう。また、我が家では家庭内有線LANとしてはカテゴリ6で配線しました。光ファイバで同じことをやろうとしたら、線材と埋込み機器だけで数10万円かかりそうですし、何しろ「光ハブ」なんて手に入る価格では存在しません。
 ならば、将来どうなるか、ですが、電線でGbps出ている間は要らないんじゃないでしょうか? 工場などでノイズの多い環境で使う場合は光ファイバが必須ですが、一般家庭でそんな環境だったら、LANを引く前に病気になりそうです。
 ただ、価格が今のカテゴリ6のシステム並みに下がってくれば、使ってもいいなと思います。カテゴリ6はAC100Vラインと近づけることに対して非常に神経を使うのと、私の場合、無線の電波との干渉が気になるためです。こういう「特殊(マニアック)な方」以外には、「光ファイバ家庭内LAN」はほとんど不要でしょう。
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Q3-06 最近よく聞く「トリプルプレイ」って何ですか?
A3-06  光ファイバを引くことで、「データ通信(インターネット)」「電話(IP電話)」「映像配信(放送)」の3つのサービスを受けられる、という意味で「トリプルプレイ」といっているようです。また、トリプルプレイに、外出先での接続(モバイル)を加えた、「クアトロ(quatro)プレイ」というのもあるそうで、一体としてサービスを受けると割安になるとか、(事業者のネットワークから出なくて済むので)いちいち接続にパスワードが要らない、セキュリティ確保がしやすいなどの利点があります。
 ただ、これだけのサービスを一本の光ファイバで受けられるのはすごいことだと思う半面、一度ある事業者と契約してしまったら、乗り換えるのは容易なことではない(電話番号が変わってしまう、今まで見ていた番組が見られなくなる、等の不都合が出る可能性)ので、「囲い込まれてしまう」ことに不安もありますね。携帯電話では、キャリアを移っても電話番号を変えなくて済む、番号ポータビリティ制度が始まりますが、こっち(有線通信)の方はどうなるんでしょうか。
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